長期金利上昇、米債続落で9カ月ぶり1.3%台乗せも-投資家買いが支え

債券市場では長期金利が上昇。米国 で雇用統計発表後に金利上昇が加速したことから、午前には9カ月ぶ りに1.3%台に乗せる場面があった。もっとも、この水準では投資家 からの買いが膨らみ、午後に入ると上昇幅を縮める展開だった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、米国では景気回復やインフレ懸念を織り込む格好で金利水準が切 り上がり、国内債市場も追随売りが先行したと指摘。一方、投資家は 金利上昇局面においていったんは買いで対応したとも言う。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、前週末比2ベーシスポイント(bp)高い1.30%で開始。新発10 年債として昨年5月18日以来となる1.3%台を記録した。しかし、こ の水準では買いが優勢となって午前10時過ぎ以降は1.29-1.295%で の推移となり、午後2時40分過ぎには1.285%まで戻した。午後3時 50分現在では1bp高の1.29%で取引されている。

米長期金利が一段と上昇

米国の長期金利が一段と上昇したことが朝方の国内債市場でも売 り材料となった。日興コーディアル証券の野地慎シニア債券ストラテ ジストは、「米国の景況感が昨年の秋口と比べて大きく改善しており、 実際に足元の指標もキャッチアップしている感じ」だと指摘。今後も 1、2カ月程度は景気回復期待が高まりやすく、短期的には債券は弱 気で株式にとって強気の展開が続くとみていた。

バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフストラテジス トも、「昨年後半以降に米国では景気回復を織り込んで株高や債券安が 進展しており、いずれは行き過ぎの領域に差しかかるだろうが、足元 のトレンドはなお金利上昇方向に向いている」と指摘した。

4日に発表された1月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者 数は前月比3万6000人増と市場予想を大きく下回ったが、失業率が

0.4ポイント改善の9%と2009年4月以来の水準に低下した。雇用市 場の改善を期待する見方から債券売りが膨らんで、米10年債利回りは 9bp高の3.64%と9カ月ぶりの高い水準で引けた。

10年債利回りは1.3%の攻防

312回債利回りは前週初めに一時的に1.2%台を割り込んだが、そ の後は景気回復を受けた米国の株高・債券安を手掛かりにじり高推移 となった。4日には1.2%を挟む取引レンジから上方シフトした上、 その後さらに米金利の上昇が続くなど売り材料が目白押しとなり、今 週前半は1.3%の攻防を予想する見方が出ていた。

一方、新発10年債利回りが1.3%台に切り上がって、約9カ月ぶ りの水準まで上昇したことから、投資家が打診的に買いを入れるとの 見方は多い。

この日の午前には投資家の買いをきっかけに金利上昇が抑制され ており、バークレイズ・キャピタル証の森田氏は、長期金利は日米と もテクニカル面から上方シフトしたが、10年債利回りの1.3%をター ゲットに購入する投資家がいるとも話した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーによると、「きょうの午前には銀行を中心に買いが膨らんだ」もよ う。あすから入札が続く米国債市場をにらみながらも、いったんは久 しぶりの水準での買い需要が確認されたと言う。

先物は一時2カ月ぶり安値圏

東京先物市場の中心限月の3月物は前週末比22銭安い138円84 銭で開始。直後には138円81銭まで売り込まれて、昨年12月16日以 来の安値を更新した。しかし、その後は138円90銭台を中心としたも み合いに終始しており、取引終盤には139円03銭まで下げ幅を縮小。 結局は6銭安の139円00銭で取引を終えた。

先物3月物は4日の日中取引で139円割れを記録しており、その 後さらに米国の長期金利が上昇幅を拡大させたことから、この日も取 引開始後に売りが先行した。ただ、10年債利回りが1.30%から上抜け なかったため、その後は下げ幅を縮めての推移となった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、米国の金利上昇が進展するな ど外部環境は悪化しているものの、10年ゾーンに需要が見えたことで 売り込みにくくなり、売り方の買い戻しで下げ渋る展開だったと言う。

こうした中、財務省はあす8日に40年利付国債(2月発行)の利 回り競争入札を実施する。トヨタアセットマネジメントの深代氏は、 割安な水準にある40年債の入札が波乱含みとなる可能性は低いが、き ょうも先回り的に買いが入っているようなので、入札後に金利を下げ る展開までは想定しにくいと話した。

40年債の入札は、3回債と銘柄統合するリオープン発行となり、 表面利率(クーポン)は2.2%に据え置かれる。発行予定額は前回債 と同じ3000億円程度。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、40年債利回りは節目の2.2%を上回っている上、前回債の入 札時と比べても20bp程度高い水準だと指摘。利回り曲線上でも割安と 評価しており、消化に不安はないとの見通しを示した。

新発40年債利回りは昨年8月に1.6%台前半まで低下したが、そ の後はじりじりと水準を切り上げており、ここ3カ月間は2.1%台を 中心としたレンジを形成。7日午後3時以降は2.225-2.23%で取引 されている。

--取材協力:近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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