三菱東京UFJ銀の関氏:日銀の利上げ展望できず5年債は買いの好機

三菱東京UFJ銀行円貨資金証券 部の関浩之次長は、日本銀行の利上げが当面は展望できないことや金 融機関の企業向けの貸し出し減少に歯止めがかからない状況から、足 元の5年国債の利回り上昇は買いの好機との考えを示した。

関氏は9日のインタビューで、景気回復を反映した米国の金利上 昇が国内債市場にも波及していると指摘。しかし、日本のファンダメ ンタルズ(経済の基礎的諸条件)からは金融緩和継続を示す「時間軸」 が揺らぐことはないとみて、「今年前半の5年債利回りの取引レンジの 上限は0.7%程度」との見方を示した。

新発5年国債利回りは日銀が追加金融緩和を決めた昨年10月に

0.20%まで低下して、2003年6月以来の低水準を記録したが、その後 はじり高に推移して12月半ばには0.60%まで上昇。年末年始に0.40% 割れを付けた後に再び売り込まれて、2月9日には0.625%まで上振 れた。5年債利回りが0.7%を付ければ09年11月以来となる。

また、貸し出しの減少傾向に歯止めがかからない状況の下、AL M(資産・負債の総合管理)の観点からも債券投資は維持されるとい う。関氏は、債券保有によってキャリー(金利収入)とロールダウン 効果(債券を保有し続けることで残存期間が短くなり価格が上昇する) を享受することで、先行きの金利上昇に対する許容度が拡大するとし て、「5年債利回りが0.5%を超えた水準からは購入量も増やした」と 話した。

日銀の貸出・資金吸収動向等によると、1月の全国銀行の貸出残 高は前年同月比1.9%減となって、09年12月から14カ月連続で減少 した。一方、都銀と地銀、第二地銀の実質預金と譲渡性預金(CD) の残高は同2.0%増加した。

長期金利は1.0-1.5%のレンジか

一方、長期金利は1.0-1.5%のレンジを形成するとみている。関 氏は、米国では景気回復を背景に量的緩和第2弾(QE2)の打ち止 めまで視野に入ったが、米金利の上昇は期待先行の側面が強いと指摘。 今後も米国では景気指標の見極めが必要であり、そうであれば米10 年債利回りは4%が節目となる可能性が高く、「日本の10年債利回り でみると1.5%程度が上限だろう」と読む。

長期金利の指標となる新発10年国債利回りは、昨年10月には約 7年ぶり低水準となる0.82%を付けた。しかし、その後に金利水準を 切り上げるとこの2カ月間は1.2%を挟むもみ合いが続き、前日には 10カ月ぶりの高い水準となる1.35%を記録した。

当面は政治動向に市場の関心が向かう可能性が高いとみている。 関氏は、菅政権が掲げる社会保障と税の一体改革の協議が難航すれば、 財政リスクプレミアム(金利上乗せ)が拡大して長めの金利に上昇圧 力がかかる一方、ねじれ国会の下で予算審議が滞ると株安などを通じ た金利低下となり、いずれも金利の振れ幅が拡大する場面が出てくる との見方だ。

ブルームバーグの予測調査によると、ことし12月末の長期金利予 想は加重平均で1.25%となり、低位で安定推移が続く見通し。10日午 前の終値は1.315%だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE