日本株9カ月ぶり高値、輸出に買い-エジプト大統領辞任と米統計

日本株相場は上昇し、TOPIX、 日経平均株価はいずれも約9カ月ぶりの高値を更新した。エジプト大 統領の辞任に伴い中東情勢に対する過度の懸念が後退、景気改善を示 す米国の経済統計も好感され、自動車や電機、精密機器など輸出関連 株中心に高い。その他金融や不動産、海運株の上げも目立った。

ばんせい投信投資顧問の廣重勝彦調査部長は、「エジプト問題の進 展で地政学的リスクが後退した上、新規失業保険申請件数など良好な 内容の米経済指標の発表が相次いでおり、雇用や消費の回復が示唆さ れている」と指摘した。利益確定売りも出やすい水準だが、「目先は下 値が切り上がる展開になるのではないか」と見ている。

TOPIXの終値は前営業日比12.56ポイント(1.3%)高の

959.19。日経平均株価は同119円89銭(1.1%)高の1万725円54 銭。東証1部33業種はすべて上昇。

週明けの東京株式市場では、エジプト情勢に対する過度の不安後 退や米景気期待、円安進行を背景に朝方から輸出関連株中心に買いが 先行。TOPIXは一時1.3%高の959.30、日経平均は1.1%高の1 万725円54銭まで上げ、昨年5月6日以来の高値を付けた。

東証1部の騰落銘柄状況も、値上がり銘柄数1190と値下がりの 343を大きく上回った。日本が休場の11日の米株式相場は、エジプト 情勢がいったん沈静化に向かうとの見方から上昇。シカゴ先物市場(C ME)の日経平均先物3月物(円建て)の精算値(1万705円)が10 日の大阪証券取引所終値より高かったため、株価指数はこれにさや寄 せする展開となった。

スエズ、インフレ懸念後退

エジプトのムバラク大統領は11日に辞任し、権限を軍に委譲した。 過去18日間にわたってカイロ中心部には反政府派が集結、同大統領の 30年に及ぶ独裁体制の終了を訴えていた。エジプトのスレイマン副大 統領は11日、国営テレビを通じ、「ムバラク大統領は大統領府の権限 委譲を決めた」と述べ、「今後のエジプトについては軍最高評議会が指 揮を執るよう指示を受けた」との声明を読み上げた。

ムバラク大統領の辞任を受け、スエズ運河を通じた原油輸送が停 止されるとの懸念が後退、11日のニューヨーク原油先物相場は一時前 日比1.9%安と1月28日以来の安値を付けた。原油の上昇は経済効率 の悪い新興国を中心にインフレ懸念を高めていただけに、世界景気の 先行きに対する警戒感が後退した。みずほ投信投資顧問の岩本誠一郎 シニアファンドマネジャーによると、「商品市況の高騰によるマーケッ トへの影響が心配されていたが、その懸念が後退し、世界景気に対す る楽観が強まった」と言う。

前週末11日の米株式市場は、先週の新規失業保険申請件数や2月 の米ロイター・ミシガン大学消費者マインド指数が市場予想より良い 内容だったことが重なり、キャタピラーなど景気敏感株中心に上昇。 S&P500種株価指数は2008年6月以来の高値を付けていた。エジプ ト株に連動するETF(上場投資信託)、マーケット・ベクターズ・エ ジプト指数は4.5%値上がりした。

こう着場面も

取引終盤にかけて、日本株は先物主導であらためて上昇基調を強 めたが、午前後半から午後の途中までは伸び悩む場面もあった。エジ プト情勢への過度の懸念はひとまず後退したものの、同国で円滑に政 権移行が進むかどうかはなお予断を許さない。また、今週は15日に中 国の1月の消費者物価指数(CPI)の発表があるため、同国の一段 の金融引き締め警戒感からから上値を買いにくい状況にもあった。

ブルームバーグ・データによると、26人の民間エコノミストの中 国CPI予想は、平均値で前年比5.4%上昇と前回12月の4.6%上昇 を上回り、08年7月(6.3%上昇)以来の高水準が見込まれている。

東精密やセイノーH高い

個別では、スマートフォン(高機能携帯電話)、タブレットPCな どの需要増を背景に10年4-12月期の連結営業損益が黒字転換した 東京精密、高効率給湯器の需要拡大などで、11年12月期の連結営業 利益は前期比12%増の80億円を計画するノーリツが上昇。コスト削 減などで、10年4-12月期の連結営業利益は前年同期比2.2倍となっ たセイノーホールディングスも買われた。好業績確認銘柄では大同メ タル工業、大気社なども高い。

半面、PND(ポータブル・ナビゲーション・デバイス)や業務 用無線向けが低迷し、10年10-12月の連結営業損益が赤字転落した 東京電波のほか、3社連結化に伴うコスト増などで10年4-12月の 連結営業利益が前年同期比8%減の107億円となったマツモトキヨシ ホールディングスが下げた。11年12月期の連結純利益計画が前期比

1.2%増と前期から減速する見通しとなった東海カーボン、今期営業赤 字に転落する見込みとなった飛島建設も安い。

ジャスダック指数は昨年4月末来高値

一方、国内の新興市場は上昇。ジャスダック指数は前日比0.7% 高の55.31と、終値で昨年4月30日以来の高値となった。東証マザー ズ指数は同0.9%高の489.42と、昨年5月6日以来の高値を更新

負ののれん発生益の計上などで10年12月期の連結純利益予想を 従来比17%増の3億3300万円に上方修正したアプリックスが大幅続 伸。デジタルガレージ、UBICなどが買われた。半面、保険金支払 の増加などで、11年3月期の連結純利益予想を従来比28%減の3億 8700万円に下方修正したアニコムホールディングス、11年12月期以 降のマイルストーン開示に関する事業計画を下方修正したテラが安い。

--共同取材:池田亜紀子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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