債券先物が3日続伸、投資家現物買いで-日銀の景気判断前進に反応薄

債券先物相場が3営業日続伸。最 近の相場下落を受けて現物債利回りが高水準となっており、投資家か らの買いが入ったことが相場を支えた。一方、日本銀行はこの日の金 融政策決定会合で金融政策の現状維持を決めたほか、景気判断を上方 修正したが、織り込み済みとして相場の反応は限定的だった。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「中長 期債は、あすの5年債入札が堅調になりそうとの見方から買いが入っ た。超長期債にも投資家からの買いが見られた。日銀決定会合の結果 は予想通りで、材料にはなっていない」と述べた。

東京先物市場で中心限月3月物は、前日比8銭安の138円80銭で 取引を開始した。直後から買いが優勢となり、プラスに転じて、午前 10時過ぎには139円07銭まで上昇。8日以来、1週間ぶりの139円 台乗せとなった。午後は138円90銭台を中心に推移して、結局は10 銭高の138円98銭で終了した。

朝方は方向感に欠ける展開だった。RBS証券の徐瑞雪債券スト ラテジストは、「昨日の米国市場が動意に乏しい展開だったため、国内 債相場ももみ合いが続いている。総裁会見を見極めたい雰囲気もある」 と説明していた。

日銀、景気判断を上方修正

日銀は15日、同日の金融政策決定会合で、景気の現状について「改 善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」として、前月の「改 善の動きに一服感がみられる」から情勢判断を上方修正した。金融政 策運営については現状維持を全員一致で決定したと発表した。

発表内容について、市場参加者の間では事前予想通りとの見方が 出ており、債券相場の反応も鈍かった。バークレイズ・キャピタル証 券の森田長太郎チーフストラテジストは、「日銀が景気判断を上方修正 したが、白川方明総裁が踊り場脱却への強いメッセージを出していた ので、サプライズ(驚き)はない。相場は織り込んでいため、特段、 反応はなかった」と述べた。

日銀の白川総裁は7日の講演で足元の景気について「最近のデー タの動きを見ると、踊り場から脱却する蓋然(がいぜん)性が高まっ てきたと判断している」と述べた。みずほインベスターズ証券の井上 明彦チーフストラテジストは「景気見通しをどの程度強めるかが注目 される」とみていた。

こうした中、日銀の白川総裁は15日午後、定例記者会見で、国内 の長期金利が上昇していることについて「米国経済の先行き見通しが 改善して米国の長期金利が上昇していることで、各国の長期金利もす べて上昇している」ことが背景との見方を示した。その上で、「日本の 長期金利の上昇は国際的に見ると、相対的に小幅にとどまっている」 と述べた。

長期金利は一時1.29%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比横ばいの1.30%で始まった。その後は1.295-1.30%の 狭い値幅での推移が続いたが、午後2時40分過ぎに同1ベーシスポイ ント(bp)低い1.29%まで低下した。その後は水準を切り上げ、午後3 時前後からは再び1.30%で推移している。

超長期債が堅調。新発20年債利回りは一時2.5bp低い2.03%ま で低下した。大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グル ープリーダーは、「きょうは20年債や30年債を中心に現物債に押し目 買いの需要が入った」と話した。

前週の債券市場では売り優勢の展開が続いて、新発5年債利回り は一時0.625%と約1年3カ月ぶりの高水準を付けたほか、新発10年 債利回りは約10カ月ぶり高水準の1.35%まで上昇した。

三井住友海上きらめき生命保険の堀川真一経理財務部長は、「これ まで相場が調整してきたので、水準感から買いが入ってもおかしくな い」と指摘。5年債利回りについては、「あすに5年債入札を控えてい るが、0.6%近辺では安心して買えるのではないか」との見方を示して いた。

あす5年債入札、クーポン0.6%か

こうした中、財務省は16日に5年債入札を実施する。前回入札さ れた5年物の93回債利回りは前日比1bp低い0.575%で取引された。 このため、あすの入札で表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイ ント高い0.6%が予想されている。0.6%となれば2009年11月債以来 の高水準。発行予定額は前回債と同額の2兆4000億円程度。

RBS証の徐氏は、「あすの5年債入札への注目度は高い。今週は 米国で指標発表が続くだけに投資家の慎重姿勢は変わらないが、クー ポンが0.6%に上昇して新しい銘柄になれば銀行勢の需要が出てくる のではないか」と話した。

また、バークレイズ・キャピタル証の森田氏は、「5年債の動向を みても警戒感からヘッジ売りは出ていない。現行水準では強い入札に なりそうにないが、0.6%を超えなければ消化できないという感じでも ない」と語った。

--取材協力:赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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