政府:M&Aを支援、TOB手続きを迅速化-法改正案提出へ

政府は国際競争力の強化を目指す企 業のM&A(買収・合併)を支援するため、株式の公開買い付け(T OB)を通じた完全子会社化手続きの簡素化などを盛り込んだ産業活 力再生法改正案を今国会に提出する。独占禁止法に基づく企業結合の 審査には、公正取引委員会と所管大臣との協議を義務付ける。法案は 4日午前の民主党経済産業部門会議で提示され、了承された。

配布資料によると、90%以上の株主がTOBに応じた場合は株主 総会の開催を経ずに完全子会社化できるようにすることで、手続きが 3カ月程度迅速化されるという。自社株を対価とするTOBの利用促 進策、日本政策金融公庫を通じた長期資金を供給する制度なども盛り 込んでいる。

海江田万里経済産業相は4日、閣議後の記者会見で、同法改正案 について「予算関連法案と位置づけており、遅くなることは避けたい」 と早期の国会提出を目指す考えを示した。民主党経産部門会議の後藤 斎(ひとし)座長は、政府が来週中の閣議決定を目指していることを 明らかにした。

第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは今回の法改正 について「菅直人政権になって成長戦略がクローズアップされてきて おり、今はそれがどの程度、本気かが試される局面になっている。環 太平洋連携協定(TPP)もそうだが、それに向けた政府の動きの一 環ではないか」との見方を示した。

公取委

改正案は、独禁法の審査権限は引き続き公取委に残すものの、所 管大臣が海外事業者の投資動向などの情報を提供するなど産業政策と の連携を強化する。海江田氏は会見で、今後の公取委の在り方につい て「国会でしっかりと議論しなければいけない。そういうところから 新しい時代の、国際競争の中での公取の在り方を十分、議論していき たい」と語った。

一方、枝野幸男官房長官は閣議後会見で、新日本製鉄と住友金属 工業が合併を検討していることについて「企業の戦略的な事業再編の 促進を掲げている。統合の発表はグローバル競争が厳しさを増す中で 国際競争力強化を目指したもので歓迎する」と述べた。

また、今後の公取委の審査に対しては「公取委は独立して職務を 行う。法に基づいた手続きで判断してもらうことであるが、様々な社 会状況、経済状況を踏まえて迅速な対応をしてもらえるものと期待し ている」と指摘。企業のグローバル化の観点も踏まえるのかとの質問 に対しては、「当然、そういったことも法解釈上の裁量の幅の中では含 めて考慮してもらうことになる」と語った。

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