国内市況:TOPIX5日続伸、債券上昇-ドル・円2週間ぶり高値

東京株式相場は、TOPIXが小 幅ながら5日続伸。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議 長が雇用正常化に時間がかかるとの認識を示したことから、米国の金 融緩和政策が長期化し、過剰流動性相場が継続するとみられた。海外 原油先物相場が時間外取引で上げたことを受け、鉱業など石油関連株 が上昇。ばら積み船運賃市況の続伸を好感し、海運株も高い。

一方、騰落レシオなど一部テクニカル指標から見た過熱感や、3 連休を控え、買いの勢いは限定的だった。今期は営業減益を予想する 旭硝子をはじめとして、ガラス・土石製品株が安い。電機株も売られ、 日経平均株価は小幅に続落した。

TOPIXの終値は前日比2.61ポイント(0.3%)高の946.63、 日経平均株価は同12円18銭(0.1%)安の1万605円65銭。両指数 とも下げて始まった後、午前中ごろから戻り歩調となったが、午後は 小動きに終始した。

バーナンキ議長は9日、米下院予算委員会の公聴会で証言。ここ 2カ月の失業率の低下で、「楽観的になる根拠が多少示された」ものの、 生産の伸びがしばらくは緩やかなものにとどまる可能性が高いほか、 企業は雇用増加になお消極的と報告されていることから、「失業率がよ り正常な水準に戻るまでには数年かかるだろう」と述べた。

議長発言を受け、足元で強まっていた米景気の先行き楽観論がや や後退。並行して、米量的緩和第2弾(QE2)の継続による過剰流 動性相場への期待は高まった。

ニューヨーク原油先物相場が10日の時間外取引で2週間ぶり安 値水準から反発し、国際石油開発帝石など鉱業株、AOCホールディ ングス、JXホールディングスなど石油関連株が上昇。AOCHDに は、前日に今期営業損益予想を一転黒字に上方修正するという材料も あった。

東証1部業種別33指数の上昇率トップは海運。ばら積み船運賃市 況が3日続伸し底入れの兆しを見せており、川崎汽船、商船三井、日 本郵船の大手3社がそろって買われた。

このほか、為替市場では円相場が安定推移し、朝方に売りが先行 した輸送用機器など輸出株の一角がプラスに転換。前期利益が上振れ たもようの住友ゴム工業などゴム製品株も高い。

一方、一部テクニカル指標で、あすからの3連休を前に持ち高調 整の売りが出やすい局面でもあった。東証1部の値上がり、値下がり 銘柄数の割合を示す騰落レシオ(25日移動平均)は9日時点で120% と、前日比で9ポイント低下したが、依然過熱気味とされる水準。

この日の取引開始時は、株価指数オプション2月限の特別清算値 (SQ)算出で、日経225型SQは1万561円41銭と、前日の日経平 均終値を56円42銭下回った。東証1部の売買高は概算で20億7545 万株、売買代金は1兆5551億円。

業種別33指数では海運、鉱業、保険、その他製品、石油・石炭製 品、その他金融、建設、ゴム製品、鉄鋼、輸送用機器など24業種が上 げ、ガラス・土石製品、空運、電気機器、サービス、食料品など9業 種が安い。値上がり銘柄数は872、値下がりは606。

債券は上昇

債券相場は上昇。長期金利は一時1.30%まで低下した。前日の米 国債相場が好調な10年債入札結果を受けて反発した地合いを引き継 ぎ、円債市場は買いが優勢となった。

東京先物市場で中心限月3月物は6営業日ぶりに反発。前日比16 銭高の138円73銭で取引を開始。直後に買いが増えると138円93銭 まで上昇した。その後はやや上げ幅を縮め、午前10時半過ぎには5銭 高まで伸び悩んだ。午後に入ると138円70銭台を中心に推移したが、 終了間際に水準を切り上げ、結局は25銭高の138円82銭で引けた。

9日の米国債相場は上昇。一時は3.77%と4月29日以来の最高 を記録する場面もあったが、米財務省が実施した10年債の入札で、落 札全体に占める海外中銀を含む間接入札の割合が拡大し、国債買いが 膨らんだ。米10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp)下げて

3.65%程度。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比2.5bp低い1.30%で始まった後、徐々に低下幅を縮め、 いったん0.5bp低い1.32%まで戻した。その後は再び水準を切り下げ、 午後3時50分過ぎからは再び1.30%で推移している。

前日には新発10年債利回りが1.35%と約10カ月ぶり高水準、新 発2年債利回りは0.245%、5年債利回りは0.625%とともに1年3カ 月ぶり高水準に達しており、投資家からの買いが見込まれていた。

こうした中、内閣府が発表した12月の機械受注(船舶・電力を除 く民需)は前月比1.7%増、前年比1.6%減となり、ブルームバーグ調 査の(前月比5.0%増、前年比2.2%増)を下回った。一方、日本銀行 が10日発表した1月の国内企業物価指数は前年比1.6%上昇となり、 4カ月連続で上昇した。ブルームバーグ調査では前年比1.4%上昇が 見込まれていた。

ドルが対円で2週間ぶり高値

東京外国為替市場では、午後の取引でドルが対円で、一時1ドル =82円72銭と、1月28日以来、約2週間ぶりの高値を付けた。この 日の米国時間には新規失業保険申請件数の発表を控えて、米金利の動 向を見極めたいとの意向から、ドル売りの動きが鈍る格好となった。

日本時間午後4時5分現在のドル・円相場は1ドル=82円68銭 で推移。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3679ドルと、前日のニ ューヨーク時間午後遅くに付けた1.3733ドルからドルが水準を切り 上げた。同時刻現在は1.3686ドル付近で取引されている。

この日の米国時間には、5日までの1週間の新規失業保険申請件 数が発表される。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によ ると、41万件の申請が見込まれており、前週の41万5000件からは減 少する見通し。

前日の米国債市場では、10年債の利回りが一時3.77%と4月29 日以来の水準まで上昇。しかし、10年債の入札好調を受けて、その後 は金利が下押される格好となっていた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は9日に、下 院予算委員会の公聴会での証言で、「昨年12月と今年1月に見られた 失業率の低下で、楽観的になる根拠が多少示された」と指摘。一方で、 「生産の伸びがしばらくは緩やかなものにとどまる可能性が高いほか、 企業は雇用増加になおも消極的と報告されていることから、失業率が より正常な水準に戻るまでには数年かかるだろう」と述べている。

また、米アトランタ連銀のロックハート総裁は9日に行った講演 後、聴衆との質疑応答で「ある時点では、資産購入の結果、利回りは 低下するというのが当局者らの一致した見解だった」とした上で、利 回りの上昇を「私は米経済の先行きへの信頼感が改善していると解釈 する」と発言。さらに、記者団に対して、成長の加速は、6000億ドル 規模の国債購入プログラムが6月に終了した後、FRBが追加購入す る必要が恐らくないことを意味すると述べた。

一方、前日の欧州債市場では、ドイツの10年債利回りは一時

3.318%まで上昇し、2010年1月14日以来の高水準を付けた。

この日はECBのビニスマギ理事がブリュッセルで講演を行う。 また、イギリスでは、イングランド銀行が金融政策委員会(MPC) を開く。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、政策金 利は0.5%に据え置かれる見通し。資産購入枠については2000億ポン ドが維持されると見込まれている。

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