キヤノン:中台でカメラ増産検討、台湾は新棟も-世界シェア47%目標

カメラ世界最大手のキヤノンは、新 興国を中心とするカメラの需要増に対応するため、2011年度以降、中国 と台湾で増産する。コンパクトカメラで同社最大規模である中国拠点 (広東省珠海市)の一段の拡張と、台湾での新棟建設も検討する。

カメラ事業を統括する真栄田雅也常務が14日夕、ブルームバーグ・ ニュースとのインタビューで明らかにした。真栄田氏は、能力増強につ いて具体的な時期や投資額は言及を控えたが、「ここ何年かのうちに、 できるだけ早急にと思っている」と語った。中国での生産規模は10年 度が約1000万台だった。

真栄田氏は、11年度の世界市場が「デジタル一眼レフは前年比15% 増の1500万台超、コンパクトカメラは同5%増の1億1500万台になる だろう」との見通しを示した。横ばいの先進国に対して「新興国は中国 などを中心に力強い伸びを示すと思う。市場の需要増に見合った増強を 検討している」と述べた。

同社が1月末に発表した11年度のカメラの販売台数は、コンパク トが前年比9%増の2300万台、一眼レフが同18%増の700万台を計画 している。

同社は、デジタル一眼レフ、コンパクトカメラとも、低価格機種か ら高級機種まで幅広い品ぞろえでカメラ事業を展開している。真栄田氏 は、10年度の世界シェアが前年比2ポイントアップの45%だったこと を明らかにした上で、「昨年はミドルクラス(中位機種)の強化でシェ アを伸ばしたが、今年はすべてを強くし、2ポイントアップの47%を狙 いたい」と語った。

「すべてのニーズに対応する」

キヤノンの10年度のカメラ事業の売上高は約1兆円。このうち7 割近くをデジタル一眼レフが占め、高い収益性を保っている。国内のカ メラ生産体制は、長崎の生産子会社「長崎キヤノン」が昨年3月に操業 を開始するなど、逐次、拡張してきた。真栄田氏によると「過去3年間 で、国内のある生産ラインでは要員を半減でき、生産性が大幅に向上し た」という。

カメラ業界では、新しいコンセプトの製品が続々と登場している。 その代表例が、ソニーが昨年発売した「ミラーレス一眼カメラ」だ。デ ジタル一眼レフ並みの性能でありながら、小型軽量化に成功し、大ヒッ トした。パナソニックやオリンパスなどが追随し、価格が数万円と割安 なことから若い女性やファミリー層の支持を集め、10年末にはデジタル 一眼の国内市場の25%を占めるまでになった。

最大手のキヤノンがミラーレス一眼に参入するか否か、市場では注 目が集まっている。真栄田氏は2月7日の新製品発表会見で「あらゆる 角度から検討する」とコメント。ニコンは製品化を検討すると表明して いる。一方、富士フィルムは2月8日、実勢想定価格が10万円を超え る「高級コンパクトカメラ」に参入すると発表。「一眼カメラをりょう がする高級コンパクトカメラ市場の創出」をうたうなど、競争はさらに 激化している。

真栄田氏はカメラ事業の戦略として「すべてのニーズを網羅してい く」と強調。初心者からプロに至るまで、さまざまな需要に応える製品 開発のポイントとして、「小型軽量化」や「プリンターだけでないあら ゆる周辺機器とのネットワーキング対応」、「シャッターを押した瞬間に 終わるビジネスモデルから脱却する『ポスト・シャッターリング・ビジ ネスの展開』」などを挙げた。

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