エジプトのムバラク大統領、即時退任に応じず-反政府デモは継続

エジプトのムバラク大統領(82) は、腹心のスレイマン副大統領に権限の一部を委譲したものの、カイ ロ中心部に集結した数千人もの反政府デモ隊からの即時退任要求には 従わなかった。

ムバラク大統領は9月の大統領選まで職務にとどまる意向をあら ためて表明した。エジプト最高司法評議会の元議長、アデル・クオラ 氏は国営テレビに対し、大統領は議会の解散権と憲法改正権をなお保 持していると語った。

ムバラク大統領は10日夜の演説で「有権者が選ぶ人物が誰になろ うと権限と責任が移譲されるまで、憲法と国民の利益を守る責任を引 き続き背負う決意を宣言する」と言明した。タハリール広場に集結し たデモ参加者はこれに対し、「ムバラクを倒せ」と応じた。

演説の前に、エジプト軍の最高評議会が国家の「利益を守る」目 的の会議をカイロで開催。軍事制圧の観測が高まった。ムバラク大統 領は同国軍隊が体制移行を監督すると発表した。

タハリール広場のデモ参加者の一人、アハメド・アリさんは「こ れには満足できない。大統領は何も新しいことを言わなかった」と非 難。「ここを離れない」と語った。

エジプト野党の最大勢力であるムスリム同胞団の指導者、モハメ ド・サード・エル・カタトニ氏はムバラク大統領の演説が十分ではな いとして、「これでは問題解決にならない」と批判。「デモ参加者は 大統領の辞任を求めているため、抗議行動は続くだろう」と述べた。

帰宅の呼びかけに応じず

エジプト株に連動する上場投資信託(ETF)、マーケット・ベ クターズ・エジプト指数は、6.1%上昇する場面もあったが、ムバラ ク大統領の演説を受けて0.5%高に伸び悩んだ。エジプトのドル建て 国債(表面利回り5.75%、2020年4月償還)は一時、危機が終わり に近いとの楽観的な見方を受けて上昇。利回りは10ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の6.49%となった。

現地時間11日午前零時前に終わったムバラク大統領の演説の後、 スレイマン副大統領が演説。デモ参加者に帰宅するよう呼び掛けたが、 カイロ中心部に集結する抗議者は従わなかった。

スレイマン副大統領は、「これは決定的な瞬間で、エジプトの安 全と安定を願うすべての誠実な国民が団結し、道理をわきまえ、未来 に目を向ける必要がある」と話した。

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