債券は反落、国内株高や5年入札低調で-長期金利は1週間ぶり高水準

債券相場は反落。国内株相場が約 9カ月半ぶり高値圏に上昇したことや、5年利付国債の入札結果が低 調となったことを手掛かりに先物売りが優勢となった。現物市場では 長期金利が1週間ぶりの高い水準となる1.3%台半ばに切り上がった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、5年債入札は無難だろうとの見通しが覆された上、国内株価 の堅調推移もあって債券先物に売りが膨らんだと言い、「市場の地合い 悪化もあって投資家の押し目買いも引いてしまった」と話した。

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比8銭安い138円90銭で 始まり、開始後にきょうの高値138円94銭を付けた。しかし、すぐに 売りが膨らむと138円80銭台での推移となり、午後に入ると下げ幅を 一段と拡大させた。一時は1週間ぶり安値となる138円51銭まで売り 込まれて、結局は43銭安の138円55銭で取引を終えた。

前日の米国市場で株価は小幅安となり、一方で米国債は長期ゾー ン中心に買いが優勢となったことから、円債市場も朝方には先物買い を予想する見方が出ていた。しかし、国内株相場が日中を通して小高 い推移となり、午後に日経平均株価が昨年5月6日以来の高値圏まで 続伸すると、債券先物市場では売り圧力が強まった。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、「世界的に景況感が改 善傾向にあることから、債券市場の地合いが悪い状況が続いており、 結果的に投資家のリスクを取りにくくさせている」と話した。

さらに、5年債の入札結果が低調だったことが、午後の取引で一 段と売り込まれるきっかけとなった。市場関係者の間では5年債の入 札に関して無難ないしは順調との見通しが出ていた。クレディ・スイ ス証券の海老原慎司債券ストラテジストは、今回の入札結果について やや低調だったと評価しており、「先物相場は午前からの軟調地合いに 拍車がかかった」との見方を示した。

5年債入札は低調な結果

5年債の入札では事前予想に反して低調な結果となった。岡三証 の坂東氏は、「無難な予想が多かったのでそれに対する失望感が出た」 と言い、実際に市場では利回り0.6%台での買い需要を支えに入札で の波乱予想は少なかったため、結果発表後には先物などに証券会社の ヘッジ売りが膨らんだとみられている。

5年物の94回債(2月発行)の入札結果によると、最低落札価格 が100円01銭、平均落札価格は100円05銭となった。最低価格はブ ルームバーグが調査した予想の100円05銭を下回り、最低と平均価格 の差であるテールは前回債の1銭から4銭に拡大。応札倍率は3.97 倍から3.56倍に低下した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、日本銀行が景気判断を上方修 正したことなどから、短期的には市場が想定する金融緩和の時間軸が 伸びにくくなったと言い、「5年債利回りでみて0.6%台なら買おうと 考えていた向きが様子見に転じたもよう」だと話した。

日銀が16日午後に公表した2月の金融経済月報によると、景気は 「改善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」として、前月 の「改善の動きに一服感がみられる」から情勢判断を上方修正した。 先行きも「改善テンポの鈍化した状況から脱し、緩やかな回復経路に 復していく」との見通しを示した。

10年債利回りは1.345%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、15日終値より0.5ベーシスポイント(bp)高い1.31%で始まり、 午前は1.31-1.315%で取引された。しかし、午後に入って売りが優 勢となると水準を切り上げ、3時前後には9日以来の高水準となる

1.345%を付けた。

312回債利回りは9日午後に1.35%まで上振れて、新発10年債と して昨年4月16日以来の高い水準を記録。その後に米国債相場が持ち 直したことや、投資家の押し目買い需要が膨らんだことから金利上昇 は一服したが、きょうは再び売り優勢の展開となっている。

ただ、金利水準が切り上がる場面では投資家の買いがにじみ出る との指摘も聞かれる。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、米国主導の景 気回復を織り込む格好で、長期ゾーンでは再び金利上昇基調となって いるが、5年債利回り0.6%台であれば相応の買いが期待できると指 摘。「国内株高もあって投資家の買いが引いているが、10年債利回り の1.3%台で金利上昇が加速する感じではない」とも話した。

--取材協力:近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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