2月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商 品相場は次の通り。

◎外国為替:ドル下落、中国利上げもリスク選好後退せず

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨の大半に対して 下落。中国が利上げしたものの、高利回り資産への選好は後退しな かった。

ユーロは主要16通貨中12通貨に対して上昇。エジプトの金融 市場で正常化の兆しが示され、域内の政情不安が強まるとの懸念が後 退した。世界の経済成長との関連が強いブラジル・レアルとニュージ ーランド(NZ)ドルが上昇率トップ。円は対ドルでの上げを消す展 開。米3年債入札(発行額320億ドル)に反応し、米国債の利回り が上げを拡大したことが手掛かりとなった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏は「市場参加者は中国が懸命に経済を減速させよ うとしていると理解しており、多くはソフトランディング(軟着陸) になると考えている。つまりは長期的な商品通貨のリスク環境を支持 することになる」と指摘。「きょうは他通貨の上昇という面を除け ば、ドル安が相場を動かしている」と加えた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ドルはユーロに対し1ユー ロ=1.3632ドルと、前日の1.3583ドルから0.4%安。円は対 ユーロで0.4%下げて1ユーロ=112円24銭(前日は111円82 銭)。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=82円34銭。一時は 81円78銭まで下げた。

円は主要16通貨中11通貨に対して値下がり。米3年債入札で は落札全体に占める海外の中央銀行など間接入札の比率が低下。これ を嫌気して米国債利回りは上昇した。間接入札の比率は27.6%と、 2007年5月以来の低水準だった。

米国債利回り

米2年債利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇の0.84%。一時0.85%と、昨年6月以来の高水準を付けた。 一方、同年物の日本国債の利回りは1bp上げて0.23%。

NZドルは0.6%上げて1NZドル=0.7744米ドル。南ア・ ランドは0.6%高の1ドル=7.1915ランド。

レアルは一時1%高の1ドル=1.6631レアルと、上昇率は1 週間で最大となった。

中国は昨年10月半ば以降で3回目となる政策金利の引き上げを 発表。2年半ぶり水準に加速したとみられる1月のインフレ率発表を 前に、追加利上げを決めた。人民銀がウェブサイトに掲載した発表資 料によると、指標の1年物貸出基準金利は6.06%と、現行の

5.81%から引き上げられる。9日から実施する。

エジプト・ポンド

エジプト・ポンドはドルに対し、3カ月余りで最大の上げ。エジ プト中銀のラメス副総裁によれば、同中銀は通貨下支えのため介入を 実施した。

エジプト・ポンドは1.3%上昇の1ドル=5.8780ポンド。上 昇率は昨年10月20日以降で最大。介入前には一時6年ぶり安値と なる5.9615ポンドに下落する場面もあった。

ユーロはドルに対して堅調を維持。昨年12月のドイツの鉱工業 生産が予想外に減少したものの、ユーロへの重しにはならなかった。

ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネン ブローク氏は「ユーロにとってマイナスとなるはずのニュースが、き ょうはそうなっていない」と指摘。「きょうの全体的な流れは、株式 市場のムードが影響している」と続けた。

この日は株価が上昇。MSCI世界指数は0.4%、S&P500 種株価指数も0.4%上げた。

◎米国株:続伸、マクドナルドなど消費関連株に買い

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は昨年7月以来最長の連 続高となった。米週間小売売上高の持ち直しを好感したほか、既存店売 上高が予想を上回ったマクドナルドに買いが集まった。

マクドナルドは2.6%高。米国際ショッピングセンター評議会 (ICSC)が発表した週間小売売上高は5週ぶりのプラス。これを 背景に米百貨店のJCペニーやメーシーズも上昇した。S&P500種 株価指数の銀行株指数は業種別24指数の値上がり率トップ。RBC キャピタル・マーケッツは規制当局が銀行の増配をまもなく認める可 能性があると指摘した。住宅需要の回復を予想する声が相次ぐ中、S &P500種の住宅建設株指数も値上がりした。

