JT:海外たばこ成長持続へ、質やブランド優位-露や中東有望(訂正)

たばこ販売本数世界4位のJTは、 海外たばこ事業で年率10%のEBITDA(利払い・税引き・償却前利 益)成長を目指す。国内市場の伸びが期待しにくい中、海外市場で品質 やブランドへの高い評価がシェア拡大に結びつく。新貝康司取締役がブ ルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。

海外たばこ部門JTインターナショナル副社長でもある新貝取締役 は10日、海外EBITDA10%成長について今の中期計画が終わる2012 年以降も「テーマでありスローガンだ」と述べた。コミットメントでは ないが、毎年更新される社内目標で意識しているとも強調した。海外E BITDAは10年に31億9200万ドルと前年比7.7%増加、09年は同

14.9%増えた。

海外戦略が奏功したJTは、昨年市場が縮小したトルコやイタリア でも販売を伸ばた。昨年末のシェアは英国39%、台湾38.4%、ロシア37 %、トルコ22.6%、スペイン20.8%、イタリア19.7%といずれも過去最 高。一方で国内は昨秋の増税・値上げの影響が尾を引き、EBITDA は10年度予想で2450億円と2.5%減る見込みだ。

MFグローバルのステファン・バーガー氏はJTについて「新興国 のファンダメンタルズが悪化しない限り今後2、3年はEBITDA年 10%以上の成長が可能ではないか」と述べた。販売数が回復して高価格 帯誘導にも成功しているとして、投資判断は「買い」にしている。

市場以上の成長確保

市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、世界 たばこ需要(数量ベース)は14年まで年率1.6%成長と2000年代後半と 同じく微増で推移する。この中でJTは品質・ブランドを強化しながら 市場を上回る伸びを確保する方針。JTの基幹商品はウィンストン、キ ャメル、マイルドセブン、LDなど。

大型海外企業を買収したJTは、日本の会計制度で年1000億円程度 のれん代償却費が発生している。収益目標では、税制・償却制度が違う 海外同業他社と同じ基準で比較するため、EBITDAを使っている。 たばこ世界首位は中国煙草総公司、2位はフィリップ・モリス、3位は ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)、5位はインペリア ル・タバコ。

ロシア

世界120カ国以上で展開する海外たばこ出荷の約半分はロシア・東欧 で、海外事業の稼ぎ頭。ロシア経済は年末までにリーマンショック前の 水準に回復する見通し。メドベージェフ大統領は、今後5年間は年最大 10%成長を目標とすることを明らかにした。ロシアは12年までにたばこ 広告についての規制や増税で、男性で80%とも言われる喫煙率を低下さ せる方針を打ち出した。それでもロシア市場の購買力にはまだ余裕があ るとJTは予想している。

ロシア以外の新興市場について新貝氏は「中東、トルコ、ポーラン ドは結構大きい」と述べ、北アフリカなどとあわせ注力していく方針を 示した。

シティグループ証券は年初に、上場する世界たばこ上位4社(中国 煙草は非公開企業)でJT以外の評価を「買い」から「中立」に下げた。 リポートで三浦信義アナリストはJTについて、たばこ規制の強まりが 予想される西欧のウエートが低い、値上げ余地が大きいロシア、日本の エクスポージャーが高いという優位性を示した。

JTは海外事業で99年にRJRナビスコから米国外のたばこ事業を 取得、07年にはギャラハーを買収した。海外売上高比率は09年度で

43.3%と5年前の2.4倍に達した。09年にはカネンバーグ買収で、葉たば こ自社調達比率は30%程度にまで高まった。新貝氏はたばこ産業への外 資参入障壁が高いことや葉たばこ調達体制が確保できた点を挙げて、さ らなる買収は当面テーマとなっていないことを示唆した。

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