2月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。英文記事は、各市場の終わりにあるリンクをクリッ クしてご覧ください。

◎外国為替:ドル上昇-エジプト不透明で安全需要

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨の大半に対して上 昇。エジプトのムバラク大統領が辞任し、権限を軍に委譲したことで、 安全な米資産を求める動きが強まった。

ドルはユーロに対し、週間ベースで3週続伸となった。エジプト では、反政府派が選挙の即時実施を求める可能性が高い。ユーロは対 ドルでこの日、軟調な展開が続いた。ドイツ連銀のウェーバー総裁辞 任と、米消費者マインド指数の上昇が手掛かりとなった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の米州G10通貨戦略責任者、 パレシュ・ウパダヤ氏は、「軍がなおも権限を掌握していることや中 東の近隣国に影響が拡大するのではとの懸念がある」と指摘。「不安 定さをめぐる懸念が広がっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対し前日比

0.4%上昇の1ユーロ=1.3554ドル(前日は1.3603ドル)。今週 は0.2%高となった。対円ではこの日、0.2%高の1ドル=83円43 銭。ユーロは対円で0.1%下げて1ユーロ=113円06銭。

エジプトのスレイマン副大統領は国営テレビを通じて声明を読み 上げた。副大統領は「ムバラク大統領は大統領府の権限委譲を決めた」 と述べ、「今後のエジプトについては軍最高評議会が指揮を執るよう 指示を受けた」と続けた。

カナダ・ドル

カナダ・ドルは主要16通貨すべてに対して上昇。同国の昨年12 月の貿易収支が予想外に10カ月ぶりの黒字となったことや、米国の貿 易赤字が拡大したことに反応した。ユーロに対しては1.1%上昇し、 1ユーロ=1.3393カナダ・ドル。

メキシコ・ペソはドルに対し0.4%上昇し、1ドル=12.0270 ペソ。

ユーロは主要通貨の大半に対して軟調な展開が続いた。ウェーバ ー独連銀総裁は4月30日付で同職を辞任する。独政府が11日、発表 した。独政府のザイベルト報道官の声明では、ウェーバー総裁の後任 について、「向こう1週間をめどに」発表するとしている。

この辞任決定により、ウェーバー総裁は欧州中央銀行(ECB) のトリシェ総裁の後任レースから離脱することになる。ウェーバー総 裁は辞任について、「個人的な理由」としている。

「率直に発言するタカ派」

シティグループのG10外為ストラテジー部門の日本を除くアジア 責任者、トッド・エルマー氏(シンガポール在勤)は10日のブルーム バーグテレビジョンでのインタビューで、ウェーバー総裁について、 「ECBで最も率直に発言するタカ派」であり、同総裁が抜ければ、 積極的な利上げの可能性が恐らく低下するだろうと述べていた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時0.6%高の78.697と、先月21日以来の高水準。今 週は0.5%高。同指数が週間ベースで上昇するのは先月7日までの週 以来で5週ぶり。

ドルは円に対し週間ベースで1.6%高。週間ベースでは、先月7 日までの週以降で最大の上げ。この日は一時83円68銭と、5週間ぶ りの高値を付けた。

2月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は

75.1と、前月の74.2から上昇した。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミストの予想中央値は75.0だった。

原題:Dollar Gains Versus Most Peers on Haven

◎米国株:上昇、エジプト大統領辞任などを好感

米株式相場は上昇。週間ベースでは2週連続高となった。エジプト のムバラク大統領辞任や、米消費者マインド指数が8カ月ぶりの高水準 になったことを背景に、世界的な景気回復に対する楽観が強まった。

キャタピラーやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリ カ(BOA)が値上がりし、ダウ工業株30種平均の上昇を率いた。 コノコフィリップスは増配と最大100億ドルの自社株買い計画が好 感され、買い進まれた。一方、クラフト・フーズは下落。同社は商品 価格の上昇を理由に、業績見通しを下方修正した。エジプト株に連動 する上場投資信託(ETF)は大幅上昇した。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1329.15。2008 年6月以来の高値水準で引けた。週間では1.4%高。ダウ工業株30 種平均は43.97ドル(0.4%)上昇の12273.26ドル。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズ(米シンシナティ) で144億ドル相当の運用に携わるピーター・ソレンティーノ氏は、 「エジプトの不透明感が部分的に晴れ、ファンダメンタルズに焦点を 絞ることができるようになった」と指摘。「消費者マインド指数を含 め、かなり好調な経済指標が相次いで発表されている。残念ながら、 楽観的な見方は最近、地政学的な懸念に押しやられていた。今後の展 開はこれからわかるだろう。米経済には今、十分な勢いがある」と述 べた。

S&P500種は年初から5.7%上昇。予想を上回る経済指標や 企業業績が発表されるなか、景気回復への自信が強まった。ブルーム バーグがまとめたデータによると、S&P500種銘柄で1月10日 以降に四半期決算を発表した348社のうち、約74%の企業で1株 当たり利益がアナリスト予想を上回った。

消費者マインド指数とエジプト

ロイター・ミシガン大学消費者マインド指数が発表されると、同 株価指数は朝方の下げから持ち直し始めた。2月の消費者マインド指 数(速報値)は75.1に上昇した。ムバラク大統領の辞任が発表さ れるなか、株価は上げ幅を拡大。過去18日間にわたってカイロ中心 部には反政府派が集結し、同大統領の30年に及ぶ独裁体制の終了を 訴えていた。ムバラク大統領は権限を軍に委譲した。

エジプトのスレイマン副大統領が国営テレビを通じて声明を読 み上げ、「ムバラク大統領は大統領府の権限委譲を決めた」と述べ、 「今後のエジプトについては軍最高評議会が指揮を執るよう指示を 受けた」と続けた。

エジプト株に連動するETF、マーケット・ベクターズ・エジプ ト指数は4.5%値上がりした。

米ヘッジファンド、トラクシス・パートナーズを運用するバート ン・ビッグス氏は、「私はまだ株式投資を続けている」と発言。「欧 州のソブリン債危機や米国の住宅価格問題に比べると、エジプトの地 政学的な不確実性は小規模だ」とし、「さらなる激変が予想され、そ れは必ずしも湾岸の君主国家とは限らないだろう。世界的な投資環境 悪化の中で、米国の高品質・大型株は依然として最善の投資先だ」と 述べた。

キャタピラーが高い

キャタピラーは2.9%高。JPモルガンは2.3%、BOAは 2%いずれも上昇。

コノコフィリップスは2.1%高。同社は、四半期配当を55セ ントから66セントに引き上げ、最大100億ドルの追加自社株買い 計画も承認したと発表した。

世界2位の食品メーカー、クラフト・フーズは1.5%安。同社 は、商品価格の上昇を理由に、2011年通期の利益見通しを下方修正 した。統合関連費用などを除いた利益は前年比で11-13%増加する との見通しを示した。11月時点の予想は「10%台半ば」の伸びだっ た。

◎米国債:上昇、ポスト・ムバラク体制に不透明感

米国債相場は上昇。エジプトの政変で体制移行への不透明感から逃 避需要が高まった。10年債は週間での下げを埋めた。

ムバラク大統領が10日夜の演説で示した方針を撤回し、11日に 辞任したことを受け、米国債は上昇した。今週の中長期国債の入札 (総額720億ドル)が10日に終わったことに加え、連邦準備制度理 事会(FRB)が引き続き国債を購入していることも支援材料。

ジェフリーズの米ドル・デリバティブ取引責任者、クリスチャ ン・クーパー氏は、「エジプト情勢の先行きはまだかなり不透明なた め、買い材料になっている」と指摘。「ムバラク大統領が即時辞任を 拒否した時に上昇したが、次に誰が権力を握るか分からないため、今 も米国債は上昇している。権力の空白化が起こる可能性があるとき、 多くの面で不透明感が高まる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.63%。同年債(表面利率

