10-12月期GDPは5四半期ぶりマイナス成長-個人消費が反動減

昨年10-12月の日本の実質国内総 生産(GDP)1次速報値は前期比年率マイナス1.1%と、2009年7 -9月期以来5四半期ぶりの落ち込みとなった。マイナス幅は市場予 想より小さかった。9月上旬のエコカー購入補助終了や10月のたばこ 増税を控えた自動車やたばこの駆け込み需要が前期にあった反動によ る減少で、個人消費が押し下げられたことなどが要因だ。

内閣府が14日発表した四半期別国民所得統計によると、物価変動 の影響を除いた同期の実質GDPは前期比0.3%減だった。GDPの 6割近くを占める個人消費は前期比0.7%減、公共投資は同5.8%減、 輸出も同0.7%減とマイナスだった。これに対し、設備投資と住宅投 資はそれぞれ0.9%、3.0%増加した。ブルームバーグ調査による実質 GDPの予想中央値は前期比0.5%減、年率換算2.0%減だった。

政府は1月の月例経済報告で、「景気は足踏み状態にある」としな がらも「一部に持ち直しに向けた動きがみられる」として、基調判断 を昨年6月以来7カ月ぶりに上方修正した。一方、日本銀行の白川方 明総裁は今月7日都内で講演し、足元の景気について「最近のデータ の動きを見ると、踊り場から脱却する蓋然(がいぜん)性が高まって きたと判断している」と語った。

景気は持ち直しへ-与謝野経財相

与謝野馨経済財政担当相は同日午前の記者会見で、10-12月期の GDP減少は、自動車やたばこの減少による民間消費減少が要因と指 摘するとともに、アジアを中心に輸出の減少もマイナスの背景にある と述べた。その上で、当面景気は弱さが続くものの海外経済の回復な どで持ち直すとの見方を示した。

内閣府によると、個人消費のうち耐久財は前期比(季節調整済み)

3.1%増。自動車の反動減があった一方で、エコポイントの半減を控え て11月にテレビ需要が増えて家電が大きく伸びた。非耐久財はたばこ の反動減が響き3.6%減。自動車の反動減と家電の増加はプラス・マ イナスほぼ同じとしている。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは統計発表後、「 前期の高成長からの反動減が表れた格好だが、ほとんど織り込まれて おり、驚きはない」と述べた。その上で「マイナス成長の主因は個人 消費が前期比0.7%減と大きく落ち込んだこと」と指摘。エコカー補 助金やたばこ増税、猛暑で前期にかさ上げされており、「それが一気 にはげ落ちた」と説明。その一方で、設備投資と住宅投資の拡大が下 支えとなったと分析した。

内外需ともマイナス

生活実感に近いといわれる名目GDPは前期比0.6%減(年率換 算2.5%減)だった。物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期 比1.6%低下と、引き続きデフレが続いていることを示した。また、 輸出から輸入を差し引いた外需の成長率への寄与度はマイナス0.1% となった。一方、内需の成長率寄与度はマイナス0.2だった。内外需 ともにマイナスになったのは09年1-3月期以来7四半期ぶり。

同時に、昨年7-9月期の実質GDP伸び率(前期比年率)は2 次速報の4.5%増から3.3%増に下方修正された。前期比では1.1%増 から0.8%増に改定された。

統計発表後の円の対ドル相場は午前11時13分現在、1ドル=83 円20銭。発表直前は同83円46銭前後だった。日経平均株価の午前の 終値は1万686円43銭で、前週末比80円78銭高。先物市場の中心限 月(3月物)は前週末比2銭高の138円84銭。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは統計発表 後、個人消費の減少について「エコカー補助金終了をにらんだ需要の 先食いやたばこ増税前の駆け込み需要の反動が個人消費に出たことを 主因に前期比マイナス成長」になったとしながらも、「これは一過性の 動きであり、月次統計は既に『踊り場』脱却を示している」と解説し ている。

また村上氏は「輸出の持ち直しを背景に、企業の生産活動は10 年10月をボトムに今年に1-3月にかけて急回復している。また落ち 込んだ個人消費も、昨年末月から落ち着きを取り戻している。1-3 月は年率プラス2.0%後の成長に回帰するだろう」との見方を示した。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは、輸出は月次 でみると下げ止まっていることや、世界的に製造業が持ち直しつつあ ること、IT(情報技術)関連財の在庫調整にめどがつきつつあると 指摘。「GDPの伸びが今後顕著に高まることは期待し難い」としな がらも、「景気は今後緩やかに回復に向かう可能性が高まっている」 との見方を示している。

内閣府の外郭団体、社団法人・経済企画協会が10日発表した民間 エコノミストを対象としたESPフォーキャスト調査(回答期間1月 27日-2月3日、回答数43人)によると、今年1-3月期の実質成 長率(前期比年率)は平均で1.11%のプラス成長が見込まれている。

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