日銀基金のTB買い入れ、落札利回りが上昇-1年物の持ち高縮小で

日本銀行が15日、実施した資産 買入基金による国庫短期証券(TB)の買い入れは、前回の1月に比べ て落札利回りが上昇した。残存期間が長めのTBの利回り上昇が目立つ なか、1年物を日銀に売却して持ち高を縮小する動きが出たとみられて いる。

日銀基金による7回目のTB買い入れ1500億円の入札は、案分 と平均の落札利回りがいずれも0.145%となり、前回1月18日の

0.137%から上昇。昨年12月20日以来の高水準になった。

国内証券のディーラーは、利回り水準が高い新発1年物のTBを 購入した証券会社が多いため、在庫として残っていた既発1年物が日銀 に売却されたと指摘。在庫が積み上がっているため、若干の損失が生じ ても持ち高を落とさざるを得なかったのではないかという。

前日に入札されたTB1年物172回債は最高利回りが0.1727% と2カ月ぶりの高水準になったが、この日は0.16%の買い気配に対し て売り気配は0.155%まで低下した。一方、1月17日の既発1年物 165回債入札は最高利回りが0.1401%だったのに対して、この日の取 引は0.145%まで売られていた。

複数の証券会社によると、前日のTB1年物入札は発行額2.5兆 円のうち証券会社を通さずに落札された落札先不明分が1兆円程度あっ たほか、国内外の大手証券各社は数千億円程度の落札が中心だったとい う。

短資会社の担当者は、前日の入札は利回りが上昇したところで予 定通りの金額が落札できたため、積極的な売りも出ず、需給的には利回 りが低下していきやすいと指摘しており、含み損失が生じた既発債の売 却を優先した形だ。

TB1年物は、償還日が1カ月違うだけで165回債と172回債の 間に1-2ベーシスポイント(bp)の利回り格差が生じている。

投資家の需要が限られるTB1年物は、日銀の買い切りオペや基 金買い入れに売却して損益を確定するディーラーが多い。一方、日銀は 毎週3000億円のペースで実施していたTB買い切りオペを今年から毎 月2回に縮小。基金買い入れ1500億円も1月は1回にとどまっており、 1年物はディーラーの在庫として残りやすい状況だ。

国内証券のディーラーは、年度末に向けて2年以下の利付国債に 売りが強まれば、期間が長めのTBにも悪影響を与える可能性があると いう。3月末は決算対策として残存期間の短いTBに需要が高まりやす い一方、期間の長いTBに売りが強まると、利回り曲線の傾斜がきつく なる可能性もある。

一方、この日のユーロ円3カ月金利先物相場は小幅上昇(金利は 低下)。中心限月2011年12月物は前日比0.010ポイント高い

99.615と、今月4日以来の高値を付けた。日銀金融政策決定会合で景 気判断が上方修正されたが相場に与える影響は見られなかった。

全店オペ札割れ回避

日銀が午後に実施した全店共通担保オペ1兆円(2月17日-4月 4日)は、期日が3月期末を越えたことで1兆5680億円の応札が集ま り、1兆5億円を落札。札割れを回避した。21日の国債発行日にスタ ートする全店オペ8000億円(期日3月11日)も9182億円の応札が 集まり、8004億円が落札された。

証券会社の足元の資金調達コストを示すレポ(現金担保付債券貸 借)金利は0.10-0.105%で低位安定していた。

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