中国の太陽光発電戦略:国内企業助成で世界の市場シェア拡大狙う

世界最大の電力消費国である中国 は、損失を出さずに太陽光発電エネルギー市場でのシェア拡大を実現 する方策をじっくり探る方針だ。

中国政府の電力規制当局へのアドバイザーを務める吴达成氏によ ると、中国政府は、太陽光発電電力を市場価格を上回る水準で買い取 る欧州のシステムを今後少なくとも1年間かけて調査することにして いる。その結果を踏まえた上で、クリーンエネルギー関連プラントを 中国全土に建設するためのより良い方策があるかどうかを決定する予 定だ。このため、米ファースト・ソーラーなどの開発業者が中国で計 画していたプロジェクトは棚上げされた。

吴氏はインタビューで「われわれはドイツなど欧州諸国から学ぶ 必要がある」と指摘した。ドイツは太陽光パネルの設置を増やすため 補助金を上乗せした価格で電力を買い取っている。

昨年、太陽光発電施設向けに650億ドル(約5兆4100億円)を超 える投資を呼び込んだ欧州は、中国の教師役となっている。世界最大 の太陽光パネル市場であるドイツのほか、スペイン、フランスは昨年、 予定外の補助金削減を4回にわたって実施し、開発業者や投機家が 次々と立ち上げるプロジェクトを抑制しようと試みた。

プロジェクト開発において成り行きを見守る中国の戦略は、太陽 光エネルギーの分野で世界の主導的役割を担うことを目指す同国の広 範囲にわたる産業計画の一環だ。中国は国家的支援の最大の重点を国 内の製造業者に置いている。その結果、中国企業は市場シェア拡大や 価格引き下げが可能になり、ひいては同国が計画している全国的な太 陽光発電施設の建設プログラムのコスト削減をもたらしている。

米コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパース (PwC)の再生可能エネルギー戦略責任者、ダニエル・ガットマン 氏は電話インタビューで「中国は太陽光発電の分野において、より長 期的な戦略を取っていることは間違いない」と指摘。「国内製造業者を 助成するためあらゆる手を尽くしている」との見方を示す。

株価上昇率、欧米上回る

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、中 国国家開発銀行だけでもインリー・グリーン・エナジー・ホールディ ングなどポリシリコンの原材料メーカーや太陽電池パネルメーカーな どの関連企業に対して、昨年下期(7-12月)に1260億元(約1兆 6000億円)の信用供与を認めた。

中国の太陽光発電関連機器メーカーの過去1年間の株価上昇率は 欧米の大半の競合企業を上回っている。LDKソーラーなど上位3社 の株価上昇率は平均で約57%だったのに対して、米国の上位3社は 50%、欧州は同6%だった。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、中 国の光起電性パネルの世界市場におけるシェアは約10%拡大し、初め て供給の半分以上を占める見通し。それとは対照的に、世界のパネル 売り上げ推計1850万キロワットのうち中国が国内プロジェクト向け に購入した分の割合は3%未満だった。

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