「世話チョコ」でリーマン前回復へ、バレンタイン売り上げ-第一生命

チョコは一足先にリーマンショック 前へ--。第一生命経済研究所の試算によると、今年のバレンタインチ ョコレートの売り上げは過去最高水準に回復する見通しだ。依然デフレ に苦しむ日本経済を尻目に、平日の「世話チョコ」効果が後押しする。

試算では、今年のバレンタインデーのチョコレート売り上げは前年 比約10%増の400億円程度と、過去最高だった2008年の水準に達する 見通し。今年は3年ぶりに平日に当たるため、職場や学校での義理チョ コ需要が増大する。また、世話になった人への「世話チョコ」、友達へ の「友チョコ」など、対象範囲そのものも拡大中だ。

「今年の出費は例年以上」と語る、東京都に住む会社員の江尻竜子 さん(25)は、伊勢丹新宿店で世話チョコを1時間かけて選び、 総額1万円以上を支払った。また、外資系メーカーに勤める別所里奈さ ん(24)は、「14日と限らず女子会などで次に集まるときに」友チョコ を贈るといい、相手も去年の5人から15人に大きく増やす。

同研究所の永浜利広主席エコノミストは、「可処分所得が伸び悩む 中、こういった特別な文化的イベントの際には女性の財布は緩くなる」 との見方を示した上で、チョコの売り上げ見通しについて「デフレの 中、売り上げを伸ばした商品は薄型テレビや自動車などあるが、非耐久 製品、しかも食品では非常に珍しい」とも指摘した。

三越伊勢丹ホールディングスの食品営業部バイヤーの上野奈央氏 はバレンタイン市場について、「価値観やファッション性を表現する ものとなってきており、カタログも男性を意識したものから女性目線に 変わった」としている。同社は今年、過去最高のバレンタイン売り上げ を見込む。

「チョコほど甘くない」

チョコは好調でも、個人消費や景気は総じて厳しい状況が続く。 経済産業省によると、昨年12月の国内小売業販売指数(季節調整済み、 2005年=100)は前月比4.1%減少した96.2と、05年基準となって以来 の最低を記録した。10年はエコカー補助金などの効果もあり単月 ベースでリーマン前(08年8月)の100.7を数回上回ったものの、こう した政策効果が薄れた8月以降は弱含み、再び水面下に沈んだ格好だ。

また、14日に発表される10-12月期の実質国内総生産(GDP) は前期比年率で1.9%減と、5四半期ぶりのマイナスが見込まれている (ブルームバーグが集計したエコノミスト25人の予想中央値)。全国の 消費者物価指数も昨年12月まで22カ月連続のマイナスとなっており、 デフレ脱却への道筋は依然として見えてこない。日経平均もリーマン前 (08年9月12日、1万2,214円)に遠く及ばない。

今年のバレンタインデーのチョコレート売り上げがリーマン前の 水準へ回復するとみる永浜氏だが、景気全体については「依然、世の中 はチョコほど甘くない」として、本格的回復にはまだ時間を要するとの 見方を付け加えた。

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