エジプト:大統領退陣まで「ここを動かない」-広場にテントや診療所

エジプトの首都カイロのタハリー ル広場でのデモに参加するため集まった人々は、戦車や世界各国のテレ ビ局のカメラに囲まれながら、自分の居場所を確保している。エジプト の歴史の上でも自身の居場所を守り切るためだ。

民衆は、ムバラク大統領とスレイマン副大統領が30年間にわたっ て主導してきた政治体制に反対を唱え、防水シートでシェルターを作り 毛布や衣類をベッドにして眠っている。野外の戦車の無限軌道のそばで 眠ることにも慣れてきた。

カイロにあるアイン・シャムス大学の商学部の学生、アムール・ハ ッサンさん(21)は「われわれの要求が受け入れられるまでタハリール 広場から立ち去ることはないだろう。政権の誰かがとどまることは許さ ない。ムバラクもスレイマンも、それ以外の誰でもだ」と語る。

エジプトでは1日、100万人規模のデモへの参加呼び掛けに応じた 人々がタハリール広場に集結し、抗議行動が激しさを増した。これ以 降、この広場は失業率の上昇や食料高騰にあえぐ中東諸国を揺さぶる政 情不安のシンボルになっている。

タハリール広場に民衆が集結したことにより、スレイマン副大統領 や反政府派の指導者にとっても反政府行動の収拾を図るのがさらに困難 な状況となる可能性がある。反政府行動は米国や西欧諸国の支持を得て いる。

広場では、ムバラク大統領が退陣するまでその場を動かないという 固い決意を胸に集まる男性や女性、子供たちの数が増え、数十のテント が次々と立ち並んでいる。タハリールはアラブ語で「解放」を意味し、 この広場は英国からの独立運動が繰り広げられた1919年のエジプト革 命にちなんで名付けられた。今、広場には食べ物を売る屋台や土産物 屋、理髪店のほか、ボランティアの医師が勤務する診療所も6カ所あ る。

小説「ヤクービアン・ビルディング」の著者、アラア・アスワニ氏 (53)は反政府行動が始まった1月25日、この広場で「タハリール広 場の占拠は常に、エジプトの歴史の転換点を意味する」と指摘。「その ため、われわれは要求が受け入れられるまでこの場所を決して離れよう とはしない。たとえどんな犠牲を払っても」と述べた。

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