米国株(10日):買い優勢、エジプト大統領が権限委譲

米株式相場は買いが優勢。日中の 下げを埋めた。エジプトのムバラク大統領が、スレイマン副大統領に 権限を委譲する方針を示したことから、同国の政治的危機が世界経済 を脅かすことはないとの楽観が強まった。

通期の業績見通しを引き上げた自然食品小売りのホール・フー ズ・マーケットが高い。予想を上回る決算を発表した米最大のタイヤ メーカー、グッドイヤー・タイヤ&ラバーも値上がり。一方、シスコ システムズとアカマイ・テクノロジーズはいずれも大幅下落。いずれ も業績見通しが予想を下回ったことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.1%高の1321.87。一時付けた

0.7%安から反転した。ダウ工業株30種平均は10.60ドル(0.1%) 下落の12229.29ドル。一時は83ドル下げたが、その大半を埋めた。 米証券取引所の騰落比率は約11対10。

セキュリティー・グローバル・インベスターズで250億ドル超の 資産運用に携わるマーク・ブロンゾ氏は、「株式市場は安定を好む」 と指摘。「ムバラク大統領が権限委譲についての話し合いに前向きな らば、同国の不安定な情勢は収束に向かうだろう。市場は非常に底堅 い。一部の決算は予想に届かなかったが、極めて楽観的な見方を変え るには至らなかった」と述べた。

S&P500種は09年に付けた12年ぶり安値から最大96%上昇 している。予想を上回る経済指標や企業業績が発表されるなか、景気 回復への信頼感が強まった。ブルームバーグがまとめたデータによる と、S&P500種銘柄で1月10日以降に四半期決算を発表した339 社のうち、約74%の企業で1株当たり利益がアナリスト予想を上回っ た。

エジプト

ムバラク大統領がこの日のテレビ演説で、スレイマン副大統領へ の権限委譲を決意したと述べると、株価は下げを埋めた。米パシフィ ック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・ エラリアン最高経営責任者(CEO)によれば、エジプトの政情が安 定化し始めた場合、同国は経済の再始動に向けた支援が必要となる見 通し。

エラリアンCEOはブルームバーグラジオとの電話インタビュー で、「ひとつ気掛かりなのはまとまった規模の資金流出だ。特に株式 市場が再開したときが心配だ」と発言。エジプトの株式市場は先月27 日以降、休場となっている。

米株式相場は日中、下落していた。中国が今週、過去4カ月で3 回目となる利上げを実施したほか、韓国銀行(中央銀行)が11日の政 策決定会合で政策金利を引き上げると予想されていることに圧迫され た。

グッドイヤーが高い

ホール・フーズは12%高。同社は11年9月通期の業績見通しを 引き上げた。消費者の支出への制約が弱まり、健康食品への支出に前 向きになっていることが背景という。通期の1株当たり利益は最大

1.80ドルになるもよう。従来予想は最大1.71ドルだった。同社は、 消費者信頼感の高まりを理由に通期の売上高見通しも上方修正した。

グッドイヤーは14%高。同社は10年10-12月(第4四半期) の一部項目を除いた1株当たり利益が7セントになったと発表。ブル ームバーグがまとめたアナリストの予想平均は7セントの損失だった。

シスコシステムズは14%安。同社の10年11月-11年1月(第 2四半期)決算は、粗利益率が62.4%に低下した。これはブルームバ ーグがまとめた予想平均63.3%を下回る。また、2-4月(第3四半 期)の一部項目を除いた1株利益は35-38セントになるとの見通し を示した。アナリスト予想平均は40セント。

アカマイは15%安と、S&P500種の値下がり率トップ。同社の シャーマン最高財務責任者(CFO)は前日の電話会議で、1-3月 (第1四半期)の売上高は2億6500万-2億7500万ドルになると 述べた。アナリストの予想平均は2億8380万ドルだった。

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