米国債:30年債続伸、高利回りで買い-米赤字削減計画も好感

米国債市場では30年債相場が 2営業日続伸。利回りがほぼ10カ月ぶりの高水準となっていること で、需要が膨らんだ。オバマ米政権が提出した予算教書で、財政赤字 を今後10年間で1兆1000億ドル削減する計画が盛り込まれたこと も買い材料。

国債が上昇した背景には、ニューヨーク連銀がこの日、今週予定 している4回の国債購入のうちの初回を完了したこともある。利回り はこれより先、上昇する場面もあった。今週発表の経済指標で、小売 売上高や鉱工業生産が1月に伸びを示すと予想されていることから、 成長との関連性が高い資産への需要が拡大した。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレク ター、ジェーソン・ローガン氏は、「長期債はつい最近まで、一番敬 遠される年限だったが、今では利回りが投資家を引き寄せる水準に達 している」と指摘。「経済統計を考慮すると、利回りはピークをつけ たようだ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時17分現在、30年債利回りは前週末比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の4.67%。一時は4.71%まで上昇 する場面もあった。同年債(表面利率4.75%、2041年2月償還)価 格は8/32上げて101 8/32。

10年債利回りは1bp低下の3.62%。一時は3.66%を付けた。

NY連銀の国債購入

ニューヨーク連銀はこの日、2014年1月-40年2月に償還期限 を迎えるインフレ連動債(TIPS)を15億ドル相当購入した。こ れは景気浮揚に向けた国債購入計画の一環。

同連銀のダドリー総裁は、6月にかけて6000億ドルの国債を購 入するという連邦準備制度理事会(FRB)の計画により、「金融の 状況は緩和的になっている」としたほか、経済成長が促されたとの認 識を示した。

総裁はニューヨークで講演し、「それ以前に講じた金融措置が遅 れて効果を発揮している」とし、「複数の重要な要因が重なり、力強 い経済成長の再開を後押ししている」と述べた。さらに金融機関も 「2010年下半期に、融資基準をある程度緩和し始めた」と指摘した。

米財務省は17日に、30年物のTIPSを90億ドル発行する予 定。

償還期限が1年以上の米国債のリターンは、今月に入ってマイナ ス1.3%と、欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)とブルー ムバーグがデータをまとめる26カ国の国債のなかで最悪となってい る。一方、株価指数であるMSCI世界指数は同期間に2.6%上昇。

「高利回りの領域」

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は、「国債市場は比較 的高利回りの領域に落ち着きつつある」と指摘。「最近の経済ファン ダメンタルズには改善がみられており、経済指標の改善は第1四半期 (1-3月)を通じて高利回りの定着を支え続けるだろう」と述べた。

オバマ米大統領はこの日、総額3兆7000億ドルに上る歳出承認 を求める予算教書を議会に提出した。予算教書は財政赤字が2012会 計年度(11年10月-12年9月)まで4年連続で1兆ドルを超える と予想。持続的な水準に減少するのは2010年台の半ばとの見通しを 示した。

15日に米商務省が発表する1月の小売売上高は、ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト77人の予想中央値で前月比

0.5%増加が見込まれている。昨年12月は同0.6%増だった。別の 調査によれば、16日発表の1月の鉱工業生産指数は0.5%上昇とな る見通し。

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