2月16日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル下落、好調な米経済統計でリスク志向が強まる

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要16通貨のうち14 通貨に対して下落。朝方発表された米住宅着工件数が予想を上回った ほか、鉱工業生産で製造業の生産が伸びを示したことが材料視され、 高利回り資産への需要が強まった。

英ポンドは主要通貨のすべてに対して下落。イングランド銀行 (英中銀)のキング総裁がインフレ率は年内にピークに達し、2012 年には低下するとの見解を述べたことから、利上げ観測が後退した。 スイス・フランは対ドルで上昇。イスラエルによると、イランの砲艦 2隻が16日にスエズ運河を航行する計画で、イスラエルはこれを 「挑発的行為」と非難した。この日の株価は上昇した。

マニュファクチャラーズ&トレーダーズ・トラスト(ニューヨー ク州バッファロー)のブライアン・テーラー氏は「市場はこの日発表 された経済統計を好感しているようだ。株式相場とユーロは上昇する だろう」と述べ、「市場参加者は少しだけリスクを取りたがっている」 と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.6%下げ て1ユーロ=1.3569ドル。円は対ドルで0.1%上昇して1ドル= 83円68銭。前日は83円77銭。円は対ユーロで0.5%下げて1 ユーロ=113円55銭。一時は113円64銭と、1月28日以来の 安値まで売り込まれる場面もあった。

午後に入り米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員 会(FOMC、1月25、26日開催)の議事録を公表した。それに よるとFOMCメンバーは、米経済に対して楽観的な見方を強めたも のの、雇用の伸びについては引き続き満足していないとの認識を示し た。議事録発表後もドルは主要通貨の大半に対して引き続き下げた。

住宅着工件数

米商務省が発表した1月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換 算、以下同じ)は前月比15%増の59万6000戸となった。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は53万 9000戸だった。この統計発表後、円は一時、ドルに対して下落した。

FRBが発表した1月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事 業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)によると、製造業は

0.3%上昇した。全体指数は、市場予想に反して前月比で0.1%低 下した。公益事業の落ち込みが響いた。

カナダ・ドルは対ドルで3日ぶりに上昇。同国最大の輸出品であ る原油の上昇が影響した。カナダ・ドルは対米ドルで0.5%高。

英ポンド

英ポンドは対ドルで0.2%安と、主要通貨の中で最も大きく下 げた。イングランド銀行のキング総裁は16日、記者団に対し、イン フレリスクが「双方向に均衡が取れている」との見解を示した上で、 政策当局は物価の短期的な影響のその先に注目する必要があるとの考 えを示した。

イングランド銀は、四半期物価報告でインフレ率が年内に

4.4%前後でピークに達した後、2012年半ばまでに2%の目標に向 けて低下するとの見通しを示した。1月の英失業保険申請件数は予想 に反して増加した。

英ポンドは対ユーロで0.8%下落した。

◎米国株:上昇、FOMCが成長率予測を上方修正-決算も好材料

米株式相場は上昇。好調な企業決算や買収のほか、米連邦公開市 場委員会(FOMC)の議事録で成長率予測が上方修正されたことが 手掛かりとなった。

デルは12%高と2008年12月以降で最大の上げ。利益がアナ リスト予想を上回ったことが好感された。農業機械メーカーのディー アは過去最高値に上昇。通期の利益見通しの上方修正に反応した。バ イオ医薬品開発のジェンザイムも高い。フランスの製薬会社サノフ ィ・アベンティスは、ジェンザイムを買収することで合意した。ファ ミリー・ダラー・ストアーズは大幅高。資産家ネルソン・ペルツ氏が 最大76億ドルでの買収を提案した。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1336.32。ダウ工 業株30種平均は61.53ドル(0.5%)上げて12288.17ドル。

ルーミス・セイレスのシニア株式ストラテジスト、リチャード・ スキャッグス氏は、「景気に対するFOMCのより楽観的な見方は、 主要な米企業の業績にも裏付けられている」と指摘。「率直に言って、 ここ数四半期で見られている改善にFOMCが留意したことは評価で きる」と続けた。

FOMC議事録

株価はFOMC議事録発表後に上げを拡大。議事録では、当局者 らが、景気回復は「安定感が増している」と判断したものの、「雇用 市場の改善ペースおよび、改善にむらがあることの双方に引き続き失 望感を示した」と記された。また当局者らは、今年の成長率予測を引 き上げた上で、12年以降の成長率、および失業率とインフレ率の見 通しはほぼ据え置いた。

通常取引の開始前では、株価指数先物が上昇。米商務省が発表し た1月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は前月比15%増 の59万6000戸となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト予想の中央値は53万9000戸だった。

S&P500種の住宅建設株指数は1.7%高。同指数を構成する 12銘柄すべてが上昇した。KBホームは2.1%高の14.64ドル。 レナーは1.9%上げて20.85ドル。

フェデレーテッド・インベスターズの株式市場チーフストラテジ スト、フィリップ・オーランド氏は「投資家や企業の信頼感を感じず にいられるだろうか」と指摘。「住宅市場で改善が見られた」とした ほか、「デルも好調な決算を発表した。これはテクノロジー分野の投 資が力強く伸びることを意味している。企業のバランスシートは健全 で、現金も豊富だ。さらなるM&A(合併・買収)が可能だろう」と 語った。

スエズ運河

イスラエルのリーベルマン外相は講演で、イランの砲艦2隻が 16日夜にスエズ運河を通ってシリアに航行する計画だと述べた。こ れに反応し、S&P500種は一時上げを縮める場面があった。

デルは12%高の15.56ドル。同社の2010年11月-11年 1月(第4四半期)決算は、1株利益が一部項目を除いたベースで 53セントとなった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平 均を44%上回った。

ディーアは2.4%高の95.86ドル。同社は11年10月通期の 純利益見通しを約25億ドルとし、昨年11月時点での予想から引き 上げた。

ジェンザイムは1.1%高の75.10ドル。サノフィは、ジェン ザイムを買収することで合意。ジェンザイムの株主は保有1株につき 現金74ドルを受け取る。

ファミリー・ダラー・ストアーズは21%高の53.25ドル。上 昇率は少なくとも1980年以降で最大。ペルツ氏率いるトライア ン・グループは、ファミリー・ダラーに対して同社株1株当たり55 -60ドルの買収額を提示した。

◎米国債:10年債利回りが上昇、FOMC議事録が楽観強める

米国債市場では10年債利回りが約1週間ぶりの低水準から上昇。 米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日公表した連邦公開市場委員 会(FOMC、1月25-26日開催)の議事録で、当局者らが景気 回復は「安定感が増している」と判断したことが明らかになった。

10年債利回りが下げを埋めた背景には、FOMCメンバーらが 雇用の伸びについては引き続き満足していないとの認識を示したもの の、米経済に対して楽観的な見方を強めたことがある。これより先に はイスラエルの外相が、イランの砲艦がスエズ運河を通ってシリアに 航行する計画だと述べ「挑発的行為」と非難したことをきっかけに、 利回りは低下していた。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ケビン・フラナガ ン氏は、「雇用やインフレに関するFOMCの見方はあまり変わって いないものの、当局の景気見通し改善が市場の注目を集め、国債がや や値下がりした」と指摘。「市場はFOMCの出口戦略の時期を推し 測ろうとしているため、改善についての言及は何であれ目を引く」と 述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.62%。同年債(表面利率

3.625%、2021年2月償還)価格は2/32下げて100 2/32。

10年債利回りは一時3.57%と、4日以来の低水準を付けた。 2年債利回りは1bp上昇の0.83%。前日は一時0.88%と、昨年 5月13日以来の高水準を付けた。

FOMCの経済見通し

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の年初からのリターンはマイナス1.2%。2010年はプラス

5.9%だった。

FOMC当局者は今年の経済成長見通しを引き上げた一方、来年 以降の成長率および失業率とインフレの見通しについては、ほとんど 修正を加えなかった。

議事録は、「数名のメンバーは、十分に力強い回復を示す指標が 増えていることで、資産購入プログラムのペース鈍化もしくは規模縮 小の検討が妥当になる可能性があると指摘した」としながらも、「他 のメンバーは、完遂する前のプログラムの調整を確証できるほど十分 に景気見通しが変化する可能性は低いとの認識を示した」と説明。国 債購入完了後の当局の行動については記していない。

