米国債(11日):上昇、ポスト・ムバラク体制に不透明感

米国債相場は上昇。エジプトの政 変で体制移行への不透明感から逃避需要が高まった。10年債は週間で の下げを埋めた。

ムバラク大統領が10日夜の演説で示した方針を撤回し、11日に 辞任したことを受け、米国債は上昇した。今週の中長期国債の入札 (総額720億ドル)が10日に終わったことに加え、連邦準備制度理 事会(FRB)が引き続き国債を購入していることも支援材料。

ジェフリーズの米ドル・デリバティブ取引責任者、クリスチャ ン・クーパー氏は、「エジプト情勢の先行きはまだかなり不透明なた め、買い材料になっている」と指摘。「ムバラク大統領が即時辞任を 拒否した時に上昇したが、次に誰が権力を握るか分からないため、今 も米国債は上昇している。権力の空白化が起こる可能性があるとき、 多くの面で不透明感が高まる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.63%。同年債(表面利率

3.625%、2021年2月償還)価格は17/32上げて99 29/32。

30年債利回りは7bp低下の4.69%。

ムバラク大統領辞任

ムバラク大統領は辞任し、権限を軍に委譲した。過去3週間にわ たってカイロ中心部には反政府派が集結し、ムバラク大統領の30年に 及ぶ独裁体制の終了を訴えていた。

スレイマン副大統領は国営テレビを通じ、「ムバラク大統領は大 統領府の権限委譲を決めた」との声明を読み上げた。「今後のエジプ トについては軍最高評議会が指揮を執るよう指示を受けた」と続けた。

ニューヨーク連銀はこの日、2016年8月から18年1月に償還を 迎える国債を74億ドル相当購入。6000億ドル規模の国債購入計画を 継続した。

FRBの10日発表によると、2月11日から3月9日までに18 回にわたって計約970億ドルの国債を購入する計画だ。これまでの国 債購入額は3207億ドル。

CRTキャピタル・グループの米国債戦略責任者、デービッド・ エーダー氏は、「供給が終わったことに米国債は下支えられている。 FRBの国債購入が数日続いており、資金の動きに変化をもたらして いる」と述べた。さらに「エジプトに絡んだ不透明感があり、市場は 週末を前にして米国債の売り持ちには消極的だ」と語った。

政府支援機関の廃止

ガイトナー米財務長官は、議会に提出した報告書で、政府が管理 下に置く政府支援機関(GSE)のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫) とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の事業を縮小し、「最終 的には段階的に廃止」することも求めた。

同長官は、11兆ドル(約920兆円)規模の住宅ローン市場を政 府依存から独り立ちさせる複数の選択肢を議会に提案した。同時に、 経済的な混乱を避けるため、こうした変更の「責任ある慎重な」段階 的導入を求めた。ガイトナー長官とドノバン住宅都市開発長官が11日 提出した報告書は、将来の住宅金融システム構築に向けた3つの手法 を提言している。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジ ャージー氏は、「オバマ政権は住宅市場での民間部分の拡大と、政府 の役割縮小を望んでいることを示唆している」と述べた。

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