新日鉄と住金の株価急騰、世界2位に期待-鉄鋼は全面高

統合へ検討開始を発表した新日本製 鉄と住友金属工業の株価が4日の東京市場で急騰した。統合が実現すれ ば世界2位規模となり、国際的な事業展開やユーザーとの交渉力向上な どのメリットが期待されている。これに連れて国内鉄鋼業界の再編期待 も高まり鉄鋼株は全面高となった。

新日鉄株は一時前日比14%高まで上昇したあと9%高の313円で終 了、住金株も一時22%高まで買われ16%高の224円で終了。終値はと もに昨年6月22日以来の水準。大手高炉メーカーではJFEホールデ ィングスが一時6.2%高の2852円、神戸製鋼所も9.3%高の236円まで 上昇した。東証鉄鋼指数は6%超上げ、業種別33指数で値上がり率ト ップ。

新日鉄と住金は3日、来年10月1日をめどに統合する方向で検討 すると発表。事業持ち株会社形態を目指し、遅くとも来年4月をめどに 合併契約を締結するという。実現すれば、アジア最大の鉄鋼メーカーと なり、規模ではアルセロール・ミタルに次ぐ世界2位の会社となる見込 みという。

クレディ・スイス証券の山田真也アナリストは3日付の投資家向け リポートで、「規模の拡大による鋼材ユーザー、原料サプライヤーとの 価格交渉力向上につながる可能性が高いほか、海外展開、原料鉱山への 出資など攻めの戦略が加速していくことが想定される」と指摘。

野村証券金融経済研究所のアナリスト、松本裕司氏と前川健太郎氏 も3日付リポートで、「原料高などが続くことによるマージンの悪化、 規模を拡大するアジアの鉄鋼メーカーなどとのグローバル競争の中で、 閉塞感があった状況を打破する経営判断」と評価した。

神戸製鋼

松本氏と前川氏は、「統合作業が順調に進めば業界他社やプレーヤ ーが多い電炉業界も再編に向けた動きを活発化させる可能性が高いだ ろう」と指摘した。国内高炉大手では、かつての川崎製鉄と日本鋼管が 統合してJFEが誕生、新日鉄と住金の統合が実現すれば、神戸製鋼は 鉄鋼生産規模で上位2社に引き離される。

新日鉄の宗岡正二社長は、提携関係にある神戸製鋼との関係につい ては「現状を維持する。これからも関係を継続する」ことを明らかにし た。

大和証券キャピタル・マーケッツの村田崇シニアアナリストは、神 戸鋼の今後の動向見通しについて「救済合併だと別だが、新日鉄、住金、 神戸鋼ともフリーキャッシュフローで何百億円稼いでいる状況。神戸鋼 が独自路線を歩んでも不思議ではない」とみている。

新日鉄と住金の発表資料によると、新日鉄の連結売上高は4兆1000 億円(2011年3月期見込み)、住金は1兆5000億円。11年の粗鋼生産 は新日鉄が3448万トン、住金が1332万トン。10年3月末現在の従業員 数は新日鉄が5万2205人、住金が2万3674人。

鉄鋼連盟のホームページによると、2009年の世界の粗鋼生産(実績) 順位は新日鉄が6位、住金が23位。1位はアルセロール・ミタル。

--取材協力:菅磨澄 Editors:Kiyo Sakihama, Kenzo Taniai

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