債券先物が小幅続伸、米国債上昇が支え-内外株高で現物債は売り優勢

債券市場では先物相場が小幅続伸。 前週末の米国債相場が上昇した流れを引き継いで買いが優勢だった。一 方、内外株式相場の堅調ぶりや国内総生産(GDP)の落ち込みが小幅 にとどまる中、10年債利回りは1.305%に上昇しての取引となった。

しんきんアセットマネジメント投信・投資調査グループの鈴木和 仁ストラテジストは、景気回復を反映した米国の金利上昇・株高が国内 にも波及しているとしながらも、米長期金利が入札をこなして落ち着き を取り戻したことは一定の支えとなったとの見方も示した。

東京先物市場の中心限月の3月物は前週末比6銭高い138円88 銭で開始。直後にきょうの高値138円93銭を付けたが、すぐに売りが 膨らんで2銭安の138円80銭まで下げた。その後は小幅プラス圏での 小動きに終始して、結局は取引開始時と同じ138円88銭で終了した。

前週末の米国債相場が上昇したことが買い材料視され、国内債市 場では先物相場が日中を通して小幅プラス圏の推移となった。11日の 米国債市場では国債入札が一巡したことや、エジプト情勢の先行き不透 明感が買い材料視され、米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp) 低い3.63%付近で引けた。前週には一時3.77%まで上振れて昨年4 月29日以来の高い水準を記録する場面もあった。

もっとも、米国の株高などを手掛かりに日経平均株価が午後には 約9カ月ぶり高値圏に到達しており、JPモルガン証券の山脇貴史チー フ債券ストラテジストは、米国債相場の持ち直しを国内株高が相殺する 格好となり、結果的に債券相場は材料難からこう着状態に陥ったと言う 。11日の米国株相場は消費者マインド指数の上昇などが好感され、ダ ウ工業株30種平均など主要な株価指数は小幅高となった。

また、昨年10-12月期のGDP(1次速報)は市場の事前予想 ほど落ち込んでおらず、日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ス トラテジストによると、先物相場の上値を抑制するきっかけになったと の見方を示していた。この日の朝方に発表された前期の実質GDPは前 期比0.3%減、年率換算では1.1%減となって、5四半期ぶりのマイナ ス成長となった。

10年債利回りは1.305%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、開始後しばらく0.5bp高い1.30%での小動きが続き、午後2時 過ぎに1.305%に上昇幅を広げる展開だった。

312回債利回りは前週半ばに急騰。景気回復を反映した米国の金 利上昇に追随する格好で週初から売りが膨らみ、9日には新発10年債 として約10カ月ぶりの高水準となる1.35%まで上振れた。

その後、9日実施の米10年債入札が順調だったため、米国債市場 では長期金利の上昇が一段落するなど、外部環境の悪化にいったんは歯 止めがかかった。日興コーディアル証の野村氏は、先週は10年債利回 りが1.3%台に切り上がる過程でいったんは買いが入ったが、この水準 で明確にサポートした感じではないとも言い、今週も米金利などをにら みながら押し目買い意欲の強さを探る展開だと予想した。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米国の金利 が落ち着きを取り戻してくる中、国内の長期債相場も徐々に底堅さが示 されると指摘。ただ、内外市場における株価の堅調ぶりを考えると、 10年債は1.3%を挟んでレンジ形成していくイメージだとも話した。

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木氏も、米国市場の動向 からは10年債の1.2%台は買い進みにくいが、逆に1.3%台では投資 家の買い需要が残っているとみており、1月までと比べてやや切り上が った水準でのもみ合い入りした感じとの見方を示した。

日銀があすまで金融政策決定会合

日本銀行はあすまで2日間の日程で金融政策決定会合を開催。有 力日銀ウオッチャー15人全員が金融政策の現状維持を予想しており、 債券市場への影響は限定される可能性が高い。

日銀が今回の会合で景気判断を前進させる公算が大きいことに関 して、日興コーディアル証券の野村氏は、鉱工業生産や貿易統計などの 指標が踊り場脱却を示唆するなど、市場はすでに上方修正を織り込み済 みだとみており、短期的にはマーケットへの影響は限定的だろうと話し ていた。

白川方明総裁は7日に行った講演で、足元の景気について「最近 のデータの動きを見ると、踊り場から脱却する蓋然(がいぜん)性が高 まってきたと判断している」との見方を示していた。

--取材協力:野原良明、池田祐美 Editors:Joji Mochida, Masaru Aoki

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