債券は続落、長期金利一時1.35%と10カ月ぶり高水準-米債大幅安で

債券相場は続落。長期金利は一時

1.35%と約10カ月ぶりの高水準を付けた。前日の米国市場で、景気回 復期待の高まりからダウ工業株30種平均が7日続伸し、米債相場が大 幅下落した地合いを引き継いで売りが優勢だった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、「景気回復期待を背景に、物価上昇や株高傾向に加え、銀行勢が3 月決算期末前に動きにくいこともあり、金利上昇が止まらない状況」 と説明した。もっとも「超長期債には水準感から最終投資家の買いが 少しずつ入っているようだ。持続的に金利が上昇する可能性は低いと 思う」とも語った。

東京先物市場で中心限月3月物は5営業日続落。前日比30銭安の 138円46銭で取引を開始し、その後も138円台半ば中心に推移した。 午後の開始後に売りが膨らむと138円32銭まで急落し、昨年12月15 日以来の安値を付けた。その後は日経平均株価が下落に転じたことで 下げ幅を縮め、結局は19銭安の138円57銭とこの日の高値で引けた。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、「米国債市場に引っ張られて、海外勢による先物売りが出ているも よう。米国で景気に対する信頼感が強まっている。ただ、新興国が利 上げを実施しており、株価の上値も重くなっている」と述べた。

8日の米国債相場は大幅安。3年債入札が低調となったほか、米株 高を嫌気した。米10年債利回りは10ベーシスポイント(bp)上昇し て3.74%程度と、昨年4月30日以来の高水準となった。一方、米株 式相場は上昇。ダウ平均は昨年7月以来最長の連続高となった。週間 米小売売上高の持ち直しを好感したほか、既存店売上高が予想を上回 ったマクドナルドに買いが集まった。

新発10年債利回りは1.325%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比2.5ベーシスポイント(bp)高い1.34%で始まった。午 前10時20分過ぎから徐々に水準を切り上げ、午後に入ると3.5bp高 い1.35%まで上昇。新発10年債としては昨年4月16日以来の高水準 を付けた。その後は、上げ幅を縮小し、午後3時過ぎからは1bp高い

1.325%で推移している。

日本の長期金利は、1月半ばからの1.2%台を中心とするレンジ から、米金利上昇を受けて、今週に入って1.3%台に水準を切り上げ ている。JPモルガン・アセットの塚谷氏は、「米長期金利が4%を超 えないのであれば、日本の長期金利は1.4%程度が天井ではないか。 4%を超える場合は、景気が相当強いという見方になり、日本の長期 金利も1.4%を上回る水準に上昇する可能性がある」と解説した。

中期債利回り1年3カ月ぶり高水準

中期債も下落。新発5年債利回りは一時4.5bp高い0.625%と、 09年11月13日以来、約1年3カ月ぶりの高水準を付けた。また、新 発2年債利回りは2.5bp高い0.245%まで上昇し、09年11日25日以 来の高水準を付けた。

RBS証券の徐瑞雪債券ストラテジストは、「米国の株高や金利上 昇につられる格好で国内債の売りも続いている。外部環境が一段と悪 化したことから様子見姿勢が強まっている」としながらも、「日銀の金 融政策を考えると5年債利回りの0.6%台は投資妙味も出てきており、 きっかけ次第では金利が低下に転じる場面もある」と指摘していた。

半面、超長期債はしっかり。新発30年債利回りは1bp低い2.19% に低下している。新発20年債利回りは2.06%から午後に入ると0.5bp 低い2.035%まで戻した。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今晩、下院予 算委員会で証言する予定。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジ ストは、「先週も講演しているだけに、米雇用統計を受けた発言の変化 に注目したい。ただ現時点では、市場に予断を持たせないために、量 的緩和第2弾の取り扱いに関して明確な示唆はないだろう」と話した。

ムーディーズ、格付け見通しは安定的

米格付け会社ムーディーズはこの日、報道機関向け懇談会を開催 し、同社のトーマス・バーン氏は、日本国債の格付け見通しは安定的 と述べた。米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が1月27 日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けを「AA」 (ダブルA)から「AA-」(ダブルAマイナス)に格下げしたと発表 していた。このため、市場ではムーディーズによる格付け判断に対す る警戒感が出ていた。

トヨタアセットの深代氏は、「日本の財政が改善せず、予算審議が 進んでいない状況に対する懸念は続いている。中国のバブルがはじけ て、日本へ悪影響が及べば、財政が悪化し、日本国債の保証コストを 示すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も上昇するだろう」 と話した。

--取材協力:赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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