円はほぼ全面安、中国インフレ懸念が緩和-リスク選好の売り

東京外国為替市場では、午後の取 引にかけて円がじり安に展開し、主要16通貨中15通貨に対して下落 した。中国の1月の消費者物価指数(CPI)が市場の予想を下回る 伸びにとどまったことを受けて、利上げ警戒感の緩和を背景に中国株 が上昇して推移し、リスク選好の円売り圧力が強まった。

JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部の棚瀬順哉チーフF Xストラテジストは、中国CPIの結果を受けて、「当局が大幅な引き 締めを行って、景気の腰折れにつながるというリスクが後退した」と 説明。中国株の上昇を背景に、リスク選好の流れにつながり、円が軟 調に推移したと指摘している。

円は対ユーロで一時1ユーロ=112円94銭と、前日のニューヨー ク時間午後遅くに付けた112円40銭から下落。日本時間午後4時現在 は112円69銭付近で取引された。また、ドル・円相場も一時1ドル= 83円57銭と、ニューヨーク時間午後遅くに付けた83円32銭から円 が水準を切り下げ、同時刻現在は83円57銭前後。

中国国家統計局が発表した1月のCPIは前年同月比4.9%上昇 と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値の5.4%上 昇を下回った。半面、同月の生産者物価指数(PPI)は同6.6%上 昇となり、昨年12月の5.9%上昇から伸びが加速。市場予想の6.2% 上昇も上回った。

中国人民銀行(中央銀行)は今月8日、昨年10月中旬以降で3回 目となる政策金利引き上げを発表。指標の1年物貸出基準金利が

6.06%と、現行の5.81%から引き上げられ、1年物預金金利も3.00% と2.75%から引き上げられている。

米欧指標を見極め

一方、14日にはユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が開かれ、 高債務国向け救済基金の融資能力を2013年に現在の倍に増強するこ とで合意した。同会合前にはドイツのショイブレ財務相が記者団に対 して、救済メカニズムの改革を急がないとの見方を示していた。

この日は引き続き欧州連合(EU)の財務相会合が開かれるほか、 ユーロ圏の昨年10-12月の域内総生産(GDP)が発表される。ブル ームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値は前期比で0.4% 増と、7-9月の0.3%増を上回る成長率が見込まれている。

また、ドイツでは、欧州経済研究センター(ZEW)が2月の景 況感指数(期待指数)を発表するが、市場予想の中央値はプラス28.5 と、前月のプラス25.4を上回る見通し。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で、金融危機時に救済を受け たドイツの州立銀行ウエストLBの再編への取り組みが難航している との観測を背景に急速にユーロが売られ、一時は1ユーロ=1.3428ド ルと、1月20日以来の水準まで下落。しかし、この日の東京市場では 買い戻しが進み、一時1.3528ドルまで値を戻す場面も見られた。

一方、この日の米国時間には1月の小売売上高が発表される。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値は前月比0.5% 増が見込まれており、予想通りとなれば、7カ月連続でプラスを維持 することになる。

JPモルガンの棚瀬氏は、米国の経済指標が強ければ、連邦準備 制度理事会(FRB)の利上げ期待が高まり、ドル売り持ち高の解消 を「加速させる」展開もあり得ると指摘。加えて、株価が堅調に推移 すれば、「ドル高・円安が一段と進む芽も出てくる」とみている。

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