エジプト副大統領と野党、憲法修正の必要性で合意-初会合

エジプトのスレイマン副大統領は、 一部の野党が依然としてムバラク大統領の即時辞任を求めるなか、暫 定政府樹立に向け野党と初の公式会合を開いた。

協議後の内閣の声明によると、新ワフド党や国民進歩統一党(タ ガンマア党)、それに非合法組織で事実上の最大野党、ムスリム同胞団 などと会談したスレイマン副大統領は改憲を検討することで合意した。 しかし、ムスリム同胞団は引き続き大統領の即時辞任を望んでおり、 タハリール広場での抗議行動の継続を支持すると表明した。

内閣声明によれば、スレイマン副大統領と野党勢力は3月第1週 までに改憲の検討を終えることで合意。野党は、国内情勢が許せば長 く継続してきた非常事態法の緩和や、報道の自由の擁護でも一致した。 カイロ市内のデモの際、多くのジャーナリストが襲撃や脅迫を受けた。

政府は野党との協議で、ムバラク大統領の早期退陣は提案してい ない。シャフィク首相は米CNNテレビとのインタビューで、大統領 選挙が実施される可能性がある9月まで大統領は退陣しないだろうと 述べた。

ブルッキングス・ドーハ・センターの調査ディレクター、シャデ ィ・ハミド氏は、「市街での抗議活動は体制に圧力を加えており、体制 側は譲歩し始めている」とした上で、「好むと好まざるとにかかわらず、 誰もが妥協を余儀なくされるだろう」と指摘した。

銀行に長い列

暴動が沈静化するなか、銀行が約1週間ぶりに営業再開する6日、 市民らは銀行の前に長い列を作った。国連によると、衝突が始まった 1月25日以降の死者は最大計300人に達した。ホワイトハウスが支援 する政府と野党の協議が始まるなか、原油相場とエジプト国債のクレ ジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは4日、低下し た。エジプト国営テレビによると、同国の裁判所も審理を再開した。

エジプト・ポンドは2005年1月以来の安値に下落。ブルームバー グが集計したデータによれば、ドルに対し1ドル=5.857エジプト・ポ ンドから1.3%下げ、1ドル=5.933エジプト・ポンドとなった。

近東湾岸軍事分析研究所の調査ディレクター、セオドア・カラシ ック氏は、「エジプト情勢は幾分沈静化しつつあるようだ」と述べる一 方で、しかし「デモ参加者らの要求が適切なタイミングで満たされな い場合、再び大きくなる可能性がある」と分析した。

国民統一進歩党と新ワフド党を含む野党勢力は、無所属の候補者 が大統領選に出馬するのを難しくしている憲法の規制の緩和を望んで いる。

副大統領は出馬の意欲なし

スレイマン副大統領(74)は米ABCニュースとのインタビュー で、自分は「高齢」であり、大統領選挙では候補にならないだろうと 発言。「私にはこの国の大統領になるという意欲はない」と語った。

クリントン米国務長官は6日、米ナショナル・パブリック・ラジ オ(NPR)とのインタビューで、米国は「自由で公正な選挙につな がり得る秩序ある政権移行」を支持すると述べ、「開始した対話プロセ スが意味のあるものになり、透明性が保たれ、具体的な行動に確実に つながるよう多くの努力を傾注している」と語った。

抗議活動を行う市民らはデモ開始後13日目となる6日もタハリー ル広場に集結した。軍はデモ参加者と大統領支持派との衝突を避ける ため同広場に鉄条網を張っている。

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