ダウ工業株30種平均は前日比71.52ドル(0.6%)上昇の

12233.15ドルと、7営業日続伸。終値ベースでは2008年6月16 日以来の高値となった。S&P500種株価指数は0.4%高の

1324.57と、08年6月以来の高値。

サンアメリカ・アセット・マネジメントの運用担当者、スティー ブ・ニーメス氏は、企業業績は「事前予想よりもはるかに好調で、そ こそこの売上高や高い利益率に支えられている」と指摘。「これらは 米景気が回復の勢いを増している初期の兆しだ」と述べた。

企業のM&A(合併・買収)発表が相次いだことや、利益の改善 で楽観的な見方が広がるなか、米株式相場は前日にも上昇。S&P 500種は09年に付けた12年ぶり安値から95%上昇している。ブル ームバーグがまとめたデータによると、S&P500種銘柄で1月10 日以降に四半期決算を発表した企業のうち、1株当たり利益がアナリ スト予想を上回ったのは全体のほぼ4分の3となっている。

マクドナルドが好調

S&P500種構成銘柄の利益は2010年に29%増と、伸び率は 1995年以来の最大。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によ れば、今年は15%増が見込まれている。

消費者の裁量支出に依存する銘柄で構成される消費者サービス株 指数は1.2%高と、S&P500種の業種別10指数で値上がり率トッ プとなった。

マクドナルドは2.6%高と、ダウ30種平均の値上がり率トップ。 1月の世界既存店売上高は5.3%増加し、アナリスト予想も上回った。 アナリスト5人の予想中央値は4.5%増だった。欧州での売上高は 7%増と、過去1年で最大の伸びとなった。新メニューや朝食が好調 だった。

小売株指数は1.5%高と、S&P500種の業種別24指数で値上 がり率3位。ICSCが発表した5日終了週の小売売上高は前週比

2.2%増加した。前週までは4週連続で減少していた。JCペニーは

4.9%高。メーシーズは3.2%値上がり。

住宅建設株と銀行株

S&P500種の住宅建設株指数は構成12銘柄すべてが上昇した。 KBホームは4.6%、レナーは4.1%いずれも値上がり。

米国の大手住宅建設会社10社のうち6社の最高経営責任者(C EO)が、過去4週間に実施された電話会議で、今春に販売が回復す る可能性があると指摘した。春は住宅建設の書き入れ時とされている。 米ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)と全米抵当貸付銀行協会(MB A)の見通しによれば、新築住宅市場の回復は始まり、少なくとも 2012年いっぱいは続くもよう。

S&P500種の銀行株指数は昨年5月以来の高値に上昇。RBC のアナリスト、ジェラード・キャシディ氏は、2年前にストレステス ト(健全性審査)を政府に義務付けられた金融機関のうち、少なくと も7社は今四半期(1-3月)の増配に向けて必要な承認を得る可能 性があるとの見方を示した。この中にはバンク・オブ・ニューヨーク (BNY)メロンやキャピタル・ワン・ファイナンシャル、JPモル ガン・チェース、ステート・ストリートが含まれる可能性があるとし ている。

◎米国債:下落、間接入札が低下-10年債利回り4月来最高

米国債相場は下落。3年債(規模320億ドル)の入札で、落札全 体に占める海外の中央銀行を含む間接入札の割合が低下したことを嫌気 して売りが出た。間接入札の比率は2007年5月以来で最低だった。

10年債利回りは4月以来の高水準に上昇した。米財務省は9 日に240億ドル規模の10年債入札を実施するほか、翌10日には 30年債を160億ドル発行する。今月4日に発表された米雇用統計で 1月の失業率が予想外に低下したほか、中小企業の楽観指数も伸び、 景気拡大のペース加速が示唆された。バーナンキ連邦準備制度理事会 (FRB)議長は9日、下院予算委員会での証言を予定している。米 国債購入計画からの出口戦略に注目が集まっている。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター で米国債トレーディング責任者のマイケル・フランゼーズ氏は、 「3年債入札が好調でなかったのは、市場参加者が持ち高を調整し、 金融政策の見通し変更に動いていることを示唆している」と指摘。 「FRBは金融引き締めにより積極的になる可能性がある」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時29分現在、既発3年債利回りは前日比12ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.36%。利回りは、 2009年12月以来で最長となる7日連続で上昇した。同年債(表面 利率1%、2014年1月償還)価格は10/32下げて、98 31/32。

10年債利回りは11bp上昇して3.74%と、昨年4月30日 以来の高水準。2年債は9bp上げて0.85%と、6月3日以来の最 高だった。

ラッカー総裁

リッチモンド連銀のラッカー総裁は、米景気回復のペース加速 を受けて、「米連邦公開市場委員会(FOMC)は、6000億ドルの 米国債購入計画の定期的な見直しをかなり真剣に進める必要がある」 と述べた。

ラッカー総裁は8日、デラウェア州ニューアークで講演し、 「米国債購入計画を開始してから、景気見通しが明らかに改善され てきており、計画をかなり真剣に見直す必要があることを示唆して いる」と指摘。「経済活動の水準はリセッション(景気後退)前のト レンドを取り戻してはいないものの、インフレが加速し得る状況に あるため、計画の見直し作業は厳しいものになるだろう」と続けた。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は、連邦準備制度理事会(FR B)のバランスシートをこれ以上拡大させるのには「非常に慎重だ」 と述べ、それにつながるような措置には恐らく反対票を投じるだろう と続けた。

フィッシャー総裁は8日、ダラスで講演し、「経済や金融シス テムに想定外のショックが発生しない限り、金融当局は現在の国債購 入枠を押し進めるだろう」と発言した。

入札結果

財務省が実施した3年債入札の結果によると、最高落札利回り は1.349%と、入札直前の市場予想の1.345%を上回った。前回入 札(1月11日)は1.027%だった。間接入札の割合は27.6%。 1月は39.4%だった。過去10回の平均は41.3%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.01倍と、過去10回の 平均は3.15倍となっている。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直 接入札者の比率は10.1%だった。1月の入札では16.2%、過去 10回の平均は14.5%。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、3 年債の投資リターンは2010年は4.1%だった。米国債全体のリタ ーンは5.9%。

◎金先物:上昇、中国利上げでインフレヘッジ需要

ニューヨーク金先物相場は上昇。2週間ぶりの高値をつけた。中 国が利上げを発表したため、消費者物価の上昇に備えた金需要が高ま った。

世界経済をけん引するアジアでは当局者が景気過熱の抑制に努 めており、今年に入ってからインドやインドネシア、タイ、韓国が利 上げに踏み切っている。1月の中国のインフレ率は2年半ぶりの水準 に加速すると予想されている。国連は先週、1月の世界の食料価格指 数が過去最高水準に達したと発表し、高止まりするとの見通しも示し た。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレーダ ー、マット・ジーマン氏は、「インフレに備えた金買いが入っている。 中央銀行のタカ派的な姿勢が強まるにつれ、インフレが懸念されるだ ろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比15.90ドル(1.2%)高の1オンス=1364.10ド ルで終了した。一時は1368.70ドルと、1月20日以来の高値をつ けた。

◎原油先物:4日続落、中国利上げで需要減退を警戒

ニューヨーク原油先物相場は4日続落。中国が利上げを発表した ため、同国の燃料需要が弱まるとの懸念が高まった。中国の利上げは 昨年10月中旬以降で3度目。

中国人民銀行(中央銀行)はインフレ抑制に向け、指標の1年物 貸出基準金利を6.06%と、現行の5.81%から引き上げる。エジプ ト情勢の緩和に加え、9日発表の在庫統計で原油在庫が4週連続で増 加するとの見通しも売りを誘った。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのブローカー、ト ム・ベンツ氏(ニューヨーク在勤)は、「現在、中国が主な材料だ。 中国の金利上昇は景気鈍化につながり得る」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比54セント(0.62%)安の1バレル=86.94ドルで終了した。

◎欧州株:総じて高い、決算好感でUBSやスウォッチなどに買い

欧州株式相場は総じて高い。UBSやアルセロール・ミタル、 スウォッチ・グループの業績が予想を上回り、中国の過去4カ月で 3回目の利上げがもたらす影響を打ち消す形となった。

鉄鋼会社アルセロール・ミタルとスウェーデンの銀行、スウェ ドバンクは大幅高。スイスの時計メーカー、スウォッチは5.8%高。 同社の2010年通期利益は42%増加した。スイスの銀行、UBSは

4.3%上げた。同行への富裕層顧客からの資金は2四半期連続で純 流入だった。

ストックス欧州600指数は288.56と、下落率は0.1%未満だ った。指数構成銘柄の騰落比率は4対3。

センパー・コンスタンティア・プリバトバンク(ウィーン)の ファンドマネジャー、フィリップ・ムシル氏は、「決算はかなりのプ ラス要因だった」と述べ、「投資家は市場と経済への信頼を一段と強 めている。民間投資家は高利回りを求めており、それは高リスク資 産にしか見つからない」と語った。

中国人民銀行(中央銀行)がウェブサイトに掲載した発表資料 によると、指標の1年物貸出基準金利は6.06%と、現行の5.81% から引き上げられる。9日から実施。1年物預金金利も3.00%と、

2.75%から引き上げる。

アルセロール・ミタルは2.8%上げ、昨年5月以来の高値を付 けた。スウェドバンクは5.2%高となった。

◎欧州債:独2年債が下落-中国利上げやECB当局者発言に反応

欧州債市場ではドイツ2年債相場が下落。中国が政策金利を引 き上げたことが響いた。また、インフレ加速が本格化した場合に政 策担当者は措置を講じる必要があると、欧州中央銀行(ECB)の 当局者が発言したことも背景にある。

ドイツ10年債利回りは1年ぶり高水準まで4ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)に迫った。ECBの政策委員会メンバ ー、ルクセンブルク中央銀行のメルシュ総裁は7日遅く、インフレ 率の上昇が一時的でなく、二次的影響をあおる場合はECBの「厳 しい介入が必要になろう」との見解を示した。

ギリシャ国債を中心に周辺国債も下げた。ギリシャ政府は3億 9000万ユーロ規模の国債入札を実施した。欧州各国の首脳が救済基 金をめぐる意見の相違を解消できなかったことを背景に、スペイン 国債は続落した。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の資本市場戦略担当 副ディレクター、オーランド・グリーン氏は、「メルシュ氏の昨夜の コメントは極めてタカ派的で、これが短期債に影響を与えた」と述 べ、「ECBの口調には依然としてタカ派的な響きがある。中国の利 上げは今後の世界経済の成長にとってプラスではない」と続けた。

ロンドン時間午後4時28分現在、ドイツ2年債利回りは7bp 上昇し1.43%。同国債(表面利率1%、2012年12月償還)価格 は0.12ポイント下げ99.22。ドイツ10年債利回りはほぼ変わら ずの3.25%。前日には2010年2月22日以来の高水準となる

3.29%まで上昇した。

中国利上げ

中国人民銀行(中央銀行)がウェブサイトに掲載した発表資料 によると、指標の1年物貸出基準金利は6.06%と、現行の5.81% から引き上げられる。9日から実施。1年物預金金利も3.00%と、

2.75%から引き上げる。

ギリシャ10年債利回りは14bp上昇し11.20%となった。週 末に欧州連合(EU)の首脳会議が開催されてから、25bp上げて いる。ドイツ10年債に対するスプレッド(上乗せ利回り)は793 bpに拡大した。

スペイン10年債利回りは前日比7bp上昇の5.32%、イタリ ア10年債利回りは6bp上昇し4.75%となった。

◎英国債:2年債は3日ぶりに上昇、利回り1.53%

英国債市場では2年債相場が3営業日ぶりに上昇。同利回りは 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.54%。同 国債(表面利率4.5%、2013年3月償還)価格は0.025ポイント 上げ106.015となった。

一方、10年債利回りはほぼ変わらずの3.84%。同国債は前週 に5日続落し、昨年11月以降で最大の下げを記録した。英国の経済 データが明るさを増すに伴い、イングランド銀行(英中央銀行)が インフレ抑制に向けて利上げを余儀なくされるとの観測が広がった ことが背景にある。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、キン グ総裁率いる金融政策委員会(MPC)は10日の会合で政策金利を 過去最低の0.5%に据え置くと、回答者62人全員が予想している。 インフレ率は目標2%のほぼ2倍の水準にあり、昨年12月は3.7% と、2008年11月以来の高水準を付けた昨年4月に並んだ。

エコノミスト40人を対象にした別の調査によると、MPCは 10-12月(第4四半期)に政策金利を25bp引き上げ0.75%にす ると見込まれている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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