エジプト:景気刺激策を取りまとめへ-停滞する経済の活性化目指す

アシュラフ・アブデルワニスさん には、エジプトのムバラク大統領を辞任に追い込んだ数万人規模の反 政府抗議デモに参加する相当の理由があった。39歳の彼は、5年前に 砂糖工場の職を失い、今は主に妻の月給50ドル(約4200円)と母親 の年金で暮らしている。

約3週間に及んだデモの中心地、カイロのタハリール広場で取材 に応じたアブデルワニスさんは「エジプト人家族の栄養素は豆料理が 主体で、週に1度でも野菜料理を作れればラッキーなんだ」と話した。

ムバラク氏が退いた今、アブデルワニスさんのように貧困ライン の近くにあり、苦境を強いられている人が国民の40%を占めているこ とが、社会不安の拡大回避に必要な雇用創出を図る景気刺激策の策定 をラドワン財務相に急がせている。国内および外資系の企業はエジプ ト軍最高評議会による暫定統治が終わるまでは投資を渋るとみられる ため、刺激策はそうした影響も埋め合わせる必要がある。

国際労働機関(ILO)でシニアエコノミストを務めたラドワン 財務相は12日の電話インタビューで、「雇用に密接に関わる刺激策が 必要だ」と述べた。

バークレイズ・キャピタルのエコノミスト、アリア・マウベイド 氏(ロンドン在勤)と投資銀行CIキャピタルの調査ディレクター、 モナ・マンスール氏(カイロ在勤)によれば、景気刺激策に伴う歳出 により、エジプトの財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は昨年の

8.1%から拡大し、政府の借り入れコストは上昇する可能性がある。 2020年4月償還の国債利回りは先月、過去最高の7.2%に急上昇した。 それでも政策当局者は、抗議デモの引き金の一つとなった約9%の失 業率を押し下げるためには受け入れ可能な代償だと判断する可能性が ある。

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