3.625%、2021年2月償還)価格は17/32上げて99 29/32。

30年債利回りは7bp低下の4.69%。

ムバラク大統領辞任

ムバラク大統領は辞任し、権限を軍に委譲した。過去3週間にわ たってカイロ中心部には反政府派が集結し、ムバラク大統領の30年に 及ぶ独裁体制の終了を訴えていた。

スレイマン副大統領は国営テレビを通じ、「ムバラク大統領は大 統領府の権限委譲を決めた」との声明を読み上げた。「今後のエジプ トについては軍最高評議会が指揮を執るよう指示を受けた」と続けた。

ニューヨーク連銀はこの日、2016年8月から18年1月に償還を 迎える国債を74億ドル相当購入。6000億ドル規模の国債購入計画を 継続した。

FRBの10日発表によると、2月11日から3月9日までに 18回にわたって計約970億ドルの国債を購入する計画だ。これまで の国債購入額は3207億ドル。

CRTキャピタル・グループの米国債戦略責任者、デービッド・ エーダー氏は、「供給が終わったことに米国債は下支えられている。 FRBの国債購入が数日続いており、資金の動きに変化をもたらして いる」と述べた。さらに「エジプトに絡んだ不透明感があり、市場は 週末を前にして米国債の売り持ちには消極的だ」と語った。

政府支援機関の廃止

ガイトナー米財務長官は、議会に提出した報告書で、政府が管理 下に置く政府支援機関(GSE)のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫) とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の事業を縮小し、「最終 的には段階的に廃止」することも求めた。

同長官は、11兆ドル(約920兆円)規模の住宅ローン市場を政 府依存から独り立ちさせる複数の選択肢を議会に提案した。同時に、 経済的な混乱を避けるため、こうした変更の「責任ある慎重な」段階 的導入を求めた。ガイトナー長官とドノバン住宅都市開発長官が11日 提出した報告書は、将来の住宅金融システム構築に向けた3つの手法 を提言している。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジ ャージー氏は、「オバマ政権は住宅市場での民間部分の拡大と、政府 の役割縮小を望んでいることを示唆している」と述べた。

◎NY金:続落、ドル高で3週ぶり高値から転落-1360.40ドル

ニューヨーク金先物相場は続落。ドルの堅調で代替資産としての金 の魅力が薄れ、3週間ぶり高値から転落した。

ドルは主要通貨のバスケットに対して2日続伸。米経済の改善 を示す経済統計が出たほか、エジプトのムバラク大統領辞任が影響 した。金はこれより先、エジプト混迷の深刻化を受けて0.5%高ま で買われていた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ) のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は「ドルの堅調が金を圧 迫している」と指摘。「金相場がここから値を戻せないとすれば、 売り浴びせの引き金になるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比2.10ドル(0.2%)安の1オンス=1360.40 ドルで終了した。一時は1月20日以来の高値となる1369.70ド ルまで買い進まれた。

◎NY原油:10週ぶり安値、エジプト政変で供給不安が後退

ニューヨーク原油先物相場は下落。10週間ぶり安値に沈んだ。エ ジプトのムバラク大統領が辞任し権限を軍に委譲したことを受け、中東 原油の供給に障害が生じるとの懸念が薄らいだ。

エジプトのスレイマン副大統領は国営テレビを通じ、ムバラク大 統領の辞任を発表。反ムバラク体制の動きが表面化して以来、スエズ 運河を通じた原油輸送が停止されるとの懸念や、他の中東、北アフリ カ諸国に飛び火する可能性が心配されていた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は、 「ムバラク辞任でエジプト危機は収束するはずだ」と語る。「政情不 安が始まって以来、原油価格に付けられていた安全プレミアムは恐ら く解消されるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.15ドル(1.33%)安の1バレル=85.58ドルで終了した。 終値ベースで昨年11月30日以来の安値。週間では3.9%下落。過 去1年では14%の値上がり。

