2月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品 相場は次の通り。

◎外国為替:ドル上昇、雇用者数より失業率低下を重視

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがユーロと円に対して3日続 伸。1月の米雇用統計では大雪などの天候が影響し、非農業部門雇用者 の伸びが抑制されたものの、失業率が09年4月以来の低水準となった ことを好感した。

カナダの雇用者数が市場予想の4倍を超える伸びとなり、カナ ダ・ドルは米ドルに対して2年ぶりの高値を付けた。エジプト・ポン ドは6年ぶりの安値付近で推移。エジプトでは反政府派がムバラク大 統領「退陣の日」と名付けた抗議活動を展開した。ドルはほとんどの 主要通貨に対して上昇。米雇用統計を手掛かりに米10年債利回りが上 昇したことで、ドル建て資産の魅了が高まった。

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏は、 「非農業部門雇用者から失業率に市場の関心が移ると、ユーロは対ド ルで一気に値を下げた」と指摘。「エジプト情勢が流動的なため、リ スク志向の動きを判断するのは困難だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時14分現在、ドルはユーロに対して前日 比0.4%高の1ユーロ=1.3585ドル(前日1.3634ドル)。一時 は1.3544ドルと、先月24日以来の高値となった。ドルは円に対し て0.7%高の82円19銭(同81円63銭)。ユーロは円に対して

0.3%高の111円66銭(同111円29銭)。

米雇用統計

米労働省が発表した1月の雇用統計によると、失業率は市場予想 に反して9%に低下した。前月は9.4%だった。非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比3万6000人増加。前月は12 万1000人の増加(速報値10万3000人増)に修正された。

米10年債は下落。利回りは3.66%と、昨年5月4日以来の水準 となった。30年債利回りは一時4.74%と、昨年4月15日以 来の高水準。

エジプトでは反政府デモが続くなか、株式市場や銀行のは再開さ れていない。エジプト・ポンドは先月31日に、1ドル=5.8585ポ ン

ドと05年1月以来の安値を付けた。

ユーロはドルに対して週間では0.2%下落。欧州連合(EU)は ブリュッセルで臨時首脳会議を開催し、域内債務危機を収束させる方 法について意見調整を進めた。

債務のセーフティーネット

独仏両首脳は債券買い戻し案や、ドイツのメルケル首相が重債務 国向けセーフティーネット強化の条件とする「競争力協定」で意見が 対立している。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の債券・通貨ストラ テジー担当チーフテクニカルアナリスト、ジョージ・デービス氏(ト ロント在勤)は電話インタビューで、ユーロがドルに対して1ユーロ =1.3498ドルを割り込んだ場合、2.3%安の同1.3246ドルまで値 下がりする可能性があると指摘した。

デービス氏は「それは強気派と弱気派の分かれ目となる水準だ」 と指摘。「この水準を割り込めば、ユーロの中長期のポジションを建 てていた投資家の一部は利益の確定、および手じまいに着手するだろ う」と述べた。

カナダ・ドルが高い

カナダ・ドルは米ドルに対して0.3%高の1米ドル=98.79カナ ダ・セント。一時は98.32カナダ・セントと、08年5月以来の高値 を付けた。カナダ・ドルは円に対しては1.2%高。

カナダ統計局によると、1月の雇用者数は6万9200人増加した。 ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は1万5000人 増だった。失業率は7.8%(前月7.6%)に上昇。

◎米国株:上昇、予想外の失業率低下や企業の業績改善で

米株式相場は上昇。一時は売り優勢の展開だったが後半に戻し、S &P500種株価指数は2008年6月以来の高水準に押し上げられた。 1月の米雇用統計で市場予想に反して失業率の低下が示されたほか、よ り多くの企業業績が市場予想を上回ったのが好感された。

食肉加工で米最大手のタイソン・フーズとネットワーク分析の JDSユニフェーズは上昇。両社が発表した四半期決算の利益がア ナリスト予想を上回ったのが手掛かりだった。保険会社のエトナも 値上がりした。予想を上回る決算と増配が材料視された。スマート フォン(多機能携帯端末)の「ブラックベリー」を製造するリサー チ・イン・モーション(RIM)も高い。モルガン・スタンレーに よる株式投資判断引き上げが背景。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1310.87。週間ベー スでは2.7%上昇し、それまでの2週連続安から反転した。ダウ工 業株30種平均は29.89ドル(0.3%)上昇の12092.15ドル。

ソラリス・アセット・マネジメント(ニューヨーク)のティモ シー・グリスキー最高投資責任者(CIO)は、「速度は遅いが安定 した回復だ」と述べ、「エジプト情勢不安の中にあっても相場は底堅 い。これは米経済のファンダメンタルズが改善していることに関係 しているはずだ」と続けた。

ブルームバーグがまとめたデータによると、1月10日以降に 四半期決算を発表したS&P500種採用企業287社のうち、約4分 の3がアナリスト予想を上回る1株当たり利益を計上した。

米雇用統計

1月の非農業部門雇用者は、大雪などの天候が影響し、予想を 大幅に下回る伸びだったものの、失業率は市場予想に反して9%ま で低下した。これは2009年4月以来の低水準だ。

米労働省が4日に発表した1月の雇用統計によると、非農業部 門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比3万6000人増 加と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中 央値(14.6万人増)を大きく下回った。前月は12万1000人の増 加だった。

グロース氏

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)のビル・グロース氏は、少なくとも向こう12カ月は、米金融 当局による利上げの可能性は低いとの見方を示した。

同氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、当局は恐 らく、利上げを検討する前提として最低で1カ月当たり20万人 の雇用増が見られることが望ましいと考えているだろうと述べ た。

朝方は一時、売り優勢の場面があった。米国債利回りが上昇し、 借り入れコストの上昇が景気回復を減速させるとの懸念につながっ たのが背景だ。

テーミス・トレーディングの株式トレーディング共同責任者、 ジョゼフ・サルッツィ氏は、「利回り上昇は株価に打撃を与えるとい うことだ」と述べた。さらに同氏は、「明るい経済ニュースは、今は 株価にとって悪材料にもなり得る。それは金利が上昇する可能性が あるからだ」と続けた。

タイソン、JDS

タイソンは5.7%高。昨年10-12月(第1四半期)の利益は、 一部項目を除くと1株当たり75セント。ブルームバーグがまとめ たアナリスト15人の予想平均(62セント)を上回った。豚肉と鶏 肉が好調だった。売上高は15%増の76億2000万ドル。前年同期 は66億4000万ドルだった。

JDSは25%の急伸。10-12月(第2四半期)の項目別1株 当たり利益がアナリスト予想を49%上回った。

エトナは12%高。同社の取締役会は1株当たり15セントの現 金による四半期配当を承認した。従来は年4セントだった。10-12 月(第4四半期)決算は1株当たり利益が63セントと、アナリス ト予想平均の62セントを上回った。

RIMは1.6%高。モルガンSはRIMの株式投資判断を「ア ンダーウエート」から「イコールウエート」に引き上げた。

◎米国債:利回りが9カ月ぶり高水準-失業率低下で

米国債相場は下落。10年債利回りは9カ月ぶり高水準となった。 1月の雇用統計で失業率が予想外に2009年4月以来の低水準に低下 し、雇用市場が改善するとの見方が強まった。

30年債利回りも9カ月ぶり高水準。家計調査に基づく1月の失 業率は9%に低下した。一方、事業所調査に基づく非農業部門雇用 者数は前月比3万6000人増加にとどまり、市場予想を大きく下回 った。悪天候が影響した。ニューヨーク連銀がこの日買い入れた米 国債は72億7000万ドルで、過去の平均を下回った。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイ モンズ氏は「経済指標の全体的なトーンはこれまでのところプラスで、 市場もそれを認識している」と指摘。「依然として大いに満足できる ペースでの回復ではないが、順調に進んでいる」と加えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後5時1分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.64%。一時3.66%と、昨年 5月4日以来の高水準を付ける場面もあった。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は5/8下げて、91 3/4。

30年債利回りは一時8bp上昇の4.74%と、昨年4月15日 以来の高水準。2年債利回りは0.76%と、6月15日以降で最高と なった。

2年債と10年債の利回り格差は一時291bpと、昨年2月23 日以降で最大となった。

「統計上の異常」

1月の非農業部門雇用者数の増加幅は過去4カ月で最小。12月 は12万1000人の増加(速報値10万3000人増)に上方修正さ れた。1月の増加幅は、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミストの予想中央値では14万6000人だった。

失業率は2カ月連続で低下。エコノミスト調査では9.5%と、 前月(9.4%)からの上昇が見込まれていた。

フィフス・サード・アセット・マネジメントの債券担当責任者、 ミッチェル・ステープリー氏は雇用統計について、「これはよくある 統計上の錯視にすぎない」と指摘。「解雇されている人はいる。これ は統計上の異常値だ」と述べた。

悪天候の影響を最も強く受けた建設と輸送業界では、雇用が減少。 一方で製造業は1998年8月以来の大幅な増加となった。

利上げの可能性低い

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏は、少なくとも向こう12カ月は、米金融当局に よる利上げの可能性は低いとの見方を示した。失業率を低下させるの に十分な成長を経済が生み出していないためと説明した。

同氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、当局は恐らく、 利上げを検討する前提として最低で1カ月当たり20万人の雇用増が 見られることが望ましいと考えているだろうと述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は3日の講演 で、景気回復が根付いたと金融当局者が確信するには、十分な期間に わたり、強い雇用創出が続くことが不可欠だと述べた。

◎金先物:反落、景気回復で代替投資需要が後退-1349ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。景気回復で代替投資としての需要 が弱まるとの見方から売りが出た。

ドルは対ユーロで上昇。米労働省が発表した1月の雇用統計で は失業率が予想外に低下し、9%と1年9カ月ぶりの低水準になっ た。中東情勢の深刻化を受けて逃避需要が高まり、金は一時1オン ス=1361ドルと、2週間ぶりの高値をつける場面もあった。

