3カ月TB利回り上昇、中期債の下落を懸念-入札後に売りが先行

財務省が実施した国庫短期証券(T B)3カ月物入札は落札利回りが2週連続で上昇。約2カ月ぶりの高 水準になった。株高や中期債相場の下落(利回り上昇)を受けて買い が慎重になっているためで、入札後も売りが先行した。

TB3カ月物173回債の最高利回りは前回比0.8ベーシスポイン ト(bp)高い0.1183%、平均利回りも同0.8bp上昇の0.1175%と、昨 年12月20日(最高0.1319%、平均0.1297%)以来の高水準。入札前 は0.1175%で取引されたが、入札後は0.1183%の売り注文に対して買 い注文は0.12%となった。

債券相場の影響でTBは全体的に利回りが上昇しているうえ、前 回入札された3カ月物171回債に売りが出ていたため、入札前から応 札に慎重な雰囲気もあった。14日のTB1年物入札では落札利回りが 2カ月ぶりに0.17%台まで上昇していた。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「TB3カ月物とは言っても、 これだけ中期債が軟調になると金融機関のリスク許容度の問題から弱 気相場になりやすく、在庫を増やしたくないディーラーが多いのでは ないか。来週は0.12%乗せの展開もあり得る」と指摘する。

中期物の新発2年債利回りは前日比1bp上昇の0.245%と、前週 に付けた1年3カ月ぶりの高水準に並んだ。この日の5年債の入札結 果が低調だったうえ、今月は残存期間1年-1年半の利付国債に投資 家の売りが出たため、ディーラーのヘッジ売りが続いている。

国内証券のディーラーは、TB3カ月物は海外投資家の需要を期 待して在庫を積むディーラーもあるが、国内投資家の短中期債の買い 意欲は明らかに後退していると指摘。年度内は積極的な買いに動きづ らい国内銀行が多いのではないかとみていた。

TB市場では、前日から4月上旬に償還する銘柄が0.115%まで 売られていた。海外投資家の需要や国内銀行の担保としての需要に対 して売りが膨らんでいたもようで、ディーラーの在庫整理との見方が 出ていた。

年初から2月初旬にかけては海外投資家によるTBの買い越しが 3カ月物の需給を支えていた面もあったが、ここにきて需要に陰りを 指摘する声もある。東短リサーチの寺田氏は「円安傾向を受けて海外 勢の買いは不透明感が強まっている」と言う。

国内証券のディーラーは、短中期債利回りの上昇が続くと国内銀 行の収益にも悪影響を与えるため、日本銀行は金融調節で金利上昇を 抑える姿勢を示すべきではないかとみていた。

複数の市場関係者によると、TB173回債入札では発行額4.8兆 円程度のうち、証券会社を通さない落札先不明分が1.8兆円程度あっ た。国内証券による6000億円台の落札が指摘されたほか、複数の外国 証券による3000億円台の落札が見られたという。

札割れ回避続く

日銀が午後に実施した全店共通担保オペ8000億円(2月18日- 3月18日)には1兆2962億円の応札が集まり、8004億円が落札され た。落札金利は下限0.10%、3カ月物の基金オペ8000億円の応札倍 率は4.52倍と前回の4.25倍から上昇した。

日銀は1回の全店オペの通知額を1兆円以下に減らしており、前 日に引き続き札割れを回避した。15日に国から年金が支払われたこと で資金余剰になり、当座預金残高が昨年末以来の22兆円まで膨らんだ ためだ。日銀はオペを減額して同残高の縮小を進める可能性がある。

足元のレポ(現金担保付債券貸借)は当日物から18日受け渡しの 翌日物まで0.10-0.105%で低位安定していた。21日はTB3カ月物 や1年物、5年債の発行日が重なり資金不足になるため、今後は同日 の取引水準が注目される。

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