日本株連日の高値、金融や輸出一角上昇-景気、資金流れ安定期待

日本株相場は上昇し、TOPIX、 日経平均株価は今週に入り3日連続で年初来高値を更新。円安方向で 推移する為替の安定で景気、企業業績の改善が見込まれたほか、過剰 流動性による株式投資へのマネー流入も続くとみられた。東証1部33 業種の上昇率上位にはその他金融や証券、保険、銀行など金融株が並 び、東芝やソニーなど輸出関連株も高い。

TOPIXの終値は前日比4.73ポイント(0.5%)高の967.30。 日経平均株価は同61円62銭(0.6%)高の1万808円29銭。東証33 業種の騰落状況は、21業種が上げ、12業種が安い。

MU投資顧問株式運用部の野田清史チーフファンドマネジャーは、 「懸念されていた中国、インドの株式相場は切り返してきている上、 第3四半期までの国内企業業績は良好だった。米経済指標も強い」と 指摘。その上で、「金融など出遅れている大型株にも資金が循環してお り、当面は堅調な相場が続くだろう」と予想した。

前日の米国株は下落したものの、きょうの日本株は朝方から堅調 さを見せた。小幅上昇して始まった後はじりじりと上げ、午後1時前 にはTOPIX、日経平均ともきょうの高値を付け、終値でも昨年4 月30 日以来の高値を更新した。TOPIXは8連騰となり、2009年 7月16 日から8月4日に記録した13日連騰以来の連続上昇記録。東 証1部の売買代金も1兆8357億円と、前日同時点の1兆5878億円か ら16%増えた。

為替状況が投資家心理を改善

米国の量的緩和第2弾(QE2)で世界的に投資資金があふれる 中、日本株への資金流入が続いている。中国など新興国のインフレリ スクはくすぶるものの、昨年の日本株のリスク要因だった為替の円高 や国内景気の低迷などが後退しており、先高期待は強い。住信アセッ トマネジメントの三沢淳一株式運用部長は、「ここ2、3年見放された 日本株に対する見直し買いが入っている」と話す。

投資家心理を明るくさせている1つが為替の状況だ。足元は、米 景気期待からじりじりと円安方向に向かいつつある。東京時間16日の ドル・円相場は、1ドル=83円70銭台で推移。前日のニューヨーク 時間には一時83円92銭と、昨年12月20日以来の円安値を付けた。 年初から15日までの平均は同82円58銭だ。

「米国経済に対する見方が好転し、為替相場が安定してきている ことが株式相場の堅調さを支えている」と、住信アセットの三沢氏。 前日の米国株は高値警戒感から小幅に下落したが、日本株の取引時間 中の米シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)では、S&P 500種指数先物が上げ幅を拡大したことも安心感を誘った。

デフレで苦しむ国内景気も上向きつつある。日本銀行は15日の金 融政策決定会合で、景気の現状判断を従来の「改善の動きに一服感」 から「改善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」に引き上 げた。輸出や生産などの回復が要因で、景気判断の引き上げは昨年5 月以来、9カ月ぶりだ。

上昇率上位に金融 下落率上位に資源

みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると、14日までに開 示した東証1部上場の3月決算企業(金融除く)の第3四半期累計の 経常利益は81%増。通期予想に対する進ちょく率は82.9%に達してお り、上方修正の可能性を残している。業種別では電気機器や輸送用機 器、卸売などが好調だった。

東証1部の売買代金上位では、東芝や日立製作所、ソニー、キヤ ノン、ファナック、日東電工など輸出関連株が上昇。三井住友フィナ ンシャルグループやりそなホールディングス、三菱UFJフィナンシ ャル・グループなど金融株も上げた。33業種の上昇率上位は金融セク ターだった。

個別では、セメントを4月からトン当たり1000-1500円程度値上 げする、と16日付の日本経済新聞朝刊が報じた太平洋セメント、半導 体製造システム事業の堅調を再評価し、野村証券が投資判断を「1(買 い)」に上げた日立国際電気が上昇。在庫コントロールの強化などが奏 功し、11年2月期の業績予想を午後に増額したタカキューも買われた。

一方、相場の足を引っ張ったのが資源関連株。前日のニューヨー ク商業取引所の原油先物3月限は、前日比0.6%安の1バレル=84.32 ドルと昨年11月30日以来、約11週ぶりの安値を更新。この流れを受 け、東証33業種の下落率上位は鉱業や石油・石炭製品、卸売となった。 個別では、国際石油開発帝石、JXホールディングス、昭和シェル石 油が安い。11年12月期の連結営業利益は前期比10%減と連続減益を 計画した関東天然瓦斯開発株は反落した。

国内新興市場は下落

国内新興市場は下落。ジャスダック指数は前日比0.1%安の55.07 と続落し、東証マザーズ指数は同0.4%安の490.59と3日ぶりに反落 した。個別では、サイバーエージェントやミクシィ、ACCESSな ど主力インターネット関連株が下落。11年12月期は前期比20%の営 業減益を見込んだ日本エスコン、11年12月期は最終減益を計画した 日本ライトンがともに急反落した。

半面、減速機の生産能力を25%引き上げる、と16日付の日本経 済新聞朝刊が報じたハーモニック・ドライブ・システムズが反発。3 月末株主を対象に1株を400株に分割するタカラバイオは、流動性向 上が見込まれ1月11日の年初来高値に迫った。

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