MKSファイナンスの通貨・金属担当取引責任者、バーナード・ シン氏(ジュネーブ在勤)は「景気回復は全般的にやや回復した」 と指摘した。ただ、「中東に対する懸念がまだ強く、押し目では買い が十分に入るだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物4月限は前日比4ドル(0.3%)高の1オンス=1349ドルちょう どで終了した。週間では0.5%高。

◎原油先物:続落、米雇用者の伸び悩みを嫌気-需要先行きに不安

ニューヨーク原油先物相場は続落。1月の雇用統計で非農業部門雇 用者数の伸びが予想を大幅に下回ったことから、世界最大の石油消費国 である米国で需要が落ち込むとの懸念が再燃した。

1月の雇用者数の伸びは3万6000人にとどまり、ブルームバー グニュースがまとめたエコノミストの予想中央値である14万6000 人に大きく及ばなかった。エネルギー省が2日に発表した週間統計で は、ガソリンの在庫がほぼ18年ぶりの高水準に増加した一方で、需 要は減少した。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)の エネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は、「石油製品市場が原 油相場を圧迫している」と指摘。「雇用統計は職を得た人の数が予想 ほど多くなかった一方、職探しをあきらめた人が多かったことを示し ており、消費者の需要の先行きに不安を与えるものだった。すでに需 要は弱い状況にあり、在庫はかなり高い水準に積み上がっている」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.51ドル(1.67%)安の1バレル=89.03ドルで終了した。 週間では0.3%値下がり。過去1年では22%値上がりしている。

◎欧州株:上昇、米失業率の低下に反応-YITやエネルが高い

欧州株式相場は上昇。1月の米雇用統計で、非農業部門雇用者が大 雪などの天候が影響し予想を大幅に下回る伸びだったものの、失業率が 予想に反して9%まで低下したことに反応した。

利益が市場予想を上回ったフィンランド最大の建設会社YITが 高い。イタリアの電力会社エネルも業績が予想を上回ったことが好感 され、買い進まれた。英食品小売りのウィリアム・モリソン・スーパ ーマーケッツと、再保険最大手のドイツのミュンヘン再保険は、アナ リストによる投資判断引き上げをきっかけに上昇。一方、高級ブラン ド品最大手、フランスのLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは 下落。同社決算では営業利益がアナリスト予想を上回らなかった。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の285.9で終了。騰 落比率は約2対1。同株価指数は昨年5月の安値から23%上昇してい る。米経済が強さを増しているとの楽観が広がったほか、欧州各国政 府がユーロ圏の重債務国支援に向けた政策を導入したことが背景。

BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツの調査責 任者、フィリップ・ガイゼル氏は、「米失業率の低下は明らかに大き な変化であり、歓迎されるべきだ」と指摘。「ただ、労働市場は引き 続きかなり弱く、これは米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和 路線を続ける上で重要な焦点であり続けるだろう」と述べた。

YITやエネルが高い

YITは10%高。同社の2010年10-12月(第4四半期)決 算は、純利益が8150万ユーロ(約91億円)と、ブルームバーグが まとめたアナリスト予想平均の6040万ユーロを上回った。

エネルは1%高。同社のEBITDA(利払い・税金・減価償 却・償却控除前利益)は175億ユーロと、前年同期の164億ユーロ から増加。市場予想の170億ユーロを上回った。

ウィリアム・モリソンは2.8%、ミュンヘン再保険は2.7%とい ずれも上昇。一方、LVMHは2.4%安。

◎欧州債:独2年債利回りが上昇-危機対応で臨時会議開催

欧州債市場では、ドイツ2年債利回りが上昇。域内の首脳がソブ リン債危機への対応をめぐる意見の相違を埋めるため臨時会議を開い たことが手掛かりとなった。前日はここ2年で最大の低下となってい た。

独10年債利回りはほぼ1年ぶりの高水準付近。1月の米雇用統 計で失業率が予想外に低下したことも材料視された。スペイン国債も 上昇。スペイン銀行(中央銀行)は月報で、昨年10-12月(第4 四半期)国内総生産(GDP)が増加したとの推定値を示した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「欧州首脳が合意に向け て妥協に動き出せば、独国債への逃避目的の買いの解消につながるは ずだ」と指摘。また、「米経済が力強さを増せば、独国債にはマイナ ス材料だ」と続けた。

ロンドン時間午後5時半現在、独2年債利回りは前日比8ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.44%。同年債(表 面利率1%、2012年12月償還)価格は0.15下げて、99.21。 10年債利回りは5bp上昇の3.26%。週間では8bpの上昇とな った。

◎英国債:2年債下落、利回りは1年8カ月ぶり高水準-住宅統計

英国債市場では2年債が下落、利回りは1年8カ月ぶりの高水準を 付けた。1月の英住宅価格が上昇したことを受け、イングランド中銀 (英中銀)が年内に利上げする余地があるとの見方につながった。

ロンドン時間午後4時57分現在、利回りは前日比8ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.52%。前日に付けた 2009年6月以来の高水準に並んだ。同年債(表面利率4.5%、 2013年3月償還)価格は0.19ポイント下げて106.08。10年債 利回りは4bp上げて3.82%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor: 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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