債券は続落、米国の株高や40年債入札低調で-午後は10年債にも売り

債券相場は続落。米国株相場が続伸 していることへの警戒感が強いほか、40年利付国債の入札結果が予想 対比で弱めだったことから売りが膨らんだ。利回り1.3%付近の買い 需要に支えられていた10年債も午後には売りが優勢となった。

三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、10 年債利回りは昨年5月以来の高水準ということで一定の需要がにじみ 出ていると指摘。ただ、米国の株高など外部環境の悪化が続いている ため、金利が一時的に上振れする場面もありそうだとも言う。

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比1銭安い138円99銭で 始まり、いったんは10銭高の139円10銭まで上昇したが、その後は 小幅マイナス圏でのもみ合いが続いた。40年債の入札結果発表後には じり安となって、一時は昨年12月16日以来の安値圏となる138円74 銭まで下落。結局は24銭安の138円76銭で終了した。

前日の米国市場では株高が進む一方で日中は債券売りが膨らむ構 図が続き、このことがきょうの債券先物相場の上値を抑制した。日興 コーディアル証券の野地慎シニア債券為替ストラテジストは、米国市 場は株高・債券安の傾向が続く可能性が高いと指摘。その上で、国内 債市場では10年債利回りの1.3%での買い需要を確認したが、今晩か らの米国債入札を見極めるまで持ち高を傾けにくいとも話した。

7日の米国株市場では企業の買収発表が相次いだことなどが買い 材料視され、ダウ工業株30種平均が6営業日続伸するなど主要な株価 指数が軒並み高かった。米国債市場では10年債利回りが一時は5ベー シスポイント(bp)高の3.69%と約9カ月ぶり水準まで上昇した。

先物市場には短期的には売り込みにくい雰囲気が広がっていた。 ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、国内市場では取引 材料が乏しいだけに、今晩から始まる米国債の入札やこれを受けた米 金利動向をにらむ展開だと言い、「10年債に一定の買いが確認できた こともあって、先物は139円付近でのもみ合いが続く」とも話した。

10年債利回りは1.315%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、前日比1.5bp低い1.28%で始まった。その後しばらくは1.285-

1.29%でのもみ合いが続いたが、午後に入ると売り込まれて水準を切 り上げ、きのうに続いて9カ月ぶりの高い水準を更新。午後3時前後 には昨年5月12日以来の高水準となる1.315%に上昇した。

もっとも、10年債には投資家の潜在需要が根強く、中期や超長期 ゾーン対比では相対的にしっかり。JPモルガン証券の山脇貴史チー フ債券ストラテジストは、1.3%を買いターゲットとする需要に支えら れていると言い、「投資家の買いが残っているうちに外部環境が好転す るか、あるいは外国人の先物売りなどに押し切られて金利が上振れる のか、短期的には1.3%をめぐる攻防が続く」と話した。

ドイツ証の山下氏は、米国で金利水準が切り上がれば景気にネガ ティブな影響が及んで、株高地合いにも変化が出る可能性があり、結 果として米10年債は4%に届かずに金利上昇圧力は和らぐと言い、そ うであれば日本の金利高にも歯止めがかかるとみていた。

40年債入札結果はやや低調

この日に実施された40年債入札はやや低調な結果が示された。最 近の金利上昇や利回り曲線上での割安推移もあって、無難な結果を予 想する見方も出ていた。三井住友海上きらめき生命の堀川氏は、40年 債は割安との評価ができても、入札でまとめて買うというより状況を 見ながら動きたいとの事情もあり、事前予想に反する結果となったと 指摘。このため、入札結果が午後の市場で売り材料視されることとな った。

40年物の3回債(2月発行)の入札結果によると、最高落札利回 りは2.24%(発行価格は98円96銭)となり、市場の事前予想の2.22% を上回った。応札倍率は前回の4.15倍から2.06倍に低下して、2007 年に40年債入札が始まって以降で最低となった。

JPモルガン証の山脇氏は、30-40年債の利回り格差(スプレッ ド)が拡大するなど、利回りスティープ(傾斜)化が続いていると指 摘。これまではスプレッドが5bp以上であれば入札も順調にこなした が、今後は10bp以上の水準が必要になるかもしれないと話した。

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