日本株反発、業界再編や資本効率改善期待広がる-鉄鋼急騰

東京株式相場は反発。新日本製鉄と 住友金属工業の経営統合方針や経営陣による企業買収(MBO)の材 料が重なり、業界再編や企業の資本効率改善への期待が高まった。鉄 鋼株が急騰し、東証1部33業種の上昇率トップ。米国景気の回復や、 ソフトバンクなど時価総額上位企業の好決算も好感された。

TOPIXの終値は前日比7.79ポイント(0.8%)高の935.36、 日経平均株価は112円16銭(1.1%)高の1万543円52銭。TOPI Xは一時940.80と1月13日に付けたことしの日中高値939.70を更新 し、昨年5月14日以来、9カ月ぶり高水準に達する場面があった。

明治安田アセットマネジメントの福島毅執行役員は、「政治の動き が鈍い日本では、企業が自らグローバルで戦う姿勢を見せる必要があ る」と指摘。今回の鉄鋼業界の象徴的な合併は、「日本の経営者も闘う 意志があることを示し、買い越し基調にある海外投資家の日本株に対 する見方はさらにポジティブになろう」と見ていた。

良好な景気や企業業績に対する評価に加え、鉄鋼業界再編や一部 企業の経営陣によるMBOの発表が相次いだことが買い安心感につな がった。シカゴ先物市場(CME)の円建て日経平均先物3月物の3 日清算値は大阪証券取引所の通常取引終値に比べ55円高の1万495 円だったが、国内での好材料を評価する形で海外投資家とみられる買 いが相場水準を押し上げた。海外勢は1月4週時点で13週連続の買い 越しと、5年ぶりの日本株長期連続買い越しとなっている。

鉄鋼、CCC

粗鋼生産国内1位の新日鉄と同3位の住金は、統合に向けての検 討を開始することで合意した。ゴールドマン・サックス証券では、「再 編は常に好材料」とし、統合が価格とマージンの改善につながれば、 「両社の大株主や業界全体、さらには海外の競合相手にもプラスにな る可能性がある」と評価。特にこの統合で、住金は多大な恩恵を受け るだろうとしている。

取引開始から業界再編期待が膨らんだ鉄鋼関連セクターへの買い が殺到し、東証1部の上昇率上位を共英製鋼、大阪製鉄、住金物産、 中山製鋼所、合同製鉄、住友鋼管などが占めた。鉄鋼指数は東証1部 業種別上昇率の1位となり、主役の住金と新日鉄は東証1部売買代金 1、2位に並び、それぞれ前日比16%高、9.1%高と急伸した。

また、CDやDVDのレンタル販売首位の「TSUTAYA」を 展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は3日、M BOで株式を非公開化すると発表。買付価格が3日終値比30%高の水 準だったことで、買取価格にさや寄せする動きから終値で制限値幅い っぱいのストップ高となった。

大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部の 高橋和宏部長によると、「鉄鋼業界再編やMBOの事例が相次ぎ、資本 の効率性という面で日本企業が変化する兆しが出ている。日本という 資本の面で特殊だった国の姿が変わってくるとの期待がある」という。

米統計堅調

また、米国景気や企業業績への期待感も継続した。リテール・メ トリクスが発表した1月の米小売り大手の既存店売上高は4.4%増え、 市場予想(2.6%増)を上回った。米供給管理協会(ISM)が発表し た1月の非製造業総合景況指数は59.4と、前月の57.1から上昇した。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは、「米国景気は、 四半期ベースでは1-3月が最も加速する。日本の企業業績にとって も来年度4-9月が見えてきており、株高要因になる」との見方を示 す。2010年10-12月の米実質成長率は年率3.2%だったが、村上氏は

4.5%と予想。日経平均1万500円水準は「割安だ」としていた。

東証1部の売買高は概算で25億5508万株、売買代金は同1兆 5984億円。値上がり銘柄数は1168、値下がりは351。東証33業種で は鉄鋼、繊維製品、パルプ・紙、水産・農林、食料品、倉庫・運輸な どの上昇率が大きかった。鉱業、空運、石油・石炭製品は軟調。

ソフバンク反発、マツダは大幅安

個別の材料銘柄では、11年3月期の連結営業利益予想の上方修正 や中国のオンラインテレビ運営会社への出資を発表したソフトバンク が反発。ゲームの上振れが要因で、10年10-12月営業利益は想定以 上だったとゴールドマン証が評価したソニーが3連騰。決算を受け、 構造改革の成果で中期計画前倒し達成が視野に入ったと野村証券が強 気判断を継続した日立製作所、きのうの午後に決算を発表し、CLS Aアジアパシフィックマーケッツの格上げなどアナリストの高評価が 重なった東レはともに4連騰した。

半面、10年10-12月最終損益が赤字に転落したマツダ、特別損 失の拡大などで、11年3月期の連結純利益予想をきょう午後に引き下 げた旭化成がそろって大幅安。11年3月期の連結最終赤字幅が拡大見 込みのミツミ電機、決算では通期業績の上方修正には至らなかった、 とドイツ証券が指摘したトヨタ紡織も急落。11年3月期の連結純損益 予想を赤字に変更したOKKは東証1部の下落率2位だった。

新興市場は高安まちまち

国内新興市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比

0.3%高の54.18と続落。東証マザーズ指数は1.5%高の472.48と反 発した。11年3月期の連結純利益予想を引き下げたドリコム、11年3 月期最終損益が赤字転落見込みとなった日本通信が急落。半面、10年 4-12月営業利益実績が通期計画を上回った大崎エンジニアリング、 10年4-12月営業損益で約1億円の黒字(前年同期1億9000万円の 赤字)を確保したマネースクウェア・ジャパンはストップ高となった。

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