【今週の債券】長期金利は上昇、9カ月ぶり1.3%台も-米景気回復期待

今週の債券市場で長期金利は上昇し て、約9カ月ぶり高水準となる1.3%台乗せが予想されている。米国 市場では景気回復期待の高まりから株高、債券安の展開が続いており、 こうした流れを引き継いで国内債市場でも売り圧力が強まる見通し。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、今週の長期金利について1.3%を挟んだレンジに切り上がる と予想している。「米国の経済指標が予想以上に強く、景況感が上振れ ているほか、欧州などのインフレ観測も背景にある」と説明した。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グが前週末4日に市場参加者4人に聞いた今週の予想レンジは全体で

1.20-1.35%となった。1.3%台に上昇すれば昨年5月18日以来とな る。前週末の終値は1.28%だった。

前週の長期金利は上昇。米国市場では、米供給管理協会(ISM) が発表した1月の製造業景況指数をはじめ強めの指標が相次いだこと で景気回復期待が高まり、国内株高を通じて円債市場の売り材料とな った。日本の長期金利は4日に1.285%まで上昇し、1月半ばから続 いた1.2%台前半を中心とするレンジから上抜けした。

長期金利の上昇めどとして、昨年12月15日に付けた1.295%、 それを抜けると同5月の1.3%となる。前週末の米債相場が雇用統計 を受けて続落しており、トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフ ストラテジストは、「1.295%を上抜けしてもおかしくない」とみる。 岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「市場では1.3% が次の節目として意識されそう」と話した。

米雇用統計で失業率低下

前週末の米債相場は5日続落し、米長期金利は一時3.66%と昨年 5月以来の高水準を付けた。1月の米雇用統計では、非農業部門の雇 用者数は前月比3万6000人増と、増加幅は予想(14.6万人増)を下 回ったが、失業率は9.0%と前月から0.4ポイント低下した。全体で は米景気改善を示す最近の経済指標に沿った内容と受け止められて売 りが優勢になった。

もっとも、投資家の潜在需要は旺盛とみられ、長期金利の1.3% 台では買いが膨らみ、債券相場の下落幅は限定的となりそう。JPモ ルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「米雇用 統計を受けて、いったん売られて1.3%台乗せもあり得る」としなが らも、1.3%台では投資家からの買いが期待できるとの見方を示した。

今週の材料では、9日にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長が下院予算委員会で証言する。JPモルガン・アセットの塚 谷氏は、「ゼロ金利政策を続ける姿勢を示し、債券の支援材料になると 思う」と語った。一方、国内経済指標では、10日に発表される昨年12 月の機械受注統計が注目だ。ブルームバーグ調査によると、船舶・電 力を除く民需は前月比5.0%増加と、前月の3.0%減からプラスに転じ る見込み。

40年入札、生保の需要見込めるとの声

需給面では、8日に40年利付国債の利回り競争入札が予定されて いる。前回入札の3回債と銘柄統合するリオープン発行となり、表面 利率(クーポン)は2.2%に据え置き。発行額は3000億円程度。

新発40年物の3回債利回りは、昨年12月下旬に2.05%まで低下 したが、年明け後に水準を切り上げ、1月半ばからは2.20%付近での もみ合いとなっている。

今回の40年債入札について、JPモルガン・アセットの塚谷氏は、 「生命保険を中心に投資家からの一定の需要はあるだろう」と指摘。 同入札による相場全体への影響は限られるとの見方を示している。

市場参加者の予想レンジとコメント

4日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月3月物、新発10年国債利回りは312回債。

◎トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト

先物3月物138円50銭-139円50銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「長期金利は昨年12月に付けた1.295%を上抜けてもおかしくな い。景気を見極める時期にある中、米国では企業の資金需要が底打ち しており、国内でも改善を示す指標発表が続けば債券市場にはボディ ーブローのように効いてくる。資金が潤沢な投資家は買いたい弱気に 変わりはないが、押し目買いの利回り水準が上がってきている」

◎大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ー 先物3月物138円50銭-139円50銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「長期金利は先週までの1.15-1.25%程度から、今週は1.25-

1.35%程度のレンジに切り上がると予想している。米国の経済指標が 予想以上に強く、景況感が上振れているほか、欧州などのインフレ観 測を背景に金利上昇リスクがある。バーナンキFRB議長の議会証言 では、引き続き雇用に関して慎重な発言を行うとみている」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物138円80銭-139円80銭

新発10年債利回り=1.20%-1.30%

「投資家動向に注目している。先週末は10年債利回りがレンジの 上限を上抜けたことで売りが膨らんだが、市場では1.3%が次の節目 として意識されそう。日銀の利上げ期待が乏しい中での利回りスティ ープ(傾斜)化には限界がある。引き続き海外の景気回復とインフレ には警戒が必要だが、各マーケットがすでに織り込んだ感もある」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物3月物138円50銭-140円00銭

新発10年債利回り=1.20%-1.33%

「米雇用統計を通過し、中東情勢をにらみつつ、次の材料を探す 展開。バーナンキ議長は強い雇用情勢が続かない限り、景気は持続的 に回復しないと発言しており、すぐに利上げという方向にはならない だろう。FRBは、ゼロ金利政策を続ける姿勢を示し、債券の支援材 料になると思う。40年債入札は生保を中心に一定の需要はあるだろう」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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