NY外為:ドル下落、FRB議長が失業率高止まりと発言

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ニューヨーク外国為替市場では、 ドルが主要通貨に対し3日続落。米連邦準備制度理事会(FRB)の バーナンキ議長が失業率について、「数年」は正常な水準には戻らな いとの認識を示したことに反応した。

ユーロは対ドルでの上げを縮める場面があった。ドイツ連邦銀行 (中央銀行)のウェーバー総裁と9日に話をした関係者は、同総裁が 年内に辞任する計画だと明らかにした。欧州中央銀行(ECB)の次 期総裁レースから離脱することになる。バーナンキ議長はこの日の議 会証言で、失業率について高い水準が続くとの認識を示し、低金利お よび量的緩和の政策の継続を示唆した。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・フ ォチェスキ氏は、「今の状況がしばらく続くというバーナンキ議長の 発言はどう考えても、近い将来に出口戦略に動くというシグナルを発 するものではない」と指摘。「当面は緩和政策を維持するとの発言は どのようなものであれ、ドルに重しとなるのは確かだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時5分現在、主要6通貨に対するインタ ーコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は、前日比0.5%下 げて77.610。

ユーロは対ドルで0.8%上げて1ユーロ=1.3733ドル(前日 は1.3625ドル)。対円では0.8%高の1ユーロ=113円09銭 (前日112円23銭)。ドルの対円相場は変わらずの1ドル=82円 36銭。

米失業率は昨年12月と今年1月に大幅に低下し、2カ月間の低 下幅としては1958年以降で最大となった。

「数年」

それでもなお議長はこの日の議会証言で、「生産の伸びがしばら くは緩やかなものにとどまる可能性が高いほか、企業は雇用増加にな おも消極的と報告されていることから、失業率がより正常な水準に戻 るまでには数年かかるだろう」と述べた。

バーナンキ議長および連邦公開市場委員会(FOMC)は、 6000億ドルの米国債購入計画を推し進める中で、労働市場の持続的 な回復を示すさらなる裏付けを待っている。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジーの世界責任者アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)は、「市場は米国の経済指標が改善して も金融当局は引き締めには非常にゆっくりと対応するという考えにな じみ始めている。そのため、ドルは強い経済指標にもさほど反応しな いだろう」と分析した。

ウェーバー総裁

ウェーバー総裁と話をした関係者は匿名を条件に、同総裁が 2012年4月の任期満了よりも約1年早く退任する見込みだと述べた。 ウェーバー氏はこの計画について、ドイツのメルケル首相と9日に話 し合ったという。

欧州連合(EU)の首脳はトリシェ現ECB総裁の任期が満了す る今年10月31日までに次期総裁を指名する必要がある。ウェーバ ー氏は最有力候補と見られていた。

インタラクティブ・ブローカーズ・グループのシニア市場アナ リスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は「ウェーバー氏は断固とし たタカ派と認識されており、利上げに尻込みすることはないだろう」 と述べた。

国債入札

円は一時、ドルに対して上昇する場面があった。この日の米10 年債入札(発行額240億ドル)で落札全体に占める間接入札の比率 が過去最高となったことに反応し、米国債相場が上昇したことを手掛 かりに円が買われた。

相場上昇により、米10年債利回りは9ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し3.65%。利回りが低下すると、ドル建て 資産の投資妙味が後退する。

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