2月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。英文記事は、各市場の終わりにあるリンクをクリッ クしてご覧ください。

◎外国為替:ドル上昇、米失業保険申請の減少で

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨の大半に対して上 昇。米失業保険申請件数の減少に反応した。また欧州とオーストラリア の経済指標を受けて成長の足踏み懸念が強まったことも手掛かり。

円は対ドルで1カ月ぶり安値を付けた。先週の米失業保険申請件 数は2008年7月以来の低水準まで減少した。ユーロはドルに対し4 日ぶりに反落。株価下落で高利回り資産の需要が低下した。オースト ラリア・ドルは、1月のフルタイム雇用者数の減少が嫌気されて売ら れた。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「幅広いドル 買いの動きが見られる。逃避需要だ」と指摘。「株価が下げ、投資家 はリスク志向の度合いを弱めに調整した」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時5分現在、ドルは対ユーロで前日比 1%高の1ユーロ=1.3594ドル(前日は1.3733ドル)。対円で は1.1%上げて1ドル=83円30銭(前日は82円36銭)。一時 83円37銭と、1月12日以来の高値を付けた。ユーロは円に対し

0.1%高の1ユーロ=113円24銭(前日は113円09銭)。

エジプトのムバラク大統領はこの日、国民に対し、9月の選挙ま では大統領職にとどまると述べた。この発言後もドルはユーロに対し 堅調を維持した。

シティグループのG10通貨戦略責任者、スティーブン・イング ランダー氏は「市場は、エジプトでの政権移行が秩序あるものになる とみているようだ」と分析した。

米国債利回り

米国債市場では利回りが上昇。失業保険申請件数に反応したほか、 30年債入札で需要が平均を下回ったことも背景にある。米国債利回 りの上昇で、ドル建て資産の投資妙味が高まった。

ポンドは大半の主要通貨に対して上昇。イングランド銀行(英中 央銀行)はこの日、政策金利を0.5%で据え置くと決めたものの、年 内に利上げを余儀なくされるとの観測が広がった。

ポンドはユーロに対し0.9%高の1ユーロ=84.49ペンス。英 中銀は、資産買い取りプログラムをこれまでの2000億ポンド規模で 維持することも決めた。

失業保険申請

米労働省が10日発表した先週の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は前週から3万6000件減少して38万3000件。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は41万件だ った。

失業保険の受給者数の合計は減った一方で、通常の給付期間(26 週)以内に再就職できず緊急失業保険給付制度(ECU)に移行した 受給者と、ECUも使い切って延長給付を受給している受給者の合計 は増加した。

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカ ット州スタンフォード在勤)は「これは次回の失業保険申請件数がど うなるか一段と鮮明に示している」と指摘。「投資家の間では継続し たトレンドが見られるとの声が聞かれている」と続けた。

オーストラリア・ドルは米ドルに対して下落。一時1.1%安の1 豪ドル=1.0010米ドルと、取引時間中としては1月27日以降で最 大の下げとなった。その後は1.0032米ドル。1月の豪雇用統計に よれば、雇用者数は全体では2万4000人増加したものの、フルタイ ムの雇用者数は8000人の減少となった。

◎米国株:買い優勢、エジプト大統領が権限委譲

米株式相場は買いが優勢。日中の下げを埋めた。エジプトのムバラ ク大統領が、スレイマン副大統領に権限を委譲する方針を示したことか ら、同国の政治的危機が世界経済を脅かすことはないとの楽観が強まっ た。

通期の業績見通しを引き上げた自然食品小売りのホール・フー ズ・マーケットが高い。予想を上回る決算を発表した米最大のタイヤ メーカー、グッドイヤー・タイヤ&ラバーも値上がり。一方、シスコ システムズとアカマイ・テクノロジーズはいずれも大幅下落。いずれ も業績見通しが予想を下回ったことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1321.87。一時付け た0.7%安から反転した。ダウ工業株30種平均は10.60ドル (0.1%)下落の12229.29ドル。一時は83ドル下げたが、その大 半を埋めた。米証券取引所の騰落比率は約11対10。

