自動車の春闘交渉開始-今年も定期昇給など優先、ベア要求見送り

トヨタ自動車などの自動車メーカ ー各社の労働組合は16日、一時金や労働条件の改善などの要求書を会 社側に提出、今年の春闘交渉が始まった。トヨタやホンダの労組は、 定期昇給の確保を優先し、ベースアップ(ベア)要求を見送った。集 中回答日は3月16日となっている。

トヨタ自動車労働組合は賃金制度維持分として7300円、年間一時 金(ボーナス)は基準内賃金5カ月プラス7万円を要求した。賃金制 度維持分は定期昇給に相当するもので、ベアにあたる賃金制度改善分 の要求は昨年に続き見送った。昨年は賃金制度維持分として7100円、 年間一時金は5カ月プラス10万円の要求に対し、それぞれ7100円、 5カ月プラス6万円の相当額の回答だった。

トヨタは、円高で輸出のコスト競争力が低下する中、国際競争力 に与える影響を見極めたいとして、賃金の引き上げは極めて慎重な判 断が必要との見解を発表した。また、賞与についても、単体で営業赤 字が続いており、要求に応えることは到底困難としている。

トヨタの宮﨑直樹常務は同日、欧米市場での現代自動車の競争力 向上など、相当厳しい状況にあると記者団にコメントした。一方、労 組側は会社との交渉で品質をめぐる課題について提言を行うことにな っており、宮﨑常務は賃金以外の働き方の部分も交渉を通じて従業員 と認識を共通化することに重きを置きたいと述べた。

日産自動車によると、日産自動車労働組合は1人当たりの賃金改 定の原資として7000円、年間一時金5.5カ月を要求した。昨年は7000 円の賃金改定原資、5.0カ月分の一時金要求に対し、それぞれ6200円、

5.0カ月の回答だった。

日産自は2004年春、成果主義に基づく給与制度の導入で労使が合 意し、賃上げや定昇の概念がなくなった。このため組合側は05年春闘 から、それまでの従業員の賃金体系を一律で底上げする賃上げ要求か ら、従業員に支払う賃金の総額そのものを増やすことを目指した方式 を採用している。

ホンダによると、本田技研労働組合も昨年に続きベア要求を見送 る一方で、年間一時金要求は5.9カ月とした。昨年は一時金5.7カ月 の要求に対し、満額の回答だった。

自動車メーカーなどの労働組合でつくる自動車総連は1月13日、 今年の春闘交渉で賃金カーブ(定期昇給)維持分の確保や、年間一時 金として基準内賃金の5カ月を基準に、最低でも昨年実績以上を求め る方針を打ち出した。

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