NY連銀の国債購入

ニューヨーク連銀はこの日、2021年5月-27年11月に償還 を迎える米国債19億ドル相当を購入した。量的緩和策として知られ るこの政策に基づき、同連銀はこれまでに総額3382億ドルの国債 を買い入れた。

当局者らは、今年のインフレ調整後の国内総生産(GDP)につ いて3.4-3.9%増との予想を示し、昨年11月時点での予想(3 -3.6%増)から上方修正した。家計支出が上向いているほか、最近 の経済指標で「回復基調の強まり」が示されたことを理由に挙げた。

米金融当局が注目する食品と燃料を除く個人消費支出(PCE) コア価格指数は、今年1-1.3%上昇、12年は1-1.5%上昇と予 想。昨年11月の予想は今年が0.9-1.6%上昇、来年は1-

1.6%上昇だった。

ブルームバーグがエコノミスト79人を対象にまとめた調査によ ると、米労働省が17日発表する1月の消費者物価指数(CPI)は

0.3%上昇となる見通し。前月は0.4%上昇だった。食品とエネル ギーを除いたコア指数は前年比で0.9%上昇と予想されている。

CPIに注目

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジー責任者、カー ル・ランツ氏は、「市場参加者は17日のCPI統計に焦点を絞って いる。景気が改善しつつあることを考慮すれば、上振れリスクがある と多くの人々が考えている」と述べた。

◎NY金:5週間ぶり高値、インフレヘッジ需要で-1375.10ドル

ニューヨーク金先物相場は続伸。ほぼ5週間ぶりの高値をつけた。 インフレ加速でヘッジ目的の需要が増えるとの思惑から買いが続いた。

米国の生産者物価指数(PPI)は7カ月連続での上昇となり、 インドの1月のPPIは8.2%上昇した。イングランド銀行(英中 央銀行)はインフレ率が今年4.4%前後でピークに達するとの見通 しを示した。これは同中銀のインフレ目標の2倍以上。

アルタベスト・ワールドワイド・トレーディングのアナリスト、 ジェフ・プリチャード氏は「インフレ懸念は引き続き金相場を支え、 年末までに新たな高値に押し上げるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比1ドル高の1オンス=1375.10ドルで終了した。一 時は1382.70ドルと、1月13日以来の高値をつけた。最高値は昨 年12月7日につけた1432.50ドル。

◎NY原油:反発、イラン砲艦の動きに注目-中東の供給に不安

ニューヨーク原油先物相場は反発。イランの砲艦2隻がスエズ運 河を通ってシリアに向かう予定であるとのイスラエル外相発言をきっ かけに、中東の石油供給に障害が起きるとの懸念が高まった。

イスラエルのリーベルマン外相は、16日夜に予想されているイ ラン砲艦航行を「挑発行為」だと非難した。5日前にはエジプトのム バラク大統領が辞任。AP通信によれば、リビアではこの日、カダフ ィ大佐を非難する初の抗議活動が行われ、バーレーンやイエメンでも 反政府集会やデモが繰り広げられた。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は、「中東起因のリスクプレミアムに最新の材料が加 わった」と指摘。「イランがスエズ運河に砲艦2隻を送り込んでいる というニュースに反射的な反応があった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比67セント(0.79%)高の1バレル=84.99ドルで終了。過去 1年間では10%の値上がり。

◎欧州株:4日続伸、2年半ぶり高値-好決算でハイネケンなど高い

欧州株式相場は4営業日続伸。ストックス欧州600指数は2年 半ぶり高値を付けた。ハイネケンやソシエテ・ジェネラルの利益がア ナリスト予想を上回ったほか、米住宅着工件数が予想以上の伸びとな ったことが好感された。