セキュリティー・グローバル・インベスターズで250億ドル超の 資産運用に携わるマーク・ブロンゾ氏は、「株式市場は安定を好む」 と指摘。「ムバラク大統領が権限委譲についての話し合いに前向きな らば、同国の不安定な情勢は収束に向かうだろう。市場は非常に底堅 い。一部の決算は予想に届かなかったが、極めて楽観的な見方を変え るには至らなかった」と述べた。

S&P500種は09年に付けた12年ぶり安値から最大96%上昇 している。予想を上回る経済指標や企業業績が発表されるなか、景気 回復への信頼感が強まった。ブルームバーグがまとめたデータによる と、S&P500種銘柄で1月10日以降に四半期決算を発表した339 社のうち、約74%の企業で1株当たり利益がアナリスト予想を上回っ た。

エジプト

ムバラク大統領がこの日のテレビ演説で、スレイマン副大統領へ の権限委譲を決意したと述べると、株価は下げを埋めた。米パシフィ ック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・ エラリアン最高経営責任者(CEO)によれば、エジプトの政情が安 定化し始めた場合、同国は経済の再始動に向けた支援が必要となる見 通し。

エラリアンCEOはブルームバーグラジオとの電話インタビュー で、「ひとつ気掛かりなのはまとまった規模の資金流出だ。特に株式 市場が再開したときが心配だ」と発言。エジプトの株式市場は先月27 日以降、休場となっている。

米株式相場は日中、下落していた。中国が今週、過去4カ月で3 回目となる利上げを実施したほか、韓国銀行(中央銀行)が11日の政 策決定会合で政策金利を引き上げると予想されていることに圧迫され た。

グッドイヤーが高い

ホール・フーズは12%高。同社は11年9月通期の業績見通しを 引き上げた。消費者の支出への制約が弱まり、健康食品への支出に前 向きになっていることが背景という。通期の1株当たり利益は最大

1.80ドルになるもよう。従来予想は最大1.71ドルだった。同社は、 消費者信頼感の高まりを理由に通期の売上高見通しも上方修正した。

グッドイヤーは14%高。同社は10年10-12月(第4四半期) の一部項目を除いた1株当たり利益が7セントになったと発表。ブル ームバーグがまとめたアナリストの予想平均は7セントの損失だった。

シスコシステムズは14%安。同社の10年11月-11年1月(第 2四半期)決算は、粗利益率が62.4%に低下した。これはブルームバ ーグがまとめた予想平均63.3%を下回る。また、2-4月(第3四半 期)の一部項目を除いた1株利益は35-38セントになるとの見通し を示した。アナリスト予想平均は40セント。

アカマイは15%安と、S&P500種の値下がり率トップ。同社の シャーマン最高財務責任者(CFO)は前日の電話会議で、1-3月 (第1四半期)の売上高は2億6500万-2億7500万ドルになると 述べた。アナリストの予想平均は2億8380万ドルだった。

原題:Most U.S. Stocks Advance as Egypt’s

◎米国債:下落、30年債入札不振-今週720億ドル消化

米国債相場は下落。労働市場の回復とともにインフレが加速すると の懸念を背景に、午後に実施された30年債入札(160億ドル)では 需要が芳しくなかった。財務省は今週、計720億ドルの国債入札を実 施した。

30年債利回りは、ほぼ10カ月ぶりの高水準を記録。入札では 投資家の需要を測る指標の応札倍率は、過去10回の平均値を下回った。 米国債は朝方、米新規失業保険申請件数が2008年7月以来の低水準 に減少したことが材料となり、下落した。ニューヨーク連銀はこの日、 6000億ドルの国債購入計画に基づく最新の購入予定を発表した。