◎欧州株:上昇、エジプト大統領辞任を好感-ミシュラン高い

欧州株式相場は上昇。エジプトのムバラク大統領が辞任したほか、 2月の米消費者信頼感の改善で米景気回復の勢いが示されたことを背景 に、買いが優勢となった。

フランスのタイヤメーカー、ミシュランは3.7%上昇。2010年 通期利益がアナリスト予想を上回ったことが買いを誘った。

一方、フィンランドの携帯電話機メーカー、ノキアは14%急落。 米マイクロソフトの基本ソフト(OS)をノキア製端末に搭載すると 発表したことが売り材料。仏化粧品メーカーのロレアルは4.2%安。 昨年10-12月(第4四半期)利益が市場予想に達しなかったことが 嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%高の287.99で終了。 週間ベースでは0.7%上昇した。同指数は今週、2008年9月以来の 高値に達した。ブルームバーグのデータによれば、同構成銘柄の株価収 益率(PER)は9カ月ぶり高水準となる約16倍になった。

ETXキャピタルのドイツ担当セールストレーディング責任者、 マルクス・フーバー氏は、「ムバラク大統領の辞任は好材料だった」 と述べ、「実際の体制移行にはかなり時間がかかるかもしれないが、 中東の不安定要素の一部を取り除き、相場上昇のきっかけとなった」 と続けた。

この日発表された2月のロイター・ミシガン大学消費者マインド 指数は75.1と、前月の74.2から上昇した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミストの予想中央値は75.0だった。

11日の西欧市場では18カ国中12カ国で主要株価指数が上昇し た。

原題:European Stocks Gain as Egypt’s Mubarak

◎欧州債:ドイツ国債が上昇-エジプト軍の扱いで懸念残る

欧州債市場ではドイツ10年債相場が上昇。1年ぶり高水準まで3 ベースポイント(bp、1bp=0.01%)に迫っていた同利回りは下 げに転じた。エジプトの混乱が悪化するとの懸念から、欧州で最も安全 とされるドイツ国債に対する需要が高まった。

ドイツ2年債相場も上昇し、週間ベースで今年初めてプラスとな った。エジプトのムバラク大統領はこの日辞任した。同大統領が権限 を軍に委譲したことを背景に、ドイツ国債は上げ幅を縮小した。ドイ ツ連邦統計庁が同日発表した1月の独消費者物価指数(改定値)は欧 州連合(EU)基準で前月比0.4%低下した。

ギリシャ国債は下落し、同10年債利回りは2週間ぶり高水準を付 けた。

モニュメント・セキュリティーズの債券アナリスト、マーク・オ ストワルド氏(ロンドン在勤)は、「エジプト情勢で、安全を求めた ドイツ国債への買いが若干後退した」と述べた上で、「軍への権限移 譲をめぐり多くの不安定要素が残っており、これが短期債への支援材 料となった」と続けた。

ロンドン時間午後4時31分現在、ドイツ10年債利回りは前日比 1bp低下し3.29%。一時は3.25%まで下げた。同国債(表面利率

2.5%、2021年1月償還)価格は0.085ポイント上げ93.41。ド イツ2年債利回りは5bp低下の1.40%。

ギリシャ国債相場は7営業日続落。同10年債利回りは前日比10 bp上昇の11.51%と、先月28日以来の高水準を付けた。

◎英国債:10年債が10日ぶり反発-物価統計の影響薄い

英国債市場では10年債相場が10営業日ぶりに反発。生産者物価 指数が上昇したものの、影響しなかった。

10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.87%。同国債(表面利率4.75%、2020年3月 償還)価格は0.12ポイント上げ106.70。2年債利回りは

1.556%と、前日とほぼ同水準となった。

英政府統計局(ONS)がこの日発表した1月の生産者物価統計 で、出荷価格指数は前月比1%上昇した。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト14人の予想中央値は0.5%上昇だった。昨 年12月は0.4%の上昇。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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