ギリシャなど欧州高債務国の株高、ユーロは生き残るとの確信示唆か

欧州の高債務国は今年の株式市場 で最大の勝者となっている。単一通貨ユーロは生き残ると域内指導者ら が約束したことを投資家が納得していることの表れのようだ。

ギリシャとスペイン、イタリアの株式相場は2010年の先進国市場 で最悪のパフォーマンスだったが、今年は平均で12%の値上がりだ。 ブルームバーグの集計データによると、スペインのIBEX35指数と イタリアのFTSE・MIB指数は1998年以降で最高の1年のスター トを切っており、ギリシャのアテネ総合指数は99年以来最大の上昇を 見せている。

先月のブルームバーグ調査では、5年以内に少なくとも1カ国がユ ーロ圏を離脱すると答えた人が全体の59%に上ったが、株価はソブリ ン債危機への懸念が弱まりつつあることを示唆している。JPモルガ ン・チェースやSVGインベストメント・マネジャーズによれば、こう した株高を後押ししているのは最も割安な株式に対する需要や、 メルケル独首相とサルコジ仏大統領によるユーロ支援だという。

JPモルガンのヨーロッパ・ストラテジック・バリュー・ファンド の運用に携わるマイケル・バラコス氏(ロンドン在勤)は「政治家はユ ーロの生き残りをかけて協力している」と述べ、「多くの人が欧州に見 切りをつけた。彼らはバリュエーション(株価評価)がどうであれ、こ こでリスクを取りたがらなかった。市場が経済的だけではなく政治的な ものである点が忘れられている」と指摘した。

昨年はユーロが対ドルで6.5%安と、2005年以来最大の下げを演 じた。ユーロ圏の大企業で構成されるユーロ・ストックス50指数は

5.8%値下がりしたが、英国やスウェーデンなど域外の企業を含むスト ックス・ヨーロッパ600指数は8.6%上昇した。

今年に入って傾向が逆転した背景には景気の回復に加え、欧州各国 政府が10年のギリシャとアイルランドの救済時に策定した措置の増強 を図っていることがある。欧州連合(EU)は3月11日の首脳会議で 対策を協議する予定で、救済融資の金利引き下げや、4400億ユーロ (約50兆円)規模の欧州金融安定ファシリティー(EFSF)に加盟 国から直接債券を買い取ることを容認する案などが盛り込まれる可能性 がある。

11年初め以降、ギリシャのアテネ総合指数は15%、イタリアのF TSE・MIB指数は13%、それぞれ上昇し、ブルームバーグが追跡 する24の先進国の指数では最大の値上がり。

SVGユーロピアン・フォーカス・ファンドの運用者、アンドル ー・グッドウィン氏は、「ユーロ圏のプロジェクトは多くの市場関係者 の想定よりもはるかに規模が大きいものだ」と述べ、「ドイツとフラン スはユーロを機能させるために全力を尽くすだろう」と予想した。

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