オランダのビール会社ハイネケンと、仏銀ソシエテ・ジェネラル が買われた。仏製薬会社サノフィ・アベンティスは3.5%上昇。バ イオ医薬品開発の米ジェンザイムを少なくとも201億ドルで買収す ることで合意したことが買いを誘った。

一方、スイスの特殊化学品メーカー、クラリアントは8年ぶり大 幅安となった。同業でドイツのズードケミー買収で合意したと発表し た。評価額は20億ユーロ。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%高の290.72と、 2008年8月以来の高値で引けた。世界的な景気回復で企業利益が増 えるとの見方のほか、ユーロ圏の高債務国向け支援策が奏功するとの 観測に支えられ、同指数は年初来では5.4%上げている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、ストックス欧州 600指数の構成銘柄の株価収益率(PER、実績ベース)は約

15.5倍と、9カ月ぶり高水準に近い。

ベーデル・バンク(フランクフルト)の調査責任者、ロバート・ ハルベル氏(フランクフルト在勤)は、「2011年は株式にとって良 い1年となるだろう。経済は全般に極めて良好で、業績も好調だ。相 場上昇が終わる明確な兆候は見られない」と語った。

ハイネケンは3.1%上昇。ソシエテ・ジェネラルは4.9%上げ た。一方、クラリアントは13%急落した。

◎欧州債:ドイツ国債が上昇-好調な入札結果と利上げ観測の後退で

16日の欧州債市場で、ドイツ国債が上昇した。10年債入札の 引きが良かったほか、利上げ観測が後退したことが背景にある。

10年債利回りが約1週間ぶりの低水準をつけたほか、30年債 利回りは先月14日以降で最大の低下となった。欧州中央銀行(EC B)の政策委員会メンバー、ベルギー中銀のクアデン総裁は、ユーロ 圏のインフレ率は「今年後半に段階的に低下する公算が大きい」との 見方を示した。同総裁が14日にブリュッセルでの記者会見で発言し た内容は、この日公表された。

ドイツが実施した入札の応札倍率は1.9倍。1月5日の前回入 札では1.6倍、昨年11月の入札では1.2倍だった。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏 (ロンドン在勤)は、「入札結果はうれしい驚きだった」と述べ、ド イツ国債は「今後も支え続けられるだろう」と続けた。

ロンドン時間午後4時55分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.24%。 前日は3.33%まで上げ、2010年1月14日以来の高水準を付けた。 同国債(表面利率2.5%、2021年1月償還)価格は0.35ポイン ト上げ93.93。2年債利回りは3bp低下し1.38%。

ドイツ連邦銀行(中央銀行)はこの日、表面利率2.5%の国債 を33億7000万ユーロ発行し、平均落札利回りは3.28%だったと 発表。ポルトガルは1年物証券を10億ユーロ発行した。平均落札利 回りは3.987%、応札倍率は1.9倍。2日の前回入札では3.71%、

2.6倍だった。

アイルランド10年債は10営業日ぶりに上昇。同利回りは3b p低下し9.21%。前日までの9営業日で41bp上げていた。一方、 アイルランド2年債は3日続落し、利回りは8bp上昇の7.23%。

◎英国債:大幅上昇、イングランド銀総裁発言で利上げ観測が後退

英国債相場は大幅上昇。イングランド銀行(英中央銀行)のキン グ総裁が景気支援に向け、過去最低の政策金利を長期にわたり維持す る必要があるとの見解を示したことを受けて、利上げ観測が後退した。

キング総裁はこの日、四半期物価報告を発表した後にロンドンで 記者団に対し、利上げを準備していないと言明した。英中銀は物価報 告で、インフレ率が年内に4.4%前後でピークに達した後、2012 年半ばまでに目標に向けて低下するとの見通しを示した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替ストラテジスト、ニ ール・メラー氏(ロンドン在勤)は、「年末までに3回ないしは4回 の利上げがあるとの見方が市場に織り込まれていたが、それは行き過 ぎだった」と述べ、「景気下振れへの危機感があるのは明らかだ」と 続けた。

2年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の1.5%。同国債(表面利率4.5%、2013年3月償 還)価格は0.10ポイント上げ106.04。10年債利回りは4bp下 げ3.81%となった。

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