日本株は続伸しことし高値、米失業率低下で輸出や海運買い

東京株式相場は続伸。米国で失業率 が市場予想に反して低下し、米景気の回復期待が広がったほか、為替の やや円安方向への動きも好材料視された。収益の先行き警戒感の後退で 精密機器や機械、電機など輸出関連株が上昇。景気動向に敏感な業種が 総じて買われ、海運や非鉄金属、小売、銀行なども高い。

TOPIXの終値は前週末比5.07ポイント(0.5%)高の940.43、 日経平均株価は同48円52銭(0.5%)高の1万592円4銭。両指数と も終値ベースで昨年5月13日以来、9カ月ぶり高値を付けた。

T&Dアセットマネジメントの天野尚一運用統括部長は、「米国で は雇用情勢が着実に良くなってきており、個人消費への好影響を期待で きる」と指摘。また、為替のドル安定化にもつながり、「日本では輸出 関連を中心に、外需依存度の高い業種、銘柄の収益改善モメンタム(勢 い)が強くなりそう」と話していた。

米労働省が4日に発表した1月の雇用統計によると、失業率は9% と2カ月連続で低下し、2009年4月以来、1年9カ月ぶりの低水準と なった。エコノミスト予想の平均は9.5%と、前月(9.4%)からの上 昇が見込まれていた。一方、非農業部門の雇用者数は前月比3万6000 人増加と、エコノミストの予想中央値(14万6000人増)を大きく下回 った。大雪など悪天候のため、就業不能となった雇用者が88万6000人 に膨らんだため。

東洋証券情報部の大塚竜太部長によれば、1月の米雇用統計は失業 率が低下した半面雇用者数はさえず、「解釈が難しい結果」だったが、 大雪などの影響を考えれば、「予想以上に強かったというのが市場参加 者のコンセンサス。楽観に傾いている」という。

米10年債利回りとドル上昇

米雇用市場は改善に向かうとの見方から、米10年債利回りが9カ 月ぶり高水準に上昇したことでドル建て資産の魅力が高まり、4日のニ ューヨーク外国為替市場ではドルが円に対し続伸した。この流れを引き 継ぎ、週明け7日の東京外国為替市場では、1ドル=82円台前半と前 週末の東京市場での水準に比べやや円安・ドル高方向で推移。

米景気の回復期待と為替採算の悪化懸念の後退で、トヨタ自動車や 日立製作所、東芝、ニコンなど輸出関連株が上昇。日立は2年3カ月ぶ りに500円を回復する場面があった。このほか、世界景気に敏感な日本 郵船や商船三井など海運株、DOWAホールディングスなど非鉄金属株 が堅調。ヤマダ電機など小売株、三菱UFJフィナンシャル・グループ など銀行株も高い。

きょうの33業種の上昇率トップは海運の1.5%高だった。野村証 券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、直近で低パフォー マンスだった海運株の上昇を見て、「業種や銘柄間の循環物色がうまく 働いている」と指摘。相場の先行きを見通す上で、「良い流れに入って きた」と話していた。東証海運指数の前週末までの年初来騰落率はマイ ナス1.4%と、33業種で最下位だった。

米緩和の長期化期待も、高値後は伸び悩み

また、みずほ証券の北岡智哉シニア・ストラテジストは、米雇用の 改善ペースは緩やかなため、「金融緩和が長期化し、過剰流動性相場が 続くとの期待もある」と見ている。米連邦準備制度理事会(FRB)の バーナンキ議長は3日の講演で、景気回復が根づいたと金融当局者が確 信するには、十分な期間にわたり、強い雇用創出が続くことが不可欠と 述べている。

もっとも、TOPIXや日経平均が直近高値を上抜けたため、「い ったん利益を確定するための売りも出やすい」と、東洋証の大塚氏。両 指数とも、朝方の日中高値更新後は徐々に伸び悩む展開だった。野村証 の佐藤氏によれば、日経平均先物で現値の上方に1000-2000枚の指値 での大口売り注文が待ち構えていたため、「先物要因で上値が重い面も あった」という。

東証1部の売買高は概算で21億5977万株、売買代金は1兆4320 億円。33業種は海運、非鉄金属、精密機器、ゴム製品、倉庫・運輸関 連、小売、機械など29業種が上昇。鉄鋼、食料品、水産・農林、空運 の4業種が下げた。値上がり銘柄数は1164、値下がりは372。

荏原やクレセゾン高い、新日鉄と住金は反落

個別では、2011年3月期の業績予想の増額と3期ぶりの復配方針 を示した荏原、「過払い」利息返還請求の鎮静化を受け、11年3月期 の利益計画を上方修正したクレディセゾンがともに大幅高。14年ぶり の復配計画を発表したゴールドウイン、今期業績と配当計画を上方修正 したサンリオも買いを集めた。

半面、需要低調と先行費用負担で、4-12月の連結営業利益が前 年同期比12%減ったもしもしホットラインが急落。印刷用紙の需要減 や原燃料価格高などが響き、11年3月期業績予想を下方修正した大王 製紙、クレディ・スイス証券が投資判断を「中立」に引き下げた富士重 工業も安い。経営統合に向けた検討開始を発表したことを受け、前週末 に急騰した新日本製鉄と住友金属工業は反落。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.8%高の54.60と 3営業日ぶりに反発。東証マザーズ指数は同1.8%高の480.96と続伸 した。全国で順次、24時間対応のサービスを始めると、5日付の日本 経済新聞朝刊で報じられたジャパンケアサービスグループが大幅高。ユ ビキタス、サイバーエージェント、スタートトゥデイも上昇。半面、11 年3月期の連結純利益が一転して減益になる見通しと発表した綜研化学 が急落。ミクシィ、セブン銀行、第一精工も安い。

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