米予算教書:歳出総額308兆円、10年で赤字92兆円削減-議会提出

【記者:Roger Runningen and Brian Faler】

2月14日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は14日、総額3兆 7000億ドル(約307兆8000億円)に上る歳出承認を求める予算教 書を議会に提出した。予算教書は財政赤字が2012会計年度(11年 10月-12年9月)まで4年連続で1兆ドルを超えると予想。持続的 な水準に減少するのは2010年台の半ばとの見通しを示した。

11会計年度の財政赤字は過去最大の1兆6000億ドルと、従来見 積もりの1兆4000億ドルを上回り、GDP比10.9%に達する見込み だ。12年度の財政赤字については1兆1000億ドル(GDP比7%) に減少すると予想。これを15年度までに6070億ドルに圧縮し、GD P比で3.2%に抑えることを目指す。

予算教書は10年間で1兆1000億ドル(約91兆5000億円)削 減する目標を掲げている。赤字削減は、貧困層への暖房費補助や空 港・水処理施設への助成などの歳出縮小のほか、夫婦で年収が25万ド ルを上回る世帯への増税などによって歳入増を図ることで捻出する。

オバマ大統領は議会向けのメッセージで、「財政状況をめぐる現 実は困難な選択肢を必要としている」と指摘。予算教書は「どのよう に債務を削減し、米経済を負担から解放していくか、道筋を示してい る」と述べた。

議会との対立が本格化か

予算教書の提出で、連邦債務の圧縮には不十分と考える議会・共 和党との対立が本格化しそうだ。予算教書の赤字削減目標は、オバマ 大統領が設置した財政責任・改革国家委員会が昨年12月に示した赤字 削減計画を下回っており、今後10年で総額12兆ドルに膨れ上がると 議会予算局(CBO)が予想する財政赤字への影響はわずかなものに とどまる見通しだ。

その主因はオバマ政権がメディケア(高齢者医療保険制度)やメ ディケイド(低所得者向け医療保険制度)、社会保障などの給付金制 度プログラムの改革を提案していないためだ。給付金制度プログラム は予算全体の約40%を占め、長期的な赤字の主因となっている。

行政管理予算局(OMB)のルー局長は、今回の予算教書が給付 金制度プログラムのコスト削減に向けた抜本的な措置が含まれていな いとの非難に反論した。

同局長はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「大規 模で大胆な提案をすれば、多くの人が喜ぶことは承知している」と発 言。ただ、「過去30年の私の経験によると、超党派の協議に向けた下 地が整っていない段階で提案を出せば、実際には話が前に進まない」 と述べ、むしろ後退させるとの考えを示した。

半分の省庁で削減

オバマ政権は国防以外の裁量的支出の5年間凍結を進めるなか、 多くのプログラムで予算を削減しながらも、一部は増額を図っている。 全省庁の約半分で予算が2010年度から削減されるという。

例外の一つは証券取引委員会(SEC)で、10年度実績から3億 400万ドル増加の14億ドルを議会に求めている。金融規制改革法 (ドッド・フランク法)が義務付ける新規制の実施には執行力の強化 が必要とされている。

オバマ大統領はまた、今後10年で460億ドルを捻出するため、 石油・天然ガス・石炭企業を対象とする10余りの優遇税制の廃止を提 案。15年までに電気自動車(EV)100万台の走行を可能にし、クリ ーンエネルギーから供給される電力のシェアを35年までに倍にする計 画の財源に充てる。

オバマ政権はこのほか、高速鉄道整備に今後6年間で530億ドル を投じ、救急職員向けの全米無線ネットワーク構築と無線高速インタ ーネットへのアクセス拡大のため、157億ドルを支出することも提案 している。

国防関連予算については5530億ドルと、10年度実績からの

4.3%増を求めている。

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