米国債:10年債利回りが上昇、FOMC議事録が楽観強める

米国債市場では10年債利回りが 約1週間ぶりの低水準から上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が この日公表した連邦公開市場委員会(FOMC、1月25-26日開催) の議事録で、当局者らが景気回復は「安定感が増している」と判断し たことが明らかになった。

10年債利回りが下げを埋めた背景には、FOMCメンバーらが雇 用の伸びについては引き続き満足していないとの認識を示したものの、 米経済に対して楽観的な見方を強めたことがある。これより先にはイ スラエルの外相が、イランの砲艦がスエズ運河を通ってシリアに航行 する計画だと述べ「挑発的行為」と非難したことをきっかけに、利回 りは低下していた。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、ケビン・フラナガ ン氏は、「雇用やインフレに関するFOMCの見方はあまり変わって いないものの、当局の景気見通し改善が市場の注目を集め、国債がや や値下がりした」と指摘。「市場はFOMCの出口戦略の時期を推し 測ろうとしているため、改善についての言及は何であれ目を引く」と 述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.62%。同年債(表面利率

3.625%、2021年2月償還)価格は2/32下げて100 2/32。

10年債利回りは一時3.57%と、4日以来の低水準を付けた。2 年債利回りは1bp上昇の0.83%。前日は一時0.88%と、昨年5月 13日以来の高水準を付けた。

FOMCの経済見通し

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の年初からのリターンはマイナス1.2%。2010年はプラス

5.9%だった。

FOMC当局者は今年の経済成長見通しを引き上げた一方、来年 以降の成長率および失業率とインフレの見通しについては、ほとんど 修正を加えなかった。

議事録は、「数名のメンバーは、十分に力強い回復を示す指標が 増えていることで、資産購入プログラムのペース鈍化もしくは規模縮 小の検討が妥当になる可能性があると指摘した」としながらも、「他 のメンバーは、完遂する前のプログラムの調整を確証できるほど十分 に景気見通しが変化する可能性は低いとの認識を示した」と説明。国 債購入完了後の当局の行動については記していない。

NY連銀の国債購入

ニューヨーク連銀はこの日、2021年5月-27年11月に償還を 迎える米国債19億ドル相当を購入した。量的緩和策として知られるこ の政策に基づき、同連銀はこれまでに総額3382億ドルの国債を買い 入れた。

当局者らは、今年のインフレ調整後の国内総生産(GDP)につ いて3.4-3.9%増との予想を示し、昨年11月時点での予想(3-

3.6%増)から上方修正した。家計支出が上向いているほか、最近の 経済指標で「回復基調の強まり」が示されたことを理由に挙げた。

米金融当局が注目する食品と燃料を除く個人消費支出(PCE) コア価格指数は、今年1-1.3%上昇、12年は1-1.5%上昇と予想。 昨年11月の予想は今年が0.9-1.6%上昇、来年は1-1.6%上昇だ った。

ブルームバーグがエコノミスト79人を対象にまとめた調査による と、米労働省が17日発表する1月の消費者物価指数(CPI)は

0.3%上昇となる見通し。前月は0.4%上昇だった。食品とエネルギ ーを除いたコア指数は前年比で0.9%上昇と予想されている。

CPIに注目

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジー責任者、カー ル・ランツ氏は、「市場参加者は17日のCPI統計に焦点を絞ってい る。景気が改善しつつあることを考慮すれば、上振れリスクがあると 多くの人々が考えている」と述べた。

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