2月11日の米国マーケットサマリー:エジプト情勢でトリプル高

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3547 1.3603 ドル/円 83.46 83.23 ユーロ/円 113.07 113.20

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,273.26 +43.97 +.4% S&P500種 1,329.15 +7.28 +.6% ナスダック総合指数 2,809.44 +18.99 +.7%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .83% -.01 米国債10年物 3.63% -.06 米国債30年物 4.69% -.07

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,360.40 -2.10 -.15% 原油先物 (ドル/バレル) 85.46 -1.27 -1.46%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨の大半に対して 上昇。エジプトのムバラク大統領が辞任し、権限を軍に委譲したこと で、安全な米資産を求める動きが強まった。

ドルはユーロに対し、週間ベースでこのままいけば3週続伸とな る。エジプトでは、反政府派が選挙の即時実施を求める可能性が高い。 ユーロは対ドルでこの日、軟調な展開が続いた。ドイツ連銀のウェー バー総裁辞任と、米消費者マインド指数の上昇が手掛かりとなった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の米州G10通貨戦略責任者、 パレシュ・ウパダヤ氏は、「軍がなおも権限を掌握していることや中 東の近隣国に影響が拡大するのではとの懸念がある」と指摘。「不安 定さをめぐる懸念が広がっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時20分現在、ドルはユーロに対し前日 比0.4%上昇の1ユーロ=1.3547ドル(前日は1.3603ドル)。 週初からは0.3%上げている。対円ではこの日、0.3%高の1ドル= 83円48銭。ユーロは対円で0.1%下げて1ユーロ=113円10銭。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。週間ベースでは2週連続高となった。エジプ トのムバラク大統領辞任や、米消費者マインド指数が8カ月ぶりの高 水準になったことを背景に、世界的な景気回復に対する楽観が強まっ た。

キャタピラーやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリ カ(BOA)が値上がりし、ダウ工業株30種平均の上昇を率いた。 コノコフィリップスは増配と最大100億ドルの自社株買い計画が好 感され、買い進まれた。一方、クラフト・フーズは下落。同社は商品 価格の上昇を理由に、業績見通しを下方修正した。エジプト株に連動 する投資信託(ETF)は大幅上昇した。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比0.6%高の1329.15。2008年6月以来の高値水準で 引けた。週間では1.4%高。ダウ工業株30種平均は43.97ドル (0.4%)上昇の12273.26ドル。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズ(米シンシナティ) で144億ドル相当の運用に携わるピーター・ソレンティーノ氏は、 「エジプトの不透明感が部分的に晴れ、ファンダメンタルズに焦点を 絞ることができるようになった」と指摘。「消費者マインド指数を含 め、かなり好調な経済指標が相次いで発表されている。残念ながら、 楽観的な見方は最近、地政学的な懸念に押しやられていた。今後の展 開はこれからわかるだろう。米経済には今、十分な勢いがある」と述 べた。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。エジプトの政変で体制移行への不透明感から 逃避需要が高まった。10年債は週間での下げを埋めた。

ムバラク大統領が10日夜の演説で示した方針を撤回し、11日 に辞任した後、米国債は上げ幅を拡大した。今週の中長期国債の入札 が10日で終わったことに加え、連邦準備制度理事会(FRB)が引 き続き国債を購入していることも支援材料。

ジェフリーズの米ドル・デリバティブ取引責任者、クリスチャ ン・クーパー氏は、「エジプト情勢の先行きはまだかなり不透明なた め、買い材料になっている」と指摘。「ムバラク大統領が即時辞任を 拒否した時に上昇したが、次に誰が権力を握るか分からないため、今 も米国債は上昇している。権力の空白化が起こる可能性があるとき、 多くの面で不透明感が高まる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後1時19分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.66%。同年債(表面利率

3.625%、2021年2月償還)価格は9/32上げて99 21/32。

30年債利回りは3bp低下の4.73%。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続落。ドルの堅調で代替資産としての 金の魅力が薄れ、3週間ぶり高値から転落した。

ドルは主要通貨のバスケットに対して2日続伸。米経済の改善 を示す経済統計が出たほか、エジプトのムバラク大統領辞任が影響 した。金はこれより先、エジプト混迷の深刻化を受けて0.5%高ま で買われていた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ) のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は「ドルの堅調が金を圧 迫している」と指摘。「金相場がここから値を戻せないとすれば、 売り浴びせの引き金になるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比2.10ドル(0.2%)安の1オンス=1360.40 ドルで終了した。一時は1月20日以来の高値となる1369.70ド ルまで買い進まれた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は下落。10週間ぶり安値に沈んだ。 エジプトのムバラク大統領が辞任し権限を軍に委譲したことを受け、 中東原油の供給に障害が生じるとの懸念が薄らいだ。

エジプトのスレイマン副大統領は国営テレビを通じ、ムバラク大 統領の辞任を発表。反ムバラク体制の動きが表面化して以来、スエズ 運河を通じた原油輸送が停止されるとの懸念や、他の中東、北アフリ カ諸国に飛び火する可能性が心配されていた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は、 「ムバラク辞任でエジプト危機は収束するはずだ」と語る。「政情不 安が始まって以来、原油価格に付けられていた安全プレミアムは恐ら く解消されるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.15ドル(1.33%)安の1バレル=85.58ドルで終了した。 終値ベースで昨年11月30日以来の安値。週間では3.9%下落。過 去1年では14%の値上がり。

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