圧倒的な低運賃で需要獲得へ-全日空設立のLCC新社長

全日本空輸が香港ファンドと共同 設立した格安航空(LCC)の井上慎一社長は「圧倒的な低い運賃を 提供するのが使命」と述べ、「既存の航空需要を奪い合うのではなく、 大きく膨らませられれば」と抱負を述べた。

「A&F Aviation」(東京・港区)は10日付で設立。井 上社長は同日、都内での共同インタビュー冒頭で、当時の故山元峯生・ 全日空社長から「アジアの成長を取り込むことが必要だ」と特命を受 け、香港を拠点にLCC研究と事業準備を行っていたことを明らかし た。その上で、新会社の目指す方向性は、外国人と組む、異業種との コラボレーション、日本とアジアの掛け橋、安全と安心の提供の4つ だとし、「これまでと違う、新しい価値を提供する」と強調した。

井上社長は目標として、欧州で成功しているアイルランドLCC のライアンエアを挙げた。アジアの同業LCCとの競争に関しては、 「国内線を飛べること」により国際線と連携させて、海外から参入す るLCCとの差別化が可能との考えを示した。取り込む顧客のイメー ジとしては、国内外のレジャーや、親族訪問目的などだとしている。

全日空が筆頭株主の新会社には、香港の投資家ビクター・チュー 氏が運営する投資会社ファースト・イースタン・インベストメント・ グループのほか、国内企業が出資する。関西国際空港を拠点とし、11 年度下期に全日空と別ブランドで運航開始を予定している。

大畠章宏国土交通相は同日の会見で、LCC事業推進会議を国交 省航空局と航空会社とで設置し、取り組みを進める考えを示した。ま た、全日空のLCCに関しては、歓迎したいと述べ、日本の航空市場 の活性化に期待を表明。さらに、安全の確立が第一とも指摘した。

●井上慎一(いのうえ・しんいち)氏の略歴:1958年5月26日生ま れ。神奈川県出身。82年に早稲田大学法学部を卒業、三菱重工業入社。 90年に全日空に入社、北京支店総務ディレクターを経て、08年にアジ ア戦略室長、LCC共同事業準備室室長などを歴任。9日に全日空を 退職、10日から現職。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE