エジプト:スレイマン副大統領の影響力が拡大-大統領選出馬は否定

エジプトの新政権樹立に向け協議を 主導するスレイマン副大統領は、ムバラク氏の後任として大統領に就 任する意向は否定しながらも、その権力を拡大しつつある。

諜報機関のトップを務めていたスレイマン氏は1月29日、ムバラ ク大統領に副大統領に指名された。ムバラク氏の即時退任を要求する デモが続く中、野党との協議を進め、次期政権の枠組みづくりに取り 組んできた。

スレイマン氏は先週、ムバラク氏の息子のガマル氏が大統領選に 出馬しないことを明らかにした。また、ムスリム同胞団にも協議への 参加を呼び掛けた。政府が1954年に同団体を禁止して以来、政府の高 官としては初めてのこととなる。

スレイマン氏が支配力を固めると同時に、数日前まで無政府状態 寸前のように見えたエジプトに安定が戻ってきている。銀行は営業を 開始し、政府は過去最大規模の国債入札の大半を終えた。

エジプトの資産家、ナギブ・サウィリス氏は5日、スレイマン副 大統領について、 エジプトをイスラム原理主義から守ろうという意志 のある「名誉を重んじる人」と称賛した。

英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の中東・北アフリカプ ログラムのアナリスト、マハ・アザム氏は電話インタビューで、「同氏 は明らかに指導的な地位にいる」と指摘。「しばらくその座にとどまる ことについて明らかに軍上層部の了解を得ている。同氏はその地位を 維持する意向であり、政権内にもそれを支持する人がいて、同氏に出 馬してその座に居続けてほしいと思っている」との見方を示した。

愛国者で強い指導者

スレイマン氏(74)は、反政府デモでの衝突で300人以上が死亡 した後は、愛国者および強い指導者としてのイメージを打ち出してい る。同氏は4日の国営テレビでのインタビューで、オバマ米大統領の 即時の権力移譲の呼び掛けを内政干渉と一蹴した。米国の中東での影 響力に反発するエジプト人の共感を呼ぶ姿勢だ。

スレイマン氏は、ABCニュースの「ディス・ウィーク・ウィズ・ クリスチャン・アマンプール」で、大統領選に出馬するかとの質問に 対し、その意向はないと明言。「わが国の憲法では、できないことにな っている。私はどの政党や団体にも所属しておらず、憲法上は候補者 になれない」と述べた。

同氏は「私はもう老人だ。国のために多くのことをしてきたが、 大統領になる意思はない。大統領が私に副大統領への就任を要請して きたときに直接引き受けたのは、この危機的な時期に大統領を助ける ためだ」と語った。

-- With assistance from Maram Mazen in Cairo and Caroline Alexander in London. Editors: Digby Lidstone, Steven Komarow

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 亀山 律子 Ritsuko Kameyama +81-3-3201-7441 rkameyama@bloomberg.net   Editor: Fumihiko Kasahara 記事に関する記者への問い合わせ先: Alaa Shahine in Cairo at +971-4-364-1026 or asalha@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Andrew J. Barden at +1-613-667-4804 or barden@bloomberg.net.

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