欧州排出権市場ICE:現物取引の停止を延長-盗難後の正常化目指す

世界最大の二酸化炭素(CO2)排 出権取引市場、ICEフューチャーズ・ヨーロッパ(ロンドン)は翌 日物の取引停止措置を延長した。排出許可証の盗難事件を受け、取引 は15日間にわたって停止されている。規制当局は5カ国の登録簿につ いて調査を終了した。

ICEのデービッド・ペニケット社長兼最高執行責任者(COO) は3日、電子メールの文書で「日々の先物取引を再開する少なくとも 36時間前に、市場が公正に秩序正しく運営されているか確認するよう 市場に助言する方針だ」としている。ICEは1月19日、翌日物の排 出権取引を停止したが、「市場の状況を調査中」として、この1週間で 停止措置を2度延長した。

欧州連合(EU)の欧州委員会は3日発表した声明で、フランス やドイツ、オランダ、スロバキア、英国の排出許可証の登録簿につい て、安全性が十分であることを確認した後、ブリュッセル時間4日午 前8時(日本時間午後4時)にフル稼働を再開する予定であることを 明らかにした。

各国の排出許可証登録簿の稼働再開は、欧州の排出権市場の秩序 回復に向けた第一歩となる。ただ、スポット取引の再開は依然として 困難な状態だ。スポット取引は、年間800億ユーロ(8兆9000億円) の市場規模を誇る欧州の排出権市場の約20%を占める。各国の法律が 抵触し調整が難航するなか、EU加盟27カ国は盗まれた排出許可証の 回収方法を模索している。

コンピューターによる攻撃でオーストリアやチェコ、ギリシャの 口座から推計200万枚の排出許可証が紛失したことを受け、欧州委員 会は1月19日、欧州排出権市場に参加する30カ国の登録簿の稼働を 停止。市場保護を強化するため、当局は各国に対し、登録簿の稼働を 再開する前に最低限の保護措置を取っていることを証明する第三者機 関による報告書を提出するよう要請した。

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