米FRBの国債購入、4割強がベンチマーク債-低コストで

米連邦準備制度理事会(FRB)に よる米国債買い取りは既にジャンク債と株式相場への投資を促すこと に成功しているが、当局はここにきて、ベンチマーク国債に焦点を合 わせることで、社債や住宅ローンなどあらゆる金利の指標の上昇抑制 に貢献している。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチによれば、FR Bが1月にいわゆる量的緩和策として購入した国債の4割余りは、そ の前90日以内に入札されたものだった。この割合は昨年12月の 20%と11月の15%から増えている。FRBは比較的新しい国債に 購入を集中しており、FRBの6000億ドル(約49兆円)の国債購 入プログラムによってプライマリーディーラー(政府証券公認ディー ラー)の保有米国債は2009年11月以来の水準に低下した。

フィフス・サード・アセット・マネジメントの債券担当責任者、 ミッチェル・ステープリー氏は「オン・ザ・ラン」と呼ばれる最近発 行された国債を購入することで「FRBは努力に見合う全てを得よう としている」と指摘。「市場で最も大口の買い手となり、米国債保有 の規模で中国に取って代わるときに、それが実現する」と述べた。

FRBによる国債購入は、景気が回復する中でも、企業や住宅購 入者の借り入れコストを抑制することにつながっている。BOAメリ ルリンチの指数によれば、社債利回りは昨年11月の国債購入開始以 降の平均で約4.84%と、10年全体の5.48%を下回っている。フレ ディマック(連邦住宅貸付抵当公社)によると、30年物固定金利型 住宅ローン金利の平均は4.61%と、10年の4.69%とほぼ同水準で、 過去10年の平均の5.93%を下回っている。

利回り上昇

BGキャンター・マーケット・データによれば、10年債利回りは 先週、31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。バ ーナンキFRB議長が昨年11月3日に6000億ドル規模の国債買い 取り計画を発表して以来、10年債利回りはインフレ期待の高まりか ら約1ポイント上がっている。FRBの国債購入や景気回復の兆候を 受けて国債の安全性に対する需要が減少、高リスク資産が選好されて S&P500種株価指数は9.4%値上がりしている。

米財務省などのデータによると、FRBは昨年11月に米国債保 有額が8967億ドルと、中国の8956億ドルを抜いて最大の保有者と なった。11月12日以降の2880億ドル相当の購入は、大部分がプラ イマリーディーラーからだった。

FRBが今、量的緩和のための国債購入の対象としてベンチマー ク国債に注目しているのは、「オフ・ザ・ラン」と呼ばれる発行から 時間が経過した比較的古めの国債がビッド・アスク・スプレッド(売 り買いの呼び値スプレッド)でみて割高になりつつあることが理由と みられる。

BOAによると、比較的古めの5年債(2016年2月償還)のビ ッド・アスク・スプレッドは昨年11月3日以降、1.0833bpに拡大 している。FRBの国債購入発表前の5カ月間は0.97-0.99bpで 推移していた。

比較的新しい国債により多くの需要を生み出すことは、ウォール 街の金融機関に国債入札での応札意欲を高めることになり、指標利回 りの抑制につながる。BOAメリルリンチのストラテジストらは1月 31日付の投資家向けリポートで、「FRBに遠くない将来に売却でき るのなら、ディーラーは国債入札でより積極的に応札する可能性が高 い」と指摘した。

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