ウェーバー氏離脱、ドイツの望み砕く晴天の霹靂-ECB人事

(ドイツ与党の反応などを追加して更新します)

【記者:Simon Kennedy and James G. Neuger】

2月10日(ブルームバーグ):ドイツ連邦銀行(中央銀行)のウ ェーバー総裁が任期満了を待たずに辞任する意向であることが明らか になった。ウェーバー氏はトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の後 継者の最有力候補だったが、突然、説明のつかない形で総裁レースを 離脱する。これは他の多くの候補の総裁就任の可能性に道を開き、各 国政府による政治的駆け引きがスタートすることになる。

ECB次期総裁候補としては、ウェーバー氏(53)以外にイタリ ア銀行(中央銀行)のドラギ総裁やルクセンブルク中銀のメルシュ総 裁、フィンランド中銀のリイカネン総裁、ドイツ出身で欧州金融安定 ファシリティー(EFSF)の最高経営責任者(CEO)を務めるク ラウス・レグリング氏の名前が挙がっており、いずれもチャンスが高 まる。トリシェ総裁は今年10月に8年の任期を終える。

ウニクレディト・グローバル・リサーチのユーロ圏担当チーフエ コノミスト、マルコ・バリ氏(ミラノ在勤)は「最有力候補がゲーム から脱落した」と指摘。「われわれは今後、ウェーバー氏に代わる候補 者と、ECB次期総裁指名の背後で働く政治的な力に焦点を当てるこ とができる」と話す。

失われる主導権

ウェーバー氏の総裁レース撤退はメディアが9日、情報源を明ら かにせずに報道し、ECB総裁の指名を水面下で誘導しようとしたド イツ政府の努力は水泡に帰した。報道を受けて、同氏がドイツのメル ケル首相と電話で対立したことをウェーバー氏に近い関係者がその後 確認した。

ウェーバー氏と9日に話した関係者1人によれば、同氏は任期が 満了する2012年4月を待たずにドイツ連銀総裁を1年ほど早く辞任 する意向を固めた。現段階で公の発言を控えているが、10日にはウィ ーンで講演を予定している。

ドイツにもユーロにも打撃

ユーロ圏諸国は3月11日に債務危機について話し合う臨時首脳 会議を開く。ウェーバー氏に再考を促すべきか、ドイツから別の候補 を提案すべきかメルケル首相が思い巡らす中で、ECB総裁の後任問 題が首脳会議の場で取り上げられることになりそうだ。

メルケル首相率いる与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・C SU)で金融・経済問題の広報担当を務めるミヒャエル・マイスター 議員はインタビューで、「ウェーバー氏は年内に退任すると理解してお り、われわれにはドイツ連銀総裁の後任を見つける時間がある」とし た上で、「トリシェ氏の後任については、ドイツ人である必要はなく、 有為の人材でなければならない」と述べた。

一方、ドイツで最大の発行部数を誇るビルト紙は社説で、「メルケ ル首相にとってもユーロにとっても計り知れない打撃だ」と遺憾の意 を表明。「ドイツ人はユーロに対する信頼を失い、自らがユーロ圏の主 計係にすぎないと何となく感じており、そのような時期においては、 ドイツ人がECBのトップに就くことが非常に重要だっただろう」と 嘆いている。

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