住友商:台湾で数年に鉄道1000車両規模の需要-受注獲得へ積極展開

海外で鉄道車両の受注拡大を目指す 住友商事は主力市場の一つ台湾で、今後1000車両規模の需要があると みている。東海旅客鉄道(JR東海)子会社の日本車両製造と協力し て、この受注獲得に向けた活動を積極的に展開する。

住商・海外鉄道車両関連事業の責任者、村田雄史・輸送機プロジ ェクト部長が7日のインタビューで、台湾で2005年に続き今年もすで に電車の車両受注を獲得したと述べた。馬英九政権が打ち出す約4兆 円規模の交通インフラネットワーク整備の流れに沿ったものと指摘す る。さらに、今後も1000車両規模の需要が「数年間を通じて見込める」 と述べ、「受注獲得へ向け努力したい」と語った。

住商と日本車両は今年1月、台湾鉄路管理局からカーブ時に車体 を内側に傾けて高速走行が可能な「車体傾斜式(振子)」と呼ばれる電 車136両を約300億円で受注したほか、通勤電車(EMU800)296両 を約440億円で受注したと相次いで発表した。村田氏は「台湾では日 本車両とチームで長らく事業に取り組んでいる」という。現地で台湾 車両という会社を共同設立し、現地企業が出資の半分以上を占めてい るが、同国で唯一車両を生産できる会社として事業展開している。

台湾車両への出資比率は現在、住商が約21%、日本車両は約15%。 技術面は日本車両、住商は営業とマネジメントにそれぞれ特化。村田 氏は「台湾市場に深くコミットしている」という。

車両は、台湾車両の工場と日本車両が保有する愛知県の豊川製作 所による生産になるという。通勤電車は296両のうち280両を台湾で 製造する方針。今後一段と受注が増えるようならば、状況をみながら 現地企業のパートナートと相談し、現地製造工場の拡張などを検討す る可能性はあると示唆した。

北米では複数の当局と協議中

村田氏はさらに、北米市場でのディーゼル仕様の新たな車両受注 活動について「トロントの鉄道局を含め複数の鉄道公社と協議中だ」 と明らかにした。現地の鉄道事情について「依然、ニッチな市場では ある」と断った上で、ディーゼル車両へ関心が集まっている背景とし て、非電化区間が多い地域があることや、車両編成の組み換えで輸送 量調整可能な機動性があることなどを挙げた。

村田氏はディーゼル仕様の車両について、米国ではまだほとんど 走っていないのが現状だとし、「最初にそのマーケットに参入すること でプレゼンスを取りに行くというのが戦略」と述べ、今後も北米での 車両契約を積み上げ、現地の鉄道当局の信頼を得ながら市場への浸透 を図っていく方針。一方、「ライバル社も黙ってはいないだろう」と述 べ、楽観はできないとの見方を示した。

住商は昨年末、米カリフォルニア州の鉄道公社のソノマ・マリン 地区鉄道公社から18両を約48億円で、日本車両と共同で受注したと 発表した。この契約には、他地域の交通局による買い付けオプション 契約146両が含まれている。また両社は昨秋、米国の北東イリノイ地 域鉄道公社から、2階建て電車160両を約480億円で受注と発表した。

米国で30年の実績

村田氏は米国での強みについて、30年間の事業展開実績や、一定 割合の米国製品購入を義務づける「バイアメリカ」や衝突基準など米 国特有の規制があると指摘した上で、それらに製造実績のある日本車 両をパートナーとしていることや、部材メーカーに対して購入価格交 渉力を持っているからだと説明する。

村田氏は、今後の注力市場について「台湾、米国、それに東南ア ジアだ」と述べ、具体的には、ベトナム、タイ、フィリピン、インド ネシアを挙げた。その上で、それぞれの市場で最適なパートナーと連 携しながら事業展開を図る考えを示した。

米国高速鉄道マップ フロリダ高速鉄道マップ

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