オバマ政権、エジプト情勢への対応で二転三転-米外交の限界も露呈

エジプトの首都カイロ中心部にあ るタハリール広場がムバラク大統領の退陣を求める群衆で膨れ上がっ た10日、オバマ米大統領は米大統領専用機「エアフォースワン」の機 内で薄型テレビの画面に見入っていた。世界中がそうだったように、 オバマ大統領はムバラク大統領の進退をかたずをのんで見守っていた。

テレビを通じ歴史の転換点を見守るという米大統領の姿は、オバ マ政権における最初の外交危機に際して、米政府が抱える本質的な課 題を浮き彫りにしている。速いスピードで展開する歴史的な革命にど う対応するのかといった問題に加え、米国には一部が望むほど影響力 がないということが判明した。

オバマ政権のエジプト情勢への対応はあいまいで、ムバラク大統 領支持から事実上の退陣要求までぶれが見受けられた。世界に向けた メッセージに一貫性がなかったことで、オバマ政権は舞台裏の外交で より大きな影響力を発揮する機会を逸したと指摘する批評家もいる。

ポーレンティー前ミネソタ州知事(共和党)は13日、ABC放送 の番組「ディス・ウィーク」で、「声を一つにして」語らなければなら ないときにもかかわらず、オバマ政権はあたかも「さまざまなことを さまざまな言語で話す人々が集まったバベルの塔」のようだったと述 べた。

反論もある。クリントン政権時代に国務長官を務めたウィリア ム・コーエン氏はインタビューで、「こうした状況のときはいつでも、 ある程度の混乱がある。どんなにマシンにオイルを差して、どんなに 人々が熟練していてもだ。完全なものはない。オバマ政権は持てる力 の範囲内で早急に修正を施したと思う」と語った。

18日間

かつて米国との不動の同盟関係を誇っていたムバラク大統領は、 デモが本格化して18日間で退陣に追い込まれたが、この間にオバマ政 権の対応は二転三転した。オバマ政権は当初、非暴力や普遍的権利、 秩序ある政治の転換などを促していたが、国民の抗議活動については 沈黙していた。

クリントン国務長官とバイデン副大統領がまずムバラク大統領を 擁護する姿勢を示したが、その数日後にはオバマ大統領が民主的な政 権移行を呼び掛けた。

その後、米政府高官からムバラク大統領が予定されている選挙ま でその地位にとどまる方が悪影響が少ないといったメッセージが発さ れと思えば、ホワイトハウスは再び迅速な政権交代を求めた。

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