RWプレスプリッチのマネジングディレクター、ラリー・ミルス タイン氏は、「経済統計の内容が全般的に予想より良好なので、利回 りには上向きのバイアスがかかっている。市場参加者は量的緩和策第 2弾の終了に視線を向けている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時13分現在、30年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上げて4.77%。同年債(表面利率

4.25%、2040年11月償還)価格は29/32下げて、91 23/32。

10年債利回りは5bp上げて3.7%。

FRBの国債購入

FRBの発表によると、2月11日から3月9日までに18回に わたって計約970億ドルの国債を購入する計画だ。これまでの国債購 入額は3207億ドル。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーダー、ショーン・マーフィ ー氏は、「今回発表された購入予定額は前月を大きく下回っており、 FRBの姿勢軟化が見受けられる」と述べ、「前回は1120億ドル購 入した。それに対し、今回は970億ドルの購入予定だ」と続けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は9日、下院 予算委員会の公聴会で証言。「昨年12月と今年1月に見られた失業率 の低下で、楽観的になる根拠が多少示された」とする一方、「生産の 伸びがしばらくは緩やかなものにとどまる可能性が高いほか、企業は 雇用増加になおも消極的と報告されていることから、失業率がより正 常な水準に戻るまでには数年かかるだろう」と述べた。

入札結果

30年債の入札結果によると、投資家の需要を測る指標の応札倍 率は2.51倍と、過去10回の平均値2.68倍を下回った。

海外の中央銀行などを含む間接入札者の落札全体に占める比率は

43.1%。前回1月時は37.8%だった。過去10回の平均は

38.29%。

直接入札者の比率は8%。1月時は12.4%、過去10回の入札 の平均は15.10%となっている。

30年債入札の最高落札利回りは4.750%と、入札直前の市場予 想の4.729%を上回った。前回入札(1月13日)は4.515%だっ た。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、30年 債の投資リターンは2010年に8.7%、国債全体の5.9%を上回った。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は前週から3万6000件減少して38万3000件。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は41万件だった。

原題:Treasuries Drop as 30-Year Bond Completes

◎金先物:反落、ドル上昇で代替資産を敬遠-1362.50ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。ドルの堅調で代替資産としての 金買いが鈍り、3日ぶりの下げとなった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時0.9%上昇。先週の失業保険申請件数が2008年7 月以来の水準に減少したことが影響した。エジプトのムバラク大統領 が辞任するとの観測が広がるなか、金は下げ渋った。昨年の金相場は 30%上昇し、10年連続高を記録した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は、「今年の金のパフォーマンスは昨年ほど好 調にはならないだろう」と語る。「経済の改善は続く。ドルの上昇は トレーダーに金売りの口実を与えるだろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比3ドル(0.2%)安の1オンス=1362.50ドルで終 了した。一時は1%安まで売り込まれた。

◎原油先物:小じっかり、ムバラク大統領の演説待ちで様子見

ニューヨーク原油先物相場は小じっかり。エジプトのムバラク大 統領が10日にも辞任し軍に権力を委譲するとの観測が広がった。

原油価格は6営業日ぶりの上昇。エジプト国営テレビは現地時間 夜にムバラク大統領の演説を放送すると伝えた。軍最高評議会は国民 の「正当な」要求に対応し、協議を続けるとの声明を発表した。エジ プト騒乱で原油価格は1月に2年ぶりの高値に上昇していた。

ショーク・グループ(ペンシルベニア州ビラノバ)のスティーブ ン・ショーク社長は、「1979年のイラン革命の再現なのか、あるい は全く違う現象になるのか分からない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比2セント(0.02%)高の1バレル=86.73ドルで終了した。過去 1年間では16%の値上がり。

◎欧州株:3日続落、インフレ懸念で-エールフランス安い

欧州株式相場は3日続落。世界的なインフレ加速に伴い、借り入れ コストが上昇するとの懸念が強まったことが背景にある。

仏蘭系航空会社のエールフランス・KLMグループは7.7%下げ た。昨年10-12月(第4四半期)の損益が予想に反して赤字となっ たことが嫌気された。銀行株では、スイスのクレディ・スイス・グル ープと、デンマークのダンスケ銀行が売りを浴びた。両行の利益がア ナリスト予想を下回ったことが売りを誘った。

一方、ドイツ取引所は4.6%上昇。ニューヨーク証券取引所(N YSE)などを運営するNYSEユーロネクストの買収に向けて協議 中であると明らかにしたことが手掛かり。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の286.78で終了。 景気回復が加速するとの楽観に加え、欧州の各国政府がユーロ圏の高 債務国支援に向けた政策を導入したことから、同指数は今週初めに 2008年9月以来の高値に達していた。

アセナゴン(ミュンヘン)のチーフエコノミスト、マーティン・ ヒューフナー氏は、「機関投資家が過去数日間、インフレ懸念から株 式を売却した」と述べ、「景気回復に対する楽観は行き過ぎの可 能性がある。新興国市場の株価動向も若干懸念している」と続けた。

10日の西欧市場では18カ国中14カ国で主要株価指数が下落。 ギリシャのアテネ総合指数は3.5%下げた。

クレディ・スイスは5.8%安と、昨年5月以降で最大の値下がり。 ダンスケ銀は11%の急落となった。

◎欧州債:ポルトガル債上昇、ECB購入の観測で下げから反転

欧州債市場ではポルトガル10年債相場が上昇し、同利回りは 1999年以来の高水準から下げに転じた。欧州中央銀行(ECB)がポ ルトガル国債を購入したと、取引について知る関係者3人が明らかにし た。

関係者2人が匿名を条件に述べたところによると、ECBは年限 5年のポルトガル国債を購入した。ECBの報道官はコメントを控え た。

ギリシャ国債相場は6営業日続落。同国の失業率が悪化し、過去 最高となったことが背景にある。ドイツ国債は3日ぶりに上昇。株安 に加え、ECBが商品主導のインフレ加速は長続きしないとの見方を 示したことが手掛かりとなった。

DZ銀行のストラテジスト、グレン・マルシ氏(フランクフルト 在勤)は、「ECB購入の可能性が報じられ、ポルトガル国債の利回 りが急激に動いた」と述べ、「利回り上昇の動きは行き過ぎだった可 能性があることから、反転したのは驚きではない」と続けた。

ロンドン時間午後4時40分現在、ポルトガル10年債の利回りは 前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し7.30%。 一時は7.64%まで上げ、ユーロ導入の1999年以来の高水準を付け ていた。同国債(表面利率4.8%、2020年6月償還)価格は0.375 ポイント上げ83.47。

ドイツ10年債とのスプレッド(上乗せ利回り)は6bp縮小の 400bp。ドイツ10年債利回りは3.31%でほぼ変わらず。前日には 2010年1月14日以来の高水準となる3.315%を付けた。

ギリシャ10年債利回りは前日比13bp上昇の11.39%。同年 限のドイツ国債とのスプレッドは16bp拡大し808bpと、1月31 日以降の最大となった。

◎英国債:小幅下落、2年債利回り1.56%-中銀は金利を据え置き

英国債相場は小幅下落。2年債利回りは1.56%。同国債(表面利 率4.5%、2013年3月償還)価格は0.015ポイント下げ

105.975となった。10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇し3.88%。

イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁率いる金融政策委 員会(MPC)はこの日、政策金利を過去最低水準に据え置いた。イ ンフレ率が目標2%のほぼ2倍の水準にあるものの、景気回復を支え ることを重視した。ブルームバーグのエコノミスト調査でも、62人全 員が据え置きを予想していた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の英債担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのマイケル・エイミ ー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、英国債のパ フォーマンスは恐らく米国と欧州の国債を下回るとの見方を示した。 英中銀がインフレ抑制重視に傾き始めるからだという。

原題:Pound Rises Versus Euro as BOE Leaves

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