米国株:売り優勢、インフレ加速を懸念-素材株など安い

米株式市場では売りが優勢。S& P500種株価指数は2008年6月以来の高値から下げた。世界的な インフレ加速が借り入れコストの上昇につながるとの懸念が強まった。

シェブロンとアルコアを中心にエネルギー株と素材株指数が下落。 両株価指数はS&P500種の業種別10指数の値下がり率上位とな った。米銀ウェルズ・ファーゴは、ハワード・アトキンス最高財務責 任者(CFO)の辞任をきっかけに下落。米保険会社アメリカン・イ ンターナショナル・グループ(AIG)は予想を上回る保険金請求で 利益が41億ドル削られるとの見通しを示したことが嫌気され、売り 込まれた。一方、米証券取引所を運営するNYSEユーロネクストは 上昇。同社はドイツの証券取引所運営会社のドイツ取引所による買収 で協議中であることを明らかにした。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1320.88。ダウ工 業株30種平均は6.74ドル(0.1%)上昇の12239.89ドルと、 昨年3月以来最長の8営業日続伸。米証券取引所の騰落比率は5対 9。ウォルト・ディズニー株の上昇で、ダウ平均は16.5ドル押し 上げられた。

ラッセル・インベストメンツの主任市場ストラテジスト、スティ ーブン・ウッド氏(ニューヨーク在勤)は、「米国の量的緩和策の影 響が商品市場や中国に漏れ出したかのように、世界中でインフレが加 速している」と指摘。新興国が「インフレ圧力に直面しており、こう した国々は成長減速を目的とした政策で対応している」と述べた。

年初から5%高

S&P500種は年初から5%上昇。予想を上回る経済指標や企 業業績が発表されるなか、景気回復への自信が強まったほか、米当局 が金利の上昇抑制に向け、6000億ドルの国債購入プログラムを継続 していることが背景にある。ブルームバーグがまとめたデータによる と、S&P500種銘柄で1月10日以降に四半期決算を発表した 319社のうち、約74%の企業で1株当たり利益がアナリスト予想を 上回った。

MSCI新興市場指数は1.5%安の1110.32と、昨年12月 以来の安値となった。中国の上海総合指数は0.9%下落。

フェデレーテッド・インベスターズのファンドマネジャー、ロー レンス・クリアチュラ氏(ニューヨーク在勤)は「マクロ経済関連が この日の市場では支配的な材料になっている。特に中国は潜在的なイ ンフレの問題を抱えており、引き続き歯止めをかけている兆しがある」 と指摘。「中国は世界的な成長の非常に重要な一部を占めており、同 国経済の減速は米国を含めた世界中の輸出企業に影響を及ぼすことに なろう」と述べた。

エネルギー株と素材株

原油や銅相場の下落を背景に、S&P500種のエネルギー株と 素材株指数が値下がり。シェブロンは1.5%安、アルコアは1.4% 下落。

株式相場は下げ幅を拡大する場面もあった。アイルランド財務省 が、同国の銀行への資金注入を25日の総選挙後まで延期すると明ら かにしたことに反応した。

S&P500種の銀行株指数は1.7%安と、業種別24指数で値 下がり率トップ。

ウェルズ・ファーゴは2.8%安。アトキンスCFOは一身上の 都合で退任した。ティム・スローン最高総務責任者(CAO)が後任 になる。ウェルズは発表文で、アトキンス氏の即日退社について、 「当社の財務状況や決算には無関係」とした。

AIGが安い

AIGは3%安。同社は予想を上回る保険金請求で2010年10 -12月(第4四半期)の利益が41億ドル削られるとしたほか、公 的資金の返済に充てる予定だった20億ドルは損害保険子会社の損失 引当金に充当されると明らかにした。

NYSEユーロネクストは14%高。ドイツ取引所は、NYSE ユーロネクストの買収に向け、話し合いが進展した段階にある。全額 株式交換による買収計画が実現すれば、世界最大の証券取引所が誕生 する。

ウォルト・ディズニーは5.3%高と、ダウ30種平均の値上が り率トップ。同社の10年10-12月(第1四半期)決算は、利益 が前年同期比54%増加し、アナリスト予想も上回った。売上高は 10%増の107億ドルで、これもアナリスト予想平均を上回った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE