【M&A潮流】米サラ・リーの身売り拒否、約10億ドルの株主利益毀損

米食品・家庭用品メーカー、サラ・ リーは、株価引き上げのため過去10年間にわたって事業の取得と売却 を繰り返した挙句、最近1年間に3度あった身売りのチャンスを逃し、 株主の利益を大きく損ねた。

72年の歴史を持つ同社の取締役会は、世界最大の食肉加工会社、 ブラジルのJBSと米投資会社KKRに加え、米アポロ・グローバル・ マネジメント率いる投資グループからの買収提案をいずれも拒否。買 収交渉は非公開だったとして交渉に詳しい関係者が匿名を条件に明ら かにした。

関係者の情報に基づけば、アポロはサラ・リーを1ドル18.50ド ルと評価していたが、取締役会はより高値での買収を求めた。関係者 のうち2人は、サラ・リーは1株当たり約20ドルでの売却を目指した と明かす。JBSとアポロ側は非公式の買収提示額を引き上げず、買 収案そのものを撤回したという。

2000年以降、コーヒー関連から繊維製品まで多岐にわたる事業の 取得で30億ドル(約2500億円)を拠出する一方、衣料品のへインズ ブランズ部門など90億ドル以上の資産を売却したにもかかわらず、同 社の株価は約10年前と比べ、2ドル近く安い。

DAダビッドソンのアナリスト、ティム・ラミー氏は、「取締役会 は何かをすべきだというプレッシャーを感じていた。株主価値を創出 するという取り組みを取締役会が断念したようにさえ見える」と述べ た。サラ・リーの戦略・企業開発担当副社長だった同氏は02年に同社 を退社。最近の同社の動向について、「残念だ」と話す。

会社分割

JBSとアポロ、KKR3社の広報担当者はコメントを控えた。 サラ・リーの広報担当者、マイク・カミンズ氏は、同社の分割が株主 にとって最善の選択肢だと説明、「さまざまな選択肢を熟慮した後、取 締役会はサラ・リーを専業の上場企業2社に分割することを承認した。 当社はこの戦略が株主価値を引き上げる最善の方法だと考えている」 と語った。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、サラ・リーが拒否し た1株当たり最高18.50ドルでの非公式の買収提案は、現在109億ド ルとなっている同社の時価総額を9億4600万ドル引き上げていたは ずだ。データによれば、同社の時価総額は2000年初めの196億ドルか ら約90億ドル減少している。

サラ・リーの株価は1999年12月31日時点では18.79ドルだった。 先週は17.02ドルで引けた。ブルームバーグのデータは、同社がこの 間に少なくとも10件の買収を実施し、30余りの事業を売却したこと